社長の給料を後回しにする会社が資金繰りで苦しくなる本当の理由

地理編
社長の給料を後回しにする会社は、資金繰りだけでなく経営の順番を間違えている。小さな会社では、社長の受け取りは最後に余れば取るお金ではない。人件費、固定費、価格を見直し、報酬を先に置くことが、会社に利益を残し、人生後半のお金を巡らせる出発点になる。

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社長の給料を後回しにする会社は、資金繰りだけでなく経営の順番に無理が出ている。問題は売上不足だけではなく、人件費、固定費、価格、仕事の選び方にある。まず社長の受け取りを数字で置き、支払いの順番と価格を見直す。今日の行動は、必要な報酬を書き出すことから始まる。

社長の給料の後回しは美談ではない

社長の給料を後回しにする経営は、船底の穴を布で隠すようなものだ。水は静かに入り続け、資金繰りと気力を沈ませる。会社を守るつもりの我慢が、会社のお金の巡りを止める。社長の受け取りを見る。ここから整える。

社長の給料を後回しにする経営が、なぜ美談では済まないのかを明らかにする。社員や取引先を優先する責任感の裏で、社長自身の生活費、判断力、会社の価値が削られていく現実が見えてくる。自分だけが我慢すれば会社は守れるという思い込みを外し、社長の受け取りを経営の前提として見直す流れになる。資金繰りの入口が変わる。

小さな会社では、社長の給料が最後に回される場面が珍しくない。社員の給料を払う。外注費を払う。仕入れ代を払い、事務所の家賃を払い、借入返済も済ませる。そのあと通帳を見ると、自分の給料だけが残っていない。そこで社長は思う。「今月は仕方ない。自分が我慢すればいい」。この判断は、責任感から出ている。だからこそ厄介である。善意の顔をしたまま、社長の生活費と気力を削っていく。
社長の給料を後回しにする経営は、社員や取引先を優先し、経営者自身の受け取りを最後に置く状態である。これは一見すると立派に見える。だが、社長の給料を最後に回す経営は美談ではない。会社のお金の流れが、すでに苦しい形になっている合図である。
読者が迷うのは、自分が受け取ることにどこか後ろめたさを感じるからだ。社員がいる。家族がいる。長く付き合ってきた取引先がいる。そこへ自分の給料を先に見ると言うと、身勝手に聞こえる気がする。だが、社長が生活費を削って会社を守る状態は危険信号である。会社は動いているように見えても、社長の判断力と暮らしを削りながら動いているだけになる。
そもそも、小さな会社の社長は、自分の責任において自分の創造した価値を社会に提供し、リスクを負うと決めた人である。誰かに命じられて、その道に立ったわけではない。自分の足で商売を始め、顧客に向き合い、失敗も損失も引き受けてきた人である。だから、小さな会社の社長は自分の価値を低く扱ってはいけない
もちろん、従業員として働く人が下だという話ではない。役割が違うだけである。従業員は、決められた役割の中で力を出す。社長は、商品、価格、顧客、資金繰り、責任のすべてを引き受ける。小さな会社では、社長自身が会社の看板であり価値の源である
それなのに、社長の受け取りだけを毎月削り続けると、会社の芯が細っていく。疲れても休めない。値上げの判断が鈍る。嫌な仕事も断れない。役員報酬が払えない状態を当然にしてしまう。やがて、社長自身が「自分は受け取らなくてもいい人間だ」と思い始める。これは謙虚さではない。
自分の対価を受け取らない癖が経営の判断を鈍らせるのである。
小さな会社の資金繰りは、社長の気分だけで変わるものではない。だが、社長の自己評価は価格、商談、顧客対応に必ず出る。自分の給料を後回しにする状態が続くと、安い価格を受け入れ、過剰な対応をし、利益の薄い仕事まで抱えるようになる。そうして、会社にお金が残らない流れができていく。
だから最初に外すべき思い込みがある。
社長が受け取ることはわがままではなく経営の前提である。小さな会社の社長の給料は、余ったら取るお金ではない。会社が価値を出し続けるために、最初から見るべき数字である。

