経営者は事実と解釈を分けて幸不幸を変える
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幸不幸とは何か
幸不幸とは出来事そのものではなく、事実に付けた意味付けで決まるものである
幸も不幸も出来事ではない
それは自分が決める色だ
世界は無色のまま起きる
嬉しいも苦しいも貼られない
色を塗るのはこの心だ
受け止め方が景色を変える
他人のせいにすると楽だ
でもハンドルを手放すことだ
振り回されて息が乱れる
気が散って運も見えなくなる
だから自分へ戻ってみる
今日の一歩で色は変わる
人の言葉に揺れた日ほど、自分の内側に戻れた瞬間がいちばん救いになる。
ここまで読んで、少し心が動いたならそれで十分だ。
今の反応は間違いではなく、あなたが一生懸命に生きている証拠でもある。
ここから先は、気持ちを置き去りにせず、日々の判断が戻る形で話を進める。
他人に振り回されない幸不幸の捉え方
他人の言動や出来事が、あなたの幸福や不幸を決めるわけではない。
出来事には色がなく、色を付けるのは自分の意味付けだ。
振り回される原因は
「事実」
と
「解釈」
を混ぜることにある。
まず一行の事実に戻し、
「私は今、何を選べるか」
で主導権を取り戻す。
(本文・前半)
他人のひと言で気分が沈んだり、予定が狂れて一日じゅうイライラしたりする。
経営者だと、そこに
「判断しないと終わらない案件」
まで乗ってくるから、心が忙しい。
しかも相手はだいたい悪気がない。悪気がないから余計に腹が立つ。ここ、あるあるだ。
それで人はつい、こう言いたくなる。「あの人のせいで台無しだ」と。
けれど、出来事そのものには色が付いていない。
色を付けるのは、受け取った側の心だ。
脳と心は、目の前の情報に意味付けをして、気分と行動を決める仕組みになっている。
だから同じ出来事でも、怒りになる人もいれば、笑い話にする人もいる。
つまり、幸不幸は出来事の中ではなく、自分の中で決まる。
ここで大事なのは
「自分が悪い」
と自分を殴る話ではない点だ。
自分側にハンドルを戻す話だ。
ハンドルが自分にあると、道を選べる。
相手にあると、カーブのたびに振り回される。
運転席が他人だと、酔う。
これもあるあるだ。
そして厄介なのが、他人のせいにしたほうが一瞬ラクなことだ。
責任から逃げるためではなく、心の疲労を減らすために、人は無意識で
「原因は外」
と置きたがる。
これが積み重なると、他責思考が癖になる。
他責思考は、問題の原因と解決の主導権を外側に置く考え方だ。
主導権を外に置いた瞬間、解決は遠くなる。
なぜなら外側は、自分の手で動かせないからだ。
経営の現場だと、部下が動かない、取引先が遅い、家族が分かってくれない、と外側の要因が山ほどある。
もちろん外側に原因があることも多い。
ただし、外側だけ見ていると、自分の手が空かない。
手が空かないと、次の一手が出ない。
結果、気分も数字も停滞する。
だからまず、今の自分が
「事実」
と
「解釈」
を混ぜていないかを見分ける必要がある。
混ぜると濃くなる。
濃くなると、だいたいしんどい。
被害者意識もここで育つ。
自分を守るための反応として自然に出るが、長く居座ると人生の景色を暗くする。
景色が暗いと、人もチャンスも見えにくくなる。
暗い部屋でメガネを探す感じだ。
たぶん最初から掛けている。
では、どうやって戻すか。
大きく変える必要はない。
経営も心も、だいたい
「配管」
だ。
詰まりを抜くと流れが戻る。
ここで使えるのが、物事の捉え方を切り替える小さな手順だ。
最初にやるのは、出来事を一行の事実にする。
「取引先が返信しない」
「部下が期限を守らなかった」
「家族が否定的なことを言った」
これだけだ。
ここに
「私を軽く見ている」
「私の努力が無駄になった」
を足すと、解釈が混ざって一気に重くなる。
重くなると、判断が鈍る。
まず事実だけに戻す。
次に、自分が付けた意味を言葉にする。
「私は軽く扱われたと感じた」
「私は見捨てられた気がした」
ここで初めて、気持ちが扱える形になる。
名前のない感情は暴れる。
名前が付くと、席に座る。
人も感情も、立っているとぶつかる。
その上で、解決の主導権を自分側へ戻す問いを置く。
「私は今、何を選べるか」
