社長の給料を後回しにする会社が資金繰りで苦しくなる本当の理由
▶ 【地理編(氣の経営)】
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社長の給料を後回しにする会社は、資金繰りだけでなく経営の順番に無理が出ている。問題は売上不足だけではなく、人件費、固定費、価格、仕事の選び方にある。まず社長の受け取りを数字で置き、支払いの順番と価格を見直す。今日の行動は、必要な報酬を書き出すことから始まる。
社長の給料の後回しは美談ではない
社長の給料を後回しにする経営は、船底の穴を布で隠すようなものだ。水は静かに入り続け、資金繰りと気力を沈ませる。会社を守るつもりの我慢が、会社のお金の巡りを止める。社長の受け取りを見る。
社長の給料を後回しにする経営が、なぜ美談では済まないのかを明らかにする。社員や取引先を優先する責任感の裏で、社長自身の生活費、判断力、会社の価値が削られていく現実が見えてくる。自分だけが我慢すれば会社は守れるという思い込みを外し、社長の受け取りを経営の前提として見直す流れになる。資金繰りの入口が変わる。
まず見るべきは、気合いの量ではない。努力を増やす前に向きを確かめることである。
その時に起きているのは、能力不足ではなく、進む方向がずれたまま足を動かしている状態である。足は動いている。息も切れている。だから本人は前へ進んでいるつもりになる。ところが実際には、進みたい場所から少しずつ遠ざかっている。
だから、違和感が出ていても見ないふりをする。正しいと思い込むほど向きを変えにくくなる。ここで気の流れが詰まり始める。
すると、心はだんだん硬くなる。判断も鈍る。小さな違和感に気づきにくくなり、同じ場所で同じ迷いを繰り返す。迷いは責める声ではなく向きを変える合図なのだ。
顔を向けた方向へ、気も判断も流れていく。だから、前に進めない時ほど、まず呼吸を整え、景色を見直す。立ち止まることは流れを整える時間である。
そうした小さな確認が、心の向きを整えていく。向きが整うと、同じ一歩でも重さが変わる。力で押し切るのではなく、流れに顔を向けて歩けるようになる。
無理に進むほど苦しくなるなら、それは進めという合図ではなく、向きを直す知らせである。流れは向きを整えたところに巡ってくる。
人生後半では、ただ広げるより、今の自分が本当に進みたい方向を確かめることが先になる。向きが合えば一歩は静かに前へ進む。
ここでいう我儘とは、自分が何をしたいのか、どんな価値を届けたいのか、どんな仕事に人生後半の時間を使うのかを、自分で決める姿勢である。
だが、社長が聖人君子のように我慢し続ける必要はない。会社を背負う人ほど、まず自分の立つ場所を失ってはいけない。
会社を続けるために自分を消すのではない。自分の好きなことを価値に変えて社会へ届けるから、商売は生きたものになる。
だが、それが毎月の形になっているなら、社長の責任感だけで片づけてはいけない。社員を優先することと社長を犠牲にすることは別である。
自分の給料を取れないまま会社を続けると、社長は会社のために働いているのか、会社に吸い取られているのかが分からなくなる。ここに、資金繰りの苦しさだけでは済まない問題がある。
だが、その判断が続くほど、役員報酬を払えない状態が当たり前になり、会社のお金が残らない形が固まっていく。
自分の価値を認め、必要な対価を受け取り、そのうえで社員、顧客、取引先と良い関係を作るという順番である。
判断が保てるから、価格を下げすぎず、合わない仕事を抱えず、会社にお金を残す選択ができる。
受け取れない社長ほど会社の資金繰りは苦しくなる。その理由を、お金の流れと経営の構造から見ていく。
給料を取れない社長は失敗している
社長が受け取れない会社は、お金の川が途中で干上がっている。売上、人件費、固定費、利益の流れを見れば、どこで水門が閉じているかが見える。資金繰りの詰まりは設計の歪みだ。数字より流れを見る。
