思考のクセ

思考のクセは、感情ではなく解釈の癖として現れる。比較、決めつけ、先読み不安、過剰な自責。事実と解釈を切り分け、見方を組み替えて判断を戻す場所だ。頭の中の独り相撲をやめ、今日の選択を軽くする。

能力がないと思い込む癖を外す方法

人間の可能性は無限だと信じるのに自分には能力がないと思い込んでいる|筆文字書作品
人の可能性は無限だと信じているのに、自分の番になると「私には無理かもしれない」と一歩引いてしまう瞬間がある。誰かの挑戦には心から拍手できるのに、自分の挑戦にはやけに厳しい採点をしてしまう。失敗したらどうしようと考え、動く前から静かに諦める。胸の奥が少しだけ重くなり、やらない理由を探して安心しようとする。けれど、その感情は弱さではない。あなたを止めているのは才能の不足ではなく、先回りして出してしまったひとつの結論だ。(内田 游雲)




能力がないと思い込む
能力がないと思い込むのは実力の事実ではなく試す前に結論を固めて行動を止める心のクセである

人の可能性は無限だと
誰もが頭では知っている

けれど自分の番になると
急に世界が狭くなる

私には無理だと決めて
鍵を内側から掛けてしまう

思い込みは静かな鎖となり
一歩目の足を止める

動かぬまま時だけが過ぎ
成果は遠くに座る

それでも大丈夫、今日のあなたができる最小の一歩は、未来のあなたが「よくやった」と抱きしめたくなる小さな芽になる。

「能力がない」とは、本当は力が欠けているという意味ではなく、自分の未来に早めの判決を下してしまう言葉だ。
ここを誤解すると、才能探しの旅に出てしまい、今日の一歩が消える。
だがこの作品の芯は逆にある。
可能性を信じる人ほど、自分だけは例外にしてしまう癖があり、その癖が行動の入口を細くする。
だからこの言葉は、自己否定を責めるためではなく、思い込みを見抜くために効く。
できないと決める前に、条件を分け、試すサイズを小さくする。
そうすると、止まっていた流れが動き、可能性が「信じるもの」から「確かめられるもの」に変わる

可能性はあるのに動けない時、足りないのは才能ではなく「決めつけを外す順番」だ。
できるかどうかを先に決めると止まる。
まず確かめるだけにすると進める。
ここからは、経営者の現場で起きる「能力不足に見える思い込み」を、人知(判断)の扱いとしてほどいていく。

経営者はつい「能力不足」と思い込む

人は「可能性は無限」と言いながら、自分の番だけ急に厳しい審査員を呼び出してしまう。
その正体は能力不足ではなく、人知(判断)の詰まりだ。
「合否」ではなく「確かめる」に戻し、「能力がない」を条件に分解する。
10分のミニ検証と「まだ」を足せば、動きが出て巡りが戻る。

氣の経営=流れに乗る経営だ。
天機(兆し)を読み、地理(仕組み)を整え、人知(判断)を軽くして巡らす。
今回は人知(判断)が主役になる

「人間の可能性は無限だ」とは言えるのに、自分の番になると急に声が小さくなる。
誰かの挑戦には拍手できるのに、自分の挑戦には審査員が座ってしまう。
しかもその審査員、やたら厳しい。
無料なのに辛口だ。
できれば退席してほしい。

経営者は日々、決め続ける。
商品をどうするか。値付けをどうするか。人を入れるか。断るか。伸ばすか。畳むか。判断の連続は、心の余白を削る。

余白が減ると、思考が細くなる。
細くなると、現実の複雑さを受け止めきれず、早めに結論を出したくなる。
そこで出てきやすいのが、
「自分には能力がないのではないか」
という一文だ。

ここで起きているのは、能力の不足そのものではない。
迷いが判断を止めている状態だ。
迷いは悪ではない。
むしろ迷いがあるのは、責任をちゃんと背負っている証拠でもある。

ただ、迷いが長引くと「決める前に、決めつける」動きに変わってしまう。
すると行動が止まり、結果も止まる。
止まると自信が落ち、さらに止まる。
心の中でループが始まる。

思い込みとは、まだ検証していない未来に先回りして“結論”を出すことだ。
「できない」と言い切ると、脳は一瞬ラクになる。
挑戦しなくて済む。
傷つかなくて済む。

だが経営において、このラクは高くつく。
動かないことは、経験値が増えないことだ。
経験値が増えないと、次の判断材料も増えない。
材料が増えないと、ますます怖い。
怖いから、また「できない」で締め切る。
これが詰まりの正体になる。

さらに厄介なのは、能力の問題に見えるのに、実は自己評価の固定化が原因な点だ。
自分への評価が固定化していることが、挑戦のサイズを勝手に小さくする。
「私はこの程度」
「私には無理」
という無意識の設定が、可能性の扉を先に閉める。