「今日できる範囲で、何を1つ動かすか」
この問いは、気合いの話ではない。
手の届く範囲を確認する話だ。
経営者は守備範囲が広いからこそ、範囲を定期的に線引きしたほうがいい。
線引きがないと、感情の残業が始まる。
ここで役立つ考え方が課題の分離だ。
相手の課題は相手のもの、自分の課題は自分のものとして切り分ける。
取引先が返信しないのは相手の課題だ。
自分の課題は、期限を再確認する、代替案を用意する、別ルートを探す、のように手が動く部分になる。
切り分けができると、怒りが減る。
怒りが減ると、言葉が荒れない。
言葉が荒れないと、人も売上も逃げにくい。
わりと現実的だ。
そして最後に、未来像を小さく置く。
「私は他人の反応で一日を決めない」
「私は事実と解釈を分けて判断する」
この2行を、朝のメモに書いてもいい。
大きな誓いはいらない。
自分軸は、気合いで立つのではなく、毎日の確認で育つ。
他人のせいにしたくなる日があってもいい。
人間だ。
むしろ自然だ。
大事なのは、そこに住まないことだ。
住むと家賃が高い。
しかも毎月上がる。
今日やることは一つだけ。
出来事を事実の一行に戻し、
「私は今、何を選べるか」
と自分に聞く。
ここに戻れば、運も仕事も、また巡り始める。
ここまで読んで、少し胸がざわついた人もいるはずだ。
今までの受け止め方を否定する話ではないし、まして責める話でもない。
まず一呼吸して、気持ちの席を整えてから、よくある疑問を一緒にほどいていく。
読者からのよくある質問とその答え
Q. 他人の言動で気分が乱れたとき、どう考え直せばいいですか?
A. まず起きた事実を一行に戻す。
次に「私は今、何に反応したか」を言葉にする。
呼吸を一つ入れ、「今日できる選択は何か」と自分側へ戻すと、気が整い行動が出る。
部下や取引先の一言に引っ張られにくくなり、判断のブレも減る。結果、仕事も家も回りやすい。
Q. 幸不幸は自分次第と言うと、相手の悪さを許すことになりますか?
A. 許す話ではない。
相手の行為は事実として線を引き、必要なら距離も置く。
その上で「私は不幸だ」と決める権利だけは相手に渡さない。
意味付けを自分で選ぶと、気が消耗せず対処が早くなる。
謝罪や改善を求めるのも冷静にでき、感情の波に飲まれにくい。
Q. 事実と解釈を分ける習慣を、今日からどう始めればいいですか?
A. 夜に3分だけ、今日モヤついた出来事を「事実」「私の解釈」「次にする行動」に分けてメモする。
翌朝その行動だけ実行する。
続けるほど感情が整い、判断が早くなり、人にも状況にも振り回されにくい。
会議前に見返すと気が巡り、言葉も柔らかくなる。
Q&Aで疑問がほどけたら、次は頭の理解をそのまま行動に落として、判断の主導権を自分側へ戻す。
【判断が戻る行動】
1.事実を一行で書き出す
今日モヤついた出来事を、主語と動詞だけで一行に書く。形容詞や感想は入れない。
2.解釈を別行で書いて分ける
同じメモの次の行に「私の解釈」を一文で書く。書いたら、事実と解釈が混ざっていないか目で確認する。
3.次の一手を一つだけ決めて送る
今日中にできる連絡を一つだけ決め、実際に送る。送ったら深呼吸して気が巡るのを待たずに次の作業へ戻る。
【要点まとめ】
・出来事は事実で、幸不幸は自分の意味付けで決まる
・事実と解釈を分けると、感情の波が小さくなる
・主導権を自分に戻すと、判断も人間関係も回りやすい
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【運を開く言葉】
書:瑞雪 文:游雲
内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトの「運の研究-洩天機-」は、氣と運をテーマにしている。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。
瑞雪(ずいせつ)
書家。新潟県村上市に生まれる。幼い頃より書に親しみ、18歳で書家を志し、大東文化大学文学部中国文学科で青山杉雨氏に師事。卒業後 ㈱ブリヂストンに就職するも6年後に退職し、独自の創作活動を開始する。人生の法則を力強く書いたその書は、多くの人に生きる力と幸運をもたらすと評判である。雅号の瑞雪は、吉兆をもたらす雪を意味している。