社長の我慢を美談にせず、会社の危険信号として受け止める経営者の切実な気づき

小さな会社の社長は、もっと我儘でいい。そう言うと、誤解されやすいが、我儘とは、人を振り回すことではない。社員を粗末にすることでもない。顧客を見下すことでもない。ここでいう我儘とは、自分が何をしたいのか、どんな価値を届けたいのか、どんな仕事に人生後半の時間を使うのかを、自分で決める姿勢である。
社長だから聖人君子のように生きなければならない。社員のために自分が最後でなければならない。取引先に迷惑をかけないために、自分の給料は我慢すればいい。そう考えてきた社長は多い。だが、社長が聖人君子のように我慢し続ける必要はない。会社を背負う人ほど、まず自分の立つ場所を失ってはいけない。
大事なのは、自分がやりたいこと、好きなこと、生きがいややりがいを感じられることを、ビジネスとして形にすることである。そこから価値を作り、社会に提供し、その対価を受け取る。これが小さな会社の社長の原点だ。会社を続けるために自分を消すのではない。
自分の好きなことを価値に変えて社会へ届けるから、商売は生きたものになる。
社員を大切にすることと、社長自身を最後に置くことは同じではない。社員の給料を払うために自分の給料を削る。その月だけなら、緊急対応として起きる場合もある。だが、それが毎月の形になっているなら、社長の責任感だけで片づけてはいけない。
社員を優先することと社長を犠牲にすることは別である
社長が受け取れない会社では、やがて仕事の選び方も弱くなる。合わない顧客を断れない。安い案件も引き受ける。社員の手前、無理な売上目標を掲げる。自分の給料を取れないまま会社を続けると、社長は会社のために働いているのか、会社に吸い取られているのかが分からなくなる。ここに、資金繰りの苦しさだけでは済まない問題がある。
本当の問題は、社長が自分を優先しすぎていることではない。むしろ逆である。
社長が自分の受け取りを後に置きすぎていることが問題である。自分の給料を後回しにしながら、会社を守っているつもりになる。だが、その判断が続くほど、役員報酬を払えない状態が当たり前になり、会社のお金が残らない形が固まっていく。
小さな会社の社長は、自分の生きたいように生きること、自分がやりたいようにやることを、もっと正面から見ていい。もちろん、好き勝手に使うという意味ではない。自分の価値を認め、必要な対価を受け取り、そのうえで社員、顧客、取引先と良い関係を作るという順番である。
社長の給料を先に見ることは、社員をないがしろにすることではない。
社長の価値を守ることが会社の価値を守るのである。社長が受け取るから、判断が保てる。判断が保てるから、価格を下げすぎず、合わない仕事を抱えず、会社にお金を残す選択ができる。
ここで前提を変える必要がある。社長の給料は、最後に残ればよいお金ではない。小さな会社の社長の受け取りは、会社を続けるための土台である。
受け取れない社長ほど会社の資金繰りは苦しくなる。その理由を、お金の流れと経営の構造から見ていく。

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給料を取れない社長は失敗している

社長が受け取れない会社は、お金の川が途中で干上がっている。売上、人件費、固定費、利益の流れを見れば、どこで水門が閉じているかが見える。資金繰りの詰まりは設計の歪みだ。数字より流れを見る。

社長が給料を取れない状態を、努力不足や失敗として終わらせず、資金繰りの構造から見る。売上、人件費、固定費、価格、利益の流れを分けることで、お金が残らない本当の原因が見えてくる。社員を守るための支払いが、なぜ社長の受け取りを消していくのかを、経営の設計として理解できる。数字の見方と支払いの順番が変わる。