社長が給料を取れない状態を、努力不足や失敗として終わらせず、資金繰りの構造から見る。売上、人件費、固定費、価格、利益の流れを分けることで、お金が残らない本当の原因が見えてくる。社員を守るための支払いが、なぜ社長の受け取りを消していくのかを、経営の設計として理解できる。数字の見方と支払いの順番が変わる。
そして「今月も自分が引けば何とかなる」と考える。この流れが一度なら、緊急対応で済む。だが、何度も続けば、それは緊急ではなく経営の形になっている。
つまり、社長の給料が取れない原因は売上不足だけではない。売上が足りないから苦しい場合もある。だが、売上はあるのに会社にお金が残らないなら、見る場所は売上の入口だけでは足りない。
その結果、自分の報酬だけを後ろへ置く。ここに、資金繰りを苦しくする習慣が生まれる。支払い優先の習慣が社長の受け取りを消すのである。
報酬が払えない背景には経営全体の歪みがある。ここを分けて見なければ、社長の給料と資金繰りの問題は同じ場所を回り続ける。
ただし、人を雇う目的は、社長の時間を生み、会社の価値を増やすことにある。社員の給料を払うために社長が給料を我慢しているなら、人件費が会社の力ではなく負担になっている可能性を見る必要がある。
もし社長の受け取りを削らなければ維持できない人件費なら、雇用の目的が時間と利益を生んでいない状態になっている。
ここまで来ると、雇用は会社を支える柱ではなく、社長の受け取りを削る要因になる。
この現実を見ないまま売上だけを増やしても、お金は同じ場所から出ていく。残る利益と社長の受け取りを見る。
すると、価格を上げにくくなる。過剰な対応を断れなくなる。利益の薄い仕事でも、売上になるなら受けてしまう。こうして、社長の報酬を払えない会社の形が深くなる。
社長が対価を受け取らないと価値判断が下がる。そこから安売り、値引き、過剰サービスが始まる。
これは気分の問題ではない。社長の自己評価は価格と顧客対応に表れるからである。
この状態が続けば、どれだけ忙しくても安心は増えない。お金が入っても社長と会社に残らないのである。
誰に何を届けるのか。いくらで届けるのか。どの仕事が利益を残すのか。どの顧客との関係が次の紹介を生むのか。市場経済で利益が残らなければ土台は育たない。
ただし、金融経済は本業の不足を取り返す場所ではない。本業でお金が残らないまま投資や相場に期待しすぎると、経営判断はさらに乱れる。
本業で残るお金を作る順番を飛ばしてはいけない。こうした問いを避けたまま、金融経済に期待しても、会社のお金の流れは変わらない。
【卦象ミニコラム】
養う順番
卦象:山雷頤(さんらいい)|養う源を見る
変化|受け取りの位置を直す
社長の給料を後回しにすると、どこかで自分を養う順番を見失う。山雷頤は、食べ物だけでなく、何を養い、何を育てるかを見る卦である。小さな会社では、社長自身の気力と判断が仕事の源になる。源を削って周りだけを満たそうとすると、器は続かない。まず受け取る位置を見る。そこから会社のお金の流れも見え始める。
人件費と固定費から経営を見直す
人件費、固定費、価格を整えずに社長の給料だけを削るのは、畑の種まで食べる経営だ。目先の支払いは済んでも、次に実る仕事と利益と時間が育たない。器を整え直す時だ。社長の我慢を仕組みに替える。
人件費と固定費、価格、商品、顧客との関係を通じて、社長の受け取りを消している場所を確認する。社長の我慢で会社を回すのではなく、報酬を先に置いても利益が残る経営の器が見えてくる。人を雇う意味、値付けの前提、毎月出ていくお金の見方が、現実の判断に結びついていく。会社の設計と仕事の選び方を見直せる。日々の迷いもほどける。
人件費、固定費、価格、商品、顧客との関係、仕事量のどこかで無理が出ている。だから、気合いで乗り切るのではなく、会社のお金の流れを現場の数字へ落とす必要がある。
ここを曖昧にしたまま資金繰りを見ても、会社の本当の力は見えない。