女性経営者も男性経営者も同じだ。
責任がある人ほど、人に迷惑をかけたくなくて、先に自分を小さく見積もる。
優しさがブレーキに変わる瞬間だ。

だから、可能性を信じる気持ちと、自己評価の低さがぶつかっている。
内部で小競り合いが起きている。
ここを放置すると、迷いが増え、判断が重くなり、動きが鈍る。

まずは「能力がない」という言葉が、実は人知(判断)の詰まりを示すサインだと気づくところから始まる。



では、実際にどう戻すか。
ここでの主役は人知(判断)だ。
つまり、判断を軽くする。
気合で自信を上げるのではない。
判断のやり方を、現実的な手順に戻す。
氣の経営は、ここがポップで現実的だ。
重たい決意より、軽い一歩で流れを戻す。

最初にやるのは、「できるかどうか」をいったん脇に置くことだ。
いきなり合否を出すと、判断が重くなる。
ここを「確かめるだけ」に切り替える。

経営の判断とは、正解を当てることではなく、仮説を動かすことだ。
この感覚に戻るだけで、頭の中の審査会が解散しやすくなる。
議題は「合格か不合格か」ではなく、「試すかどうか」になる。

次に、「能力がない」を分解する。
能力がない、という言葉は便利すぎる。
全部をそこに押し込めてしまうからだ。
だが実際は、たいてい能力ではない。

時間が足りないのか。
手順が曖昧なのか。
協力者がいないのか。
情報が欠けているのか。
書き出してみると、正体はだいたい条件の未整理になる。
条件なら整えられる。
能力より、はるかに扱いやすい。

次に、検証サイズを小さくする。
会社で新施策をいきなり全社導入しないのと同じだ。
自分にだけでもフルスケール導入を要求すると、怖くて当然になる。
だから、10分で終わるミニ検証にする。

たとえば、問い合わせ文を1本だけ書く。
提案書の冒頭だけ作る。
新しい導線の見出しだけ並べる。
完了ではなく「着手」を合格にする。

ここで流れが動き出す。
動きが出ると、気分も変わる。
気分が変わると、また動ける。
こうして巡りが戻ってくる。

そして最後に、「まだ」を足す。
できない、ではなく、まだできない
この一語は、脳に「続きがある」と教える。
自分への評価が固定化しにくくなる。

小さく動けば、小さく結果が出る。
小さく結果が出れば、小さく自信が戻る。
こうして良い循環が回り始める。

ここまで読んで、少しだけ肩の力が抜けていたらそれで十分だ。
能力の話に見えて、実は自分との向き合い方の話だったと気づけば流れは変わる。
ここからは、つまずきやすい点を一つずつ解いていく。

読者からのよくある質問とその答え

Q. 能力がないと思い込む癖を外すにはどうしたらいいですか?

A. 能力の問題にせず「まだ試していない」と捉え直すのが近道だ。
事実を一つ書き、足りないのは時間か手順か協力かを分ける。
10分だけ試す形に落とすと流れが戻る。

Q. どうして自分のことになると急に無理だと思ってしまうのですか?

A. 失敗を避けたい気持ちが先に立ち、未来に早めの判決を出すからだ。
自分を守る反応でもある。
だから責めずに、結論を保留して「確かめる」に切り替えると心が落ち着く。

Q. 動けない日に、まず何をすればいいですか?

A. 今日は合否を決める日ではなく、確かめる日にする。
過去にできたことを一つ書き、無理の内訳を一つだけ特定し、10分のミニ検証を一個やる。
着手で十分、それだけで気が巡り始める。



迷いの正体が見えたら、あとは小さく動くだけだ。

【経営者の次の一手】
1.10分のミニ検証を決める
今日やる作業を10分で終わる形に切り、タイマーを押して着手する。完了は狙わず着手だけで終えてよい。
2.「無理」の内訳を一つ書く
手帳に「時間・手順・協力・情報」のどれが足りないか一つだけ書き、足りない要素を埋める次の作業を一つ決める。
3.相談の一通を送る
協力が必要なら、今日中に相手を一人決めて短い依頼文を送る。流れを止めずに回す前提で頼る。

【要点まとめ】
・「能力不足」は事実より先回りの結論になりやすい
・できるかではなく確かめるに切り替えると動ける
・10分のミニ検証を積むほど自己評価は自然に戻る

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可能性は証明するものではない、扱い方を変えれば自然と広がるものである。できないと決める前に一歩だけ動かせば、その小さな行動がやがて自分の評価を書き換え、止まっていた流れを前へと押し出してくれる。

【運を開く言葉】
書:瑞雪 文:游雲

profile:
内田游雲(うちだ ゆううん)

ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトの「運の研究-洩天機-」は、氣と運をテーマにしている。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。

profile:
瑞雪(ずいせつ)

書家。新潟県村上市に生まれる。幼い頃より書に親しみ、18歳で書家を志し、大東文化大学文学部中国文学科で青山杉雨氏に師事。卒業後 ㈱ブリヂストンに就職するも6年後に退職し、独自の創作活動を開始する。人生の法則を力強く書いたその書は、多くの人に生きる力と幸運をもたらすと評判である。雅号の瑞雪は、吉兆をもたらす雪を意味している。

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