社長の給料を後回しにする会社では、毎月同じ順番がくり返される。まず社員の給料を払う。次に外注費、仕入れ、家賃、借入返済を払う。支払いを終えたあとで通帳を見て、社長の給料が取れない現実に向き合う。そして「今月も自分が引けば何とかなる」と考える。この流れが一度なら、緊急対応で済む。だが、何度も続けば、それは緊急ではなく経営の形になっている。
社長の給料が取れない会社は、売上、人件費、固定費、価格、利益のどこかで無理を抱え、経営者自身の受け取りが毎月の支払いに押し流されている会社である。つまり、社長の給料が取れない原因は売上不足だけではない。売上が足りないから苦しい場合もある。だが、売上はあるのに会社にお金が残らないなら、見る場所は売上の入口だけでは足りない。
人は目の前の支払いに追われると、まず目先の穴をふさぐ。社員を不安にさせたくない。取引先への支払いを遅らせたくない。家賃や返済を止めたくない。その結果、自分の報酬だけを後ろへ置く。ここに、資金繰りを苦しくする習慣が生まれる。
支払い優先の習慣が社長の受け取りを消すのである。
報酬が払えない状態は、報酬額だけの問題ではない。商品の価格が安すぎるのか。人件費が会社の力を超えているのか。固定費が毎月の自由を奪っているのか。利益の薄い仕事を抱えすぎているのか。社長の時間が売上にはなっても利益へ変わっていないのか。
報酬が払えない背景には経営全体の歪みがある。ここを分けて見なければ、社長の給料と資金繰りの問題は同じ場所を回り続ける。
特に、人件費は感情が絡みやすい。社員を雇った以上、守りたい。生活を支えたい。辞められたら困る。そう考えるのは自然である。ただし、人を雇う目的は、社長の時間を生み、会社の価値を増やすことにある。社員の給料を払うために社長が給料を我慢しているなら、人件費が会社の力ではなく負担になっている可能性を見る必要がある。
これは、人を冷たく切る話ではない。雇用を数字だけで見る話でもない。そもそも人を雇うとは、自分だけでは手が足りない部分を誰かに担ってもらい、その結果として社長の時間、仕事の質、利益を増やすための判断である。もし社長の受け取りを削らなければ維持できない人件費なら、雇用の目的が時間と利益を生んでいない状態になっている。
「人件費がかかるから資金繰りが苦しい」と感じる時、問題は社員そのものではない。仕事の作り方、任せ方、価格、利益率、業務量が合っていない場合が多い。社員がいるのに社長の仕事が減らない。社員がいるのに利益が増えない。社員がいるのに社長の報酬が払えない。ここまで来ると、雇用は会社を支える柱ではなく、社長の受け取りを削る要因になる。
だから、社長の給料を後回しにする経営では、まず構造を見る必要がある。誰かが悪いのではない。社長の努力が足りないのでもない。
毎月社長だけが我慢する形は設計がずれている。この現実を見ないまま売上だけを増やしても、お金は同じ場所から出ていく。
残る利益と社長の受け取りを見る

社長の給料を後回しにする資金繰りの危うさに気づき、受け取りの順番を見直す経営者の不安

社長が自分の対価を受け取らない状態が続くと、会社のお金だけでなく、社長自身の感覚も弱っていく。最初は「今月だけ」と思っていた判断が、やがて「自分は後でいい」という前提になる。すると、価格を上げにくくなる。過剰な対応を断れなくなる。利益の薄い仕事でも、売上になるなら受けてしまう。こうして、社長の報酬を払えない会社の形が深くなる。
小さな会社の社長は、一番最初に自分が必要な対価を得るべきである。これは贅沢をする話ではない。自分の足で道を切り開き、社会に価値を提供し、その対価を得ると決めた人が、価値に見合うお金を受け取るという当然の順番である。
社長が対価を受け取らないと価値判断が下がる。そこから安売り、値引き、過剰サービスが始まる。
他の人を優先して、自分を最後に置き続けると、自分の価値が下がっていく。自分の価値が下がれば、ビジネスの価値も下がる。ビジネスの価値が下がれば、ますますお金が不足する。これは気分の問題ではない。
社長の自己評価は価格と顧客対応に表れるからである。
社長の給料を後回しにする会社では、お金が「入る、払う、消える」で終わりやすい。売上として入る。支払いに消える。社長の受け取りは残らない。会社に利益も残らない。仕組みや信用を育てるお金も残らない。この状態が続けば、どれだけ忙しくても安心は増えない。
お金が入っても社長と会社に残らないのである。
ここで、市場経済と金融経済を分けて考える必要がある。市場経済とは、商品、顧客、価格、信用、売上、利益が動く現場である。小さな会社が毎日向き合うのは、まずこの場所だ。誰に何を届けるのか。いくらで届けるのか。どの仕事が利益を残すのか。どの顧客との関係が次の紹介を生むのか。
市場経済で利益が残らなければ土台は育たない
一方で、金融経済は、金利、為替、株式、債券、投資、資産運用など、お金そのものが動く領域である。もちろん、小さな会社にも影響はある。金利が上がれば借入や返済に響く。物価が上がれば仕入れや生活費にも響く。ただし、金融経済は本業の不足を取り返す場所ではない。本業でお金が残らないまま投資や相場に期待しすぎると、経営判断はさらに乱れる。
まず見るべきは、市場経済の中で社長の給料と利益が残る形である。商品は安すぎないか。人件費は売上ではなく利益に合っているか。固定費は毎月の判断を狭めていないか。仕事量はあるのに、社長の時間が利益へ変わっていないのではないか。
本業で残るお金を作る順番を飛ばしてはいけない。こうした問いを避けたまま、金融経済に期待しても、会社のお金の流れは変わらない。
資金繰りが苦しいから社長の給料を削るのではない。
社長の給料を削る設計が資金繰りを苦しくする。ここを見誤ると、社長はさらに我慢を増やし、会社はさらにお金を残せなくなる。
【卦象ミニコラム】
養う順番を正す
卦象:山雷頤|源を先に養う
変化|受け取りの位置から順番を直す
自分の報酬を先に置くと、社員や会社を後回しにするようで迷いが生まれる。山雷頤が示すのは、何を先に養うかで全体の働きが変わるという見方である。小さな会社では、経営者の生活と判断力が事業を動かす最大の源になる。社長の給料を最後に取る順番は、その源を細らせながら周囲を支える形になりやすい。まず源を養う位置を決め、その後に人件費や固定費を見る。順番が変わると、仕組みとしてお金を捉えられる。

