【運を開く言葉】
書:瑞雪 文:游雲
せっかく巡ってきた機会をつかんだのに、期待していたほど状況が変わらない。そんなとき、人は「結局うまくいかなかった」と判断しやすい。だが、その出来事によって以前より少し先へ進んでいたとしても、同じように失敗と呼んでしまってよいのだろうか。
思ったほど変わらない
あれほど待っていたのに
景色はまだ同じに見える
うまくいかなかったと
心が先に決めてしまう
けれど立っている場所は
ほんの少し違っている
届かなかった悔しさで
進んだことまで消さない
まだ途中にいるだけかもしれない
チャンスという言葉には、ときどき大きすぎる期待が重ねられている。一度つかめば状況が一変し、望んでいた結果まで一気に届く。そんな出来事だけをチャンスだと思えば、現実に訪れる機会の多くは物足りなく見えてしまう。
だが、すべてを一度に実現させなくても、その出来事によって今まで届かなかった場所へ進めたなら、そこには十分な意味がある。結果が完成していないからといって、前進までなかったことにはならない。
ここで見ているのは、派手な成功だけではない。次の段階へ進める変化もまた、チャンスとして受け取れるということだ。
目的地まで届かなかったという理由だけで、その途中にあった転換点まで失敗と決めてしまえば、本来そこにあった意味を見落としてしまう。
チャンスとは次の段階への転換点
チャンスをつかんでもうまくいかない。そう感じるとき、実際に何も起きなかったとは限らない。ここで見るべきなのは、望んだ結果まで届いたかどうかだけではなく、その出来事によって自分の位置が変わったかどうかである。チャンスとは、完成した結果そのものではなく、次の段階へ移るきっかけとして現れることもある。
厄介なのは、チャンスに大きな期待を載せすぎると、その途中経過が見えなくなることだ。一度つかめば状況が一変する。迷いも消え、問題も片づき、目的地まで一気に運ばれる。そこまでを期待していれば、少し前へ進んだ程度では成功した気がしない。むしろ「こんなはずではなかった」という失望のほうが強くなる。
そこで起きるのが、評価のねじれである。以前より一段先へ進んでいるのに、完成していないという理由だけで失敗と呼んでしまう。結果が小さいのではない。最初に置いた期待が大きすぎたため、その前進が見えなくなっているのだ。
階段を上がるとき、一段上がっただけでは最上階には着かない。それは当たり前である。ところがチャンスになると、なぜか一段で最上階まで運ばれることを期待してしまう。そして届かなければ、チャンスを逃したと感じる。ここには、一足飛びでなければ意味がないという思い込みがある。
その思い込みは、夢を諦める理由にもなりやすい。一度の機会で望んだところまで届かなかった。その事実だけを見て、「自分には無理だった」「あれは失敗だった」と結論を出してしまう。しかし、次の場所まで進んでいたなら、その判断は少し早い。少なくとも、何も起きなかったわけではない。
もちろん、前へ進んだように見えて実際には何も変わっていないこともある。だから、すべての出来事を都合よくチャンスと呼べばよいわけではない。大切なのは、期待した完成形ではなく、実際に何が変わったのかを見ることだ。
見える場所が増えたのか。次へ進める位置まで来たのか。以前にはなかった選択肢が生まれたのか。その変化があるなら、一度で結果が完成しなかったことだけを理由に切り捨てる必要はない。
完璧なチャンスばかりを待っていると、現実のチャンスはあまりに地味に見える。大きな扉ではなく、一段だけ高い場所へ移るための小さな変化として現れることもある。それを「足りない」と捨て続ければ、失っているのはチャンスそのものではなく、前進を前進として認める目かもしれない。
一度で目的地へ届かなかった。その事実と、一歩も進めなかったという判断は同じではない。成功か失敗かを急いで決める前に、その出来事の前後で立っている場所が変わったかを見る。それだけで、過去に「失敗」と片づけた出来事の意味は、少し違って見えてくる。
【卦象ミニコラム】
一段進む変化を見落とさない
卦象:火地晋|結果より進んだ位置を見る
変化|一度の成功より次の段階へ移る
火地晋は、地の上に火が昇り、明るさが広がっていく形を持つ。ここで見るのは、一度に目的地へ届いたかではなく、以前より見える範囲が広がったかということだ。チャンスをつかんでも結果が完成しないと、失敗と決めたくなる。だが、選べる道が増え、次の機会に手が届く位置へ移ったなら、局面はすでに動いている。完成していないことと、前進していないことを同じに扱わない。それだけで、いま起きている変化の輪郭はかなり違って見える。
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【開運への手がかり】
失敗と前進を同じ箱に入れない
期待した結果まで届かなかったことと、何も進まなかったことは別である。過去の出来事を見るときは、その前後で自分の立っている位置が少しでも変わったかを確かめてみる。
失敗と前進を同じ箱に入れない
期待した結果まで届かなかったことと、何も進まなかったことは別である。過去の出来事を見るときは、その前後で自分の立っている位置が少しでも変わったかを確かめてみる。
(内田 游雲)
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