社長の生活費は経営判断に直結する数字である。ここを家庭の問題として片づけると、価格の見直しも、仕事を断る判断も鈍くなる。
これは嫌な発見ではあるが、会社を立て直す入口でもある。社長の給料を先に置くと会社の実力が見えるのである。
ここを見ずに、人がいること自体を正しいと考えると、社長の給料を削って人件費を払う形になりやすい。雇用は社長の時間と利益を生むためにある。
ところが、社員がいても社長の仕事が減らない。社員がいても利益が増えない。社員がいるから社長の報酬が取れない。この状態なら、雇用の目的を見直す時期である。人件費を払う前に雇用の目的を見るのである。
社長の我慢で維持する雇用は長く続かない。その無理は、いずれ仕事の質、人間関係、資金繰りに表に出る。
だからこそ、人を増やす前に、まず今の仕事が社長の受け取りを生んでいるかを見る必要がある。人を雇う前に利益の流れを確認する。それが、社長の給料を後回しにしない会社へ向かう現実的な出発点になる。
こうして、売上は増えても、社長の報酬と会社の利益が残らない仕事が増えていく。
価格には社長の受け取り分まで含める。ここを外すと、どれだけ働いても自分の給料が最後になる。
安い価格は社長の時間と利益を削る。価格が低いほど件数を増やさなければならず、件数が増えるほど対応に追われ、人生後半の時間が会社に吸われていく。
会社のお金が残らないと感じる時は、売上を増やす前に、毎月どこへお金が出ているかを見る。固定費が大きいほど社長の選択肢は狭くなる。
結果として、利益の薄い仕事が増え、社長の給料が取れない状態へ近づく。合わない顧客は社長の受け取りを削るのである。
その場の判断が増えるほど、社長の気力は減り、値引きや過剰対応も増えやすい。社長の我慢を仕組みに置き換える発想が必要になる。
見る場所を変えるだけで、資金繰りの原因は少しずつ形を持って見えてくる。
削るべきは社長の給料ではなく無理な構造である。そこに気づくと、会社のお金の見方は変わる。次章では、社長が先に受け取ることを、人生後半の経営判断として位置づけていく。
社長が先に受け取る経営へ変える
社長が先に必要な対価を受け取ることは、我儘ではない。会社の灯を守り、人生後半の時間と気力を守り、使って減らぬ金百両を育てる判断だ。受け取る社長ほど会社は巡る。お金は残し、また仕事へ戻す。ここに道がある
社長が先に受け取ることを、わがままではなく人生後半の経営判断として捉え直す。売上より残る利益、時間、信用、仕組みを重視し、会社を通じて使って減らぬ金百両を育てる方向が見えてくる。会社のために人生を削る経営から、自分の価値を守りながら続く経営へ、優先順位が変わっていく。次の選び方が定まる。仕事とお金の向きが揃う。
だが、50代以降の小さな会社では、同じやり方がそのまま通用しなくなる。体力、気力、家族との時間、自分の暮らし。どれも経営と切り離せない現実になる。
人生後半の経営は売上の大きさだけでは測れないのである。
だから、社長の給料を後回しにし続けることは、単に自分のお金を削る話ではない。社長自身が小さな会社の中心資産であるという前提を崩す話でもある。
氣の経営では、こうした状態を感情論ではなく、仕事とお金の流れに出たサインとして見る。受け取れない状態は仕事とお金の乱れを示す。
残すべきは売上より利益と時間である。この順番を見失うと、忙しさだけが増え、人生後半に残るものが少なくなる。
だが、その形を維持するために社長の給料が消えているなら、守っているものを一度見直す必要がある。過去の形を守るほど未来の余白は減る。
何を残し何を手放すかを決める時期である。この判断が、会社のお金と社長の人生の向きを変えていく。
その形を続けるほど、会社も社長の暮らしも細っていく。だから、社長の給料は最後に余れば取るお金ではない。社長が先に受け取ることは経営判断である。