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人件費と固定費から経営を見直す

人件費、固定費、価格を整えずに社長の給料だけを削るのは、畑の種まで食べる経営だ。目先の支払いは済んでも、次に実る仕事と利益と時間が育たない。器を整え直す時だ。社長の我慢を仕組みに替える。

人件費と固定費、価格、商品、顧客との関係を通じて、社長の受け取りを消している場所を確認する。社長の我慢で会社を回すのではなく、報酬を先に置いても利益が残る経営の器が見えてくる。人を雇う意味、値付けの前提、毎月出ていくお金の見方が、現実の判断に結びついていく。会社の設計と仕事の選び方を見直せる。日々の迷いもほどける。

ここからは、社長の給料を後回しにしないために、現実の経営でどこを見るかに入る。ここまでで見た通り、社長の受け取りが消える会社は、売上だけの問題ではない。人件費、固定費、価格、商品、顧客との関係、仕事量のどこかで無理が出ている。だから、気合いで乗り切るのではなく、会社のお金の流れを現場の数字へ落とす必要がある。
まず見るべきは、社長が毎月いくら受け取れば、生活、気力、判断力を保てるかである。社長の給料を先に置く経営とは、残ったお金を社長が取るのではなく、会社を続けるために必要な社長の受け取りを最初から売上と利益の中に入れて考える経営である。ここを曖昧にしたまま資金繰りを見ても、会社の本当の力は見えない。
多くの小さな会社では、社長の生活費が会社のお金に押されていく。家計を削る。貯金を取り崩す。自分の支払いを遅らせる。表向きは会社を守っているように見えるが、実際には社長の暮らしを会社の赤字補填に使っている状態である。
社長の生活費は経営判断に直結する数字である。ここを家庭の問題として片づけると、価格の見直しも、仕事を断る判断も鈍くなる。
社長の給料を数字として先に置くと、見たくなかった現実が見えてくる。今の価格では足りない。今の人件費では利益が残らない。固定費を払うと、社長の報酬が消える。利益の薄い仕事を積み上げても、通帳には残らない。これは嫌な発見ではあるが、会社を立て直す入口でもある。
社長の給料を先に置くと会社の実力が見えるのである。
次に見るのは、人を雇う前提である。人を雇えば会社が成長するとは限らない。社員がいることで社長の時間が増えたか。仕事の質が上がったか。利益が増えたか。顧客に届く価値が増えたか。ここを見ずに、人がいること自体を正しいと考えると、社長の給料を削って人件費を払う形になりやすい。
雇用は社長の時間と利益を生むためにある
人を雇うということは、自分ができない、自分の時間が足りないから、その分を誰かに担ってもらうということだ。だから本来は、人を雇うことで社長の時間が生まれ、その時間がより良い仕事や利益へつながる必要がある。ところが、社員がいても社長の仕事が減らない。社員がいても利益が増えない。社員がいるから社長の報酬が取れない。この状態なら、雇用の目的を見直す時期である。
人件費を払う前に雇用の目的を見るのである。
「だったら人を減らせばいい」という考え方は、乱暴に聞こえるかもしれない。だが、ここで言いたいのは人を軽んじる話ではない。社長の給料を我慢してまで維持している雇用が、会社と社員の双方にとって本当に健全なのかを見るということだ。
社長の我慢で維持する雇用は長く続かない。その無理は、いずれ仕事の質、人間関係、資金繰りに表に出る。
自分ができる限界まで自分で仕事をして、どうしても足りない時に人を雇う。この考え方は、人生後半の小さな会社ほど大事になる。気力も時間も無限ではない。だからこそ、人を増やす前に、まず今の仕事が社長の受け取りを生んでいるかを見る必要がある。
人を雇う前に利益の流れを確認する。それが、社長の給料を後回しにしない会社へ向かう現実的な出発点になる。

