怒りを手放すと健康も人間関係も整う

理不尽に遭っても怒るなと心に刻め
憎しみや怒りからは何も生まれない
私たちは怒って当然と声を上げ
怒らぬ者を弱いと嘲るまでになった
それは怒りの正体を知らぬからであり
小さな火がやがて心を焼き尽くす
怒りは体を蝕み血を濁し健康を奪い
ついには命までも危うくするものとなる
だからこそ怒りは手放さねばならぬ
怒らぬことこそが最も賢き生き方である
怒りは心と体を蝕む毒になる
お釈迦様はどんなに理不尽なことがあっても怒ってはいけないと説いた。
なぜなら、怒りや憎しみからは何ひとつ良いものは生まれず、むしろ自分の心を濁らせ、体を痛めつけると知っていたからだ。
たとえ悪口を言われても、裏切られても、怒りをぶつけ返さない。
それは決して弱さではなく、賢さの証だったのである。
けれど現代の私たちはどうだろう。
電車の中でスマホに夢中な人にイライラし、家族のちょっとした言葉にカッとし、仕事では上司や取引先に怒りを爆発させる。
その瞬間はスッとするように見えて、実は自分の体に毒を流し込んでいる。
血圧は上がり、心臓はバクバクし、胃はキリキリ痛み、やがて健康そのものを損なう。
怒りとは自分で自分を殴っているようなものだ。
しかも怒りは習慣化する。
小さな苛立ちを繰り返しているうちに
「怒り体質」
が完成し、ちょっとした出来事でも爆発するようになる。
結果、人間関係はギクシャクし、信頼は薄れ、家庭も職場も居心地が悪くなる。
怒りの感情は、人生をじわじわとむしばんでいく。
ではどうすればいいのか。答えはシンプルだ。
怒りを手放すことである。もちろん
「怒ってはいけない」
と無理に抑え込む必要はない。
大切なのは、怒りが湧いた瞬間に
「出たな」
と気づき、そこから笑いに変える習慣を持つことだ。
理不尽なクレームが来たときは
「うちも有名になった証拠だな」
と心の中でクスッと笑う。
家族が忘れ物をしたら
「うちの血筋はお茶目だ」
と冗談にする。
部下がミスをしたら
「人間らしさ全開でいいね」
と声をかける。
そうやってユーモアで受け止めると、場の空気はやわらぎ、自分の体も守られる。
さらに、怒りを抑えることは美容と健康の秘訣でもある。
怒れば顔は険しくなり、シワやたるみの原因になる。
逆に笑えば血流が良くなり、頬は上がり、肌は明るくなる。
怒りをため込むのは毒を飲むようなものだが、笑いに変えることは最高のデトックスなのである。
結局のところ、憎しみや怒りは
「百害あって一利なし」
だ。
人間関係を壊し、体調を崩し、人生の質までも下げてしまう。
しかし意識を少し変えるだけで流れは変わる。
怒りを笑いに変えられる人こそ、心も体も健やかで、美しく豊かな人生を歩んでいけるのだ。
「憎しみや怒りは自分を削る刃であり、笑いは自分を守る盾である。選ぶのは自由、だが未来を決めるのはその選択である。」
【運を開く言葉】
書:瑞雪 文:游雲
内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトの「運の研究-洩天機-」は、運をテーマにしている。他にも、この世界の法則や社会の仕組みを理解しスモールビジネスの経営を考える「気の経営」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。
瑞雪(ずいせつ)
書家。新潟県村上市に生まれる。幼い頃より書に親しみ、18歳で書家を志し、大東文化大学文学部中国文学科で青山杉雨氏に師事。卒業後 ㈱ブリヂストンに就職するも6年後に退職し、独自の創作活動を開始する。人生の法則を力強く書いたその書は、多くの人に生きる力と幸運をもたらすと評判である。雅号の瑞雪は、吉兆をもたらす雪を意味している。