良い仕事が信用になり、信用が紹介を生み、紹介が次の仕事を運ぶ。お金は残して信用と仕組みに変える。ここに、小さな会社が人生後半を支える道がある。
現金は使えば減る。だが、信用は正しく使えば深まる。知恵は使えば磨かれる。記事や商品は、育てれば資産になる。使って減らぬ金百両は受け取りから始まる。
自分の価値を下げないことが会社を守る。ここを外すと、どれだけ働いても安心は増えにくい。
社長の受け取りを数字として見る。そこから、価格、人件費、固定費、仕事の選び方を見直す流れが始まる。我慢ではなく受け取れる会社を作るという考えへ移る。
会社を通じて人生後半に残るものを育てる。その意識を持つだけで、資金繰りの見方は変わる。
その流れを作ることが、氣の経営におけるお金の見方である。社長が受け取れない経営を続けてはいけない。ここから、そのためにどこを見るかを具体的に確認していく。
読者からのよくある質問とその答え
Q. 社長の給料を後回しにすると、なぜ資金繰りが苦しくなるのですか。
A. 社長の給料を後回しにする状態は、会社のお金の順番が崩れている合図である。責任感だけで続けると、気力と判断が細り、資金繰りの苦しさも見えにくくなる。まず毎月必要な受け取りを数字で見て、価格と支払いの順番を一つずつ確認する。
Q. 小さな会社の社長は、先に自分の給料を見てもよいのですか。
A. 先に見るべきである。社長の受け取りは贅沢ではなく、会社を続けるための土台だからだ。後ろめたさが出る時ほど、気の乱れで判断が鈍りやすい。生活費と報酬を分けて書き出し、必要な金額を落ち着いて確かめる。
Q. 人件費が重くて社長の給料が取れない時はどう見ればよいですか。
A. 人件費が社長の受け取りを消している可能性がある。人を雇う目的は、時間と利益を生むことだからだ。社員を責める必要はない。気持ちを分け、任せる仕事、利益、固定費を見れば、次に直す場所が現実の数字で見える。
Q. 売上はあるのに会社にお金が残らない原因は何ですか。
A. 価格に社長の報酬が入っていない場合が多い。安く受けるほど仕事量が増え、気力と時間が削られるからだ。焦って値上げする必要はない。まず一つの商品を選び、材料費、手間、利益、受け取りを入れて値段を見直す。
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【お金の流れが良くなる行動】:受け取りを先に見る
1. 必要な受け取りを書く
社長が毎月受け取るべき生活費と報酬を、通帳を見る前に紙へ書く。残ったら取るお金ではなく、会社を続けるための数字として扱う。金額を見える場所に置くと、支払いの順番と気の乱れが分かる。
2. 支払いの順番を分ける
社員、外注費、仕入れ、家賃、借入返済、自分の報酬を並べる。社長の給料だけが毎月後ろへ押されているなら、金額ではなく順番の問題として見る。責任感で片づけず、どこで受け取りが消えているかを確認する。
3. 価格に報酬を入れる
よく売れている商品や仕事を選び、価格の中に社長の報酬が入っているかを見る。材料費、手間、外注費だけで値段を決めているなら、受け取りが消えるのは自然である。次に見積もる時のために、報酬を含めた価格を書き直す。
『社長の給料を後回しにする経営は、会社を守るようで会社の力を削っていく。受け取ることは我儘ではない。自分の価値を守り、利益と信用を残し、人生後半の仕事とお金を巡らせる経営判断である。』
(内田 游雲)
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内田 游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトの「運の研究-経営とお金が巡る仕組みの研究所-」は、氣の経営と運をテーマにしている。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。

