社長の受け取りを価格に入れ、利益が残る設計へ変える経営者の前向きな判断

次に見るのは、価格と商品である。社長の給料が取れない会社は、価格の中に社長の受け取りが入っていない場合が多い。仕入れ代と作業時間だけを見て値段を決める。昔からの顧客だから値上げしにくい。紹介で来た仕事だから断りにくい。こうして、売上は増えても、社長の報酬と会社の利益が残らない仕事が増えていく。
安すぎる価格、手間の割に残らない仕事、利益の薄い顧客対応は、社長の給料を消していく。小さな会社の価格には、材料費や作業時間だけでなく、社長の受け取り、会社に残す利益、固定費、将来の仕組みづくりに回すお金まで含めて考える必要がある。
価格には社長の受け取り分まで含める。ここを外すと、どれだけ働いても自分の給料が最後になる。
値付けは、感覚だけで決めるものではない。もちろん、顧客が受け取る価値や市場の相場を見る必要はある。だが、「このくらいなら買ってくれそうだ」という不安だけで価格を決めると、社長の受け取りは消えやすい。
安い価格は社長の時間と利益を削る。価格が低いほど件数を増やさなければならず、件数が増えるほど対応に追われ、人生後半の時間が会社に吸われていく。
固定費も見逃せない。家賃、広告費、サブスク、外注費、借入返済、人件費。毎月必ず出ていくお金が大きいほど、社長は目先の売上に追われる。判断の幅が狭くなり、利益の薄い仕事も受けやすくなる。会社のお金が残らないと感じる時は、売上を増やす前に、毎月どこへお金が出ているかを見る。
固定費が大きいほど社長の選択肢は狭くなる
顧客との関係も、お金の残り方に関わる。合わない顧客に合わせ続ける。過剰な値引きを受け入れる。紹介だからと断れない。急ぎの依頼に毎回応じる。これらは一つひとつは小さく見えるが、社長の時間と気力を確実に奪う。結果として、利益の薄い仕事が増え、社長の給料が取れない状態へ近づく。
合わない顧客は社長の受け取りを削るのである。
ここで大事なのは、社長の給料を削る前に、仕事の形を見直すことだ。商品体系、価格、受注条件、顧客との距離、申込みまでの流れ。これらが曖昧なままだと、毎回その場の判断で対応することになる。その場の判断が増えるほど、社長の気力は減り、値引きや過剰対応も増えやすい。
社長の我慢を仕組みに置き換える発想が必要になる。
これは、今すぐ大きな改革をする話ではない。社長の給料が取れない時、「自分が我慢する」だけで終わらせないことが大事である。人件費は合っているか。固定費は今の売上と利益に見合っているか。価格の中に社長の受け取りが入っているか。顧客との関係で無理をしていないか。見る場所を変えるだけで、資金繰りの原因は少しずつ形を持って見えてくる。
社長の給料を削ることは、経費削減ではない。種まで食べて、次の収穫を待つようなものだ。本当に見直すべきは、価格、人件費、固定費、顧客との関係、仕事の選び方である。
削るべきは社長の給料ではなく無理な構造である。そこに気づくと、会社のお金の見方は変わる。次章では、社長が先に受け取ることを、人生後半の経営判断として位置づけていく。

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社長が先に受け取る経営へ変える

社長が先に必要な対価を受け取ることは、我儘ではない。会社の灯を守り、人生後半の時間と気力を守り、使って減らぬ金百両を育てる判断だ。受け取る社長ほど会社は巡る。お金は残し、また仕事へ戻す。ここに道がある

社長が先に受け取ることを、わがままではなく人生後半の経営判断として捉え直す。売上より残る利益、時間、信用、仕組みを重視し、会社を通じて使って減らぬ金百両を育てる方向が見えてくる。会社のために人生を削る経営から、自分の価値を守りながら続く経営へ、優先順位が変わっていく。次の選び方が定まる。仕事とお金の向きが揃う。

人生後半の経営では、売上が大きいだけでは安心は生まれない。若い頃なら、仕事を増やし、時間を注ぎ込み、多少の無理を勢いで越えられる時期もある。だが、50代以降の小さな会社では、同じやり方がそのまま通用しなくなる。体力、気力、家族との時間、自分の暮らし。どれも経営と切り離せない現実になる。
人生後半の経営では、会社の売上だけでなく、社長の受け取り、残る利益、時間の余白、信用、紹介、仕組みをまとめて見る必要がある。ここを見ずに売上だけを追うと、会社は動いていても、社長自身の暮らしと判断力が削られていく。
人生後半の経営は売上の大きさだけでは測れないのである。
小さな会社では、社長自身が最大の経営資源である。商品を決める。価格を決める。顧客との距離を決める。断るか受けるかを決める。お金をどこに残し、どこに使うかを決める。その判断の質が、会社のお金の残り方にそのまま出る。だから、社長の給料を後回しにし続けることは、単に自分のお金を削る話ではない。
社長自身が小さな会社の中心資産であるという前提を崩す話でもある。
社長が生活費を削り、報酬を取れず、社員や取引先への支払いだけを優先する。これを責任感だけで続けると、気力の状態にも出る。返事が遅くなる。値上げを避ける。合わない顧客に合わせる。利益の薄い仕事を断れない。通帳を見るたびに胸の奥が硬くなる。氣の経営では、こうした状態を感情論ではなく、仕事とお金の流れに出たサインとして見る。
受け取れない状態は仕事とお金の乱れを示す
ここで優先順位を変える必要がある。見栄の売上を増やすことではない。大きく見せることでもない。まず、社長が必要な対価を受け取れるか。会社に利益が残るか。固定費が今の会社に合っているか。顧客との関係は長く育つものか。仕事が次の信用や紹介につながるか。
残すべきは売上より利益と時間である。この順番を見失うと、忙しさだけが増え、人生後半に残るものが少なくなる。
過去にうまくいったやり方も、これからの自分に合うとは限らない。若い頃は受けられた仕事が、今は消耗になる場合がある。昔は意味があった顧客対応が、今は社長の判断力を奪う場合もある。社員を抱えることが誇りだった時期もあるだろう。だが、その形を維持するために社長の給料が消えているなら、守っているものを一度見直す必要がある。
過去の形を守るほど未来の余白は減る
これは、過去を否定することではない。むしろ、ここまで働き、考え、耐えてきたからこそ、次の経営へ進めるという話である。人生後半では、何を増やすかより、何を残すかが問われる。社長の給料を先に見ることは、その問いの入口になる。
何を残し何を手放すかを決める時期である。この判断が、会社のお金と社長の人生の向きを変えていく。

社長が必要な報酬を受け取り、会社と人生後半を守る安心ある経営判断

社長が先に必要な対価を受け取ることは、我儘ではない。会社の灯を守り、人生後半の時間と気力を守るための判断である。自分の受け取りを毎月最後に置き、残らなければ我慢する。その形を続けるほど、会社も社長の暮らしも細っていく。だから、社長の給料は最後に余れば取るお金ではない。
社長が先に受け取ることは経営判断である
順番を間違えないことだ。社長が受け取る。会社に利益が残る。毎月の支払いを見直す。仕事を選ぶ。お金を信用、商品、導線、時間へ変える。こうした流れができると、売上は一度きりの収入で終わらない。良い仕事が信用になり、信用が紹介を生み、紹介が次の仕事を運ぶ。
お金は残して信用と仕組みに変える。ここに、小さな会社が人生後半を支える道がある。
使って減らぬ金百両とは、ただの現金ではない。残る利益、無理の少ない固定費、社長自身が受け取るお金、顧客との関係、紹介、商品体系、発信、導線、判断力、気力。こうしたものが積み上がり、会社と社長を支える力になる。現金は使えば減る。だが、信用は正しく使えば深まる。知恵は使えば磨かれる。記事や商品は、育てれば資産になる。
使って減らぬ金百両は受け取りから始まる
社長の給料を後回しにしないことは、単なる報酬の話ではない。自分の価値を下げないことだ。価格を下げすぎないことだ。合わない仕事を抱えすぎないことだ。社員を守るためにも、会社を続けるためにも、まず社長自身が立っていなければならない。
自分の価値を下げないことが会社を守る。ここを外すと、どれだけ働いても安心は増えにくい。
もちろん、毎月すぐに理想の報酬を取れるわけではない。会社には事情がある。売上の波もある。人件費も、借入も、長年の顧客との関係もある。だからこそ、いきなりすべてを変える必要はない。まず、「自分が我慢すればいい」という考えを終わらせることだ。社長の受け取りを数字として見る。そこから、価格、人件費、固定費、仕事の選び方を見直す流れが始まる。
我慢ではなく受け取れる会社を作るという考えへ移る。
会社のために人生を削るのではない。会社を通じて、人生後半に残る仕事、残る信用、残るお金、残る関係を育てる。そのために、社長の給料を後回しにしない。これは派手な成功法則ではない。小さな会社が続いていくための現実的な土台である。
会社を通じて人生後半に残るものを育てる。その意識を持つだけで、資金繰りの見方は変わる。
最後に、ここまでの話をまとめる。資金繰りが苦しいから社長の給料を削るのではない。社長の給料を削らなければ回らない経営の形を見直すのである。社長が受け取り、会社に利益が残り、仕事と信用が次の力になる。その流れを作ることが、氣の経営におけるお金の見方である。
社長が受け取れない経営を続けてはいけない。ここから、そのためにどこを見るかを具体的に確認していく。

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読者からのよくある質問とその答え

Q. 社長の給料を後回しにすると、なぜ資金繰りが苦しくなるのですか?
A. 社長の給料を後回しにする状態は、会社のお金の順番が崩れている合図である。責任感だけで続けると、気力と判断が細り、資金繰りの苦しさも見えにくくなる。まず毎月必要な受け取りを数字で見て、価格と支払いの順番を一つずつ確認する。

Q. 小さな会社の社長は、先に自分の給料を見てもよいのですか?
A. 先に見るべきである。社長の受け取りは贅沢ではなく、会社を続けるための土台だからだ。後ろめたさが出る時ほど、気の乱れで判断が鈍りやすい。生活費と報酬を分けて書き出し、必要な金額を落ち着いて確かめる。

Q. 人件費が重くて社長の給料が取れない時はどう見ればよいですか?
A. 人件費が社長の受け取りを消している可能性がある。人を雇う目的は、時間と利益を生むことだからだ。社員を責める必要はない。気持ちを分け、任せる仕事、利益、固定費を見れば、次に直す場所が現実の数字で見える。

Q. 売上はあるのに会社にお金が残らない原因は何ですか?
A. 価格に社長の報酬が入っていない場合が多い。安く受けるほど仕事量が増え、気力と時間が削られるからだ。焦って値上げする必要はない。まず一つの商品を選び、材料費、手間、利益、受け取りを入れて値段を見直す。

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【お金を巡らせる手がかり】:受け取ることが消える順番
1.売上の裏で社長だけが残らない
売上があり支払いも続いているのに、社長の報酬だけが消えるなら、問題は不足額より配分の順番にある。会社が動いているように見えても、経営者の生活と判断力を削って維持している状態では、お金の流れは健全とは言いにくい。
2.責任感へ偏るお金の配分
社員や取引先を守ろうとする思いが強いほど、社長自身の受け取りを後へ置きやすい。だが、その遠慮が続くと、価格、人件費、固定費の無理が見えにくくなり、経営者の氣だけが会社を支える形へ傾いていく。
3.源を養う順番が生む余白
社長の報酬を先に見る考え方は、周囲を軽んじることではなく、事業の源を守る位置を定めることである。経営者の生活、判断、時間が保たれる方向へお金の配分が変わると、売上の先に利益、信用、経営資産が残る余白も見え始める。

『社長の給料を後回しにする経営は、会社を守るようで会社の力を削っていく。受け取ることは我儘ではない。自分の価値を守り、利益と信用を残し、人生後半の仕事とお金を巡らせる経営判断である。』

(内田 游雲)

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