未来をイメージする前に無理だと決めると選択肢は見えなくなる

思考のクセ

【運を開く言葉】

書:瑞雪 文:游雲

やってみたいことが浮かんでも、「今さら難しい」「自分には無理だ」と先に線を引いてしまうことがある。まだ何も始めていないのに、未来の選択肢だけが先に減っていく。できるかどうかを考える前に、自分は何を思い描いているのか。そこには、意外と見落としやすい違いがある。

思い描いた景色を
まだ誰にも話せずにいる

できるはずがないと
口にしたその瞬間から

見えていた道まで
遠くなってしまう

まだ何も起きていない
何も失ってはいない

心に浮かんだ未来を
消しているのは

現実より早く訪れた
あきらめなのかもしれない

頭に描いたイメージは、未来を保証する魔法ではない。まだ形のない未来を、自分の選択肢として見えるようにする最初の像である。
人は、まったく思い浮かばない方向へは動きにくい。反対に、こんな姿になりたい、こんな暮らし方をしたいと心に描ければ、それまで見過ごしていた道にも目が向く。
行動の前には、たいてい「こうしたい」という小さな像がある。
だから、できるかどうかを先に決めてしまうと、現実を確かめる前に未来の幅まで狭めてしまう。
書作品が示しているのは、願えば何でも叶うという話ではない。現実より先に、自分の中にどんな未来を置いているか。
その違いが、その後に見える選択肢を変えていくという意味である。

思い描いた未来が選択肢になる

何かを始める前、人は頭の中で小さな予行演習をしている。席を立つ、誰かに電話する、出かける準備をする。意識するほどのことではなくても、先に「こうする」という像があり、それに沿って身体や判断が動く。
未来をイメージするとは、まだ起きていない出来事を当てることではない。これから自分が向かう方向を、選択肢として頭の中に置くことである。
ところが、人生の話になると順番が逆になりやすい。「もう若くない」「経験がない」「お金が足りない」と現実的な条件を並べ、できると確認できたものだけを思い描こうとする。
それは慎重さにも見える。だが、まだ考えてもいない未来まで、その条件で消してしまえば話は変わる。
たとえば、本当は仕事の量を減らして好きなことに時間を使いたいと思っていても、「そんな働き方では収入が減る」と考えた瞬間、その姿を頭から追い出してしまう。
別の土地で暮らしたい、新しい仕事をしたい、長年続けたものを終わらせたい。心に浮かんでも、実現可能性を採点するほうが先になると、願いは検討される前に不採用になる
ここには妙な矛盾がある。現実的に考えているつもりなのに、実際には現実をまだ調べていない。できない理由だけを先に集め、できる道が存在するかどうかは探していないのである。
頭に描けば、その通りの現実が自動的に現れるわけではない。資金も能力も時機も相手の事情もある。運にも左右される。
それでも、理想の未来を一度も描かなければ、その方向へ向かう情報や人、方法を探す理由そのものが生まれにくい。
思い込みが狭めるのは気分だけではない。目に入る選択肢まで狭める。「できるはずがない」と決めれば、それを可能にする方法は重要な情報として扱われなくなる。
反対に「こんな状態になれたら」と像を持てば、今まで素通りしていた話にも意味が生まれる。
50代を過ぎると、過去の経験には重みが増す。それは判断材料になる一方で、「これまでこうだったから、これからもこうだ」という予測にもなりやすい。
事業を営んできた人なら、今までの商売の形を、そのまま未来の限界だと思うこともある。しかし、経験は過去を説明する材料であって、未来の上限を決めるものではない。
できるかどうかの検討は必要である。ただ、その検討を始める前に消してしまった未来は、選ぶことさえできない。
まだ何も決まっていない段階なら、現実性の判断と望む姿を描くことは分けてよい。未来を見る範囲まで、過去の実績だけに決めさせる必要はない。
【卦象ミニコラム】
まだ形のないものを見る
卦象:水雷屯|形になる前の可能性
変化|まだ定まらないものが動き始める局面
水雷屯は、何かが始まりながら、まだ姿も道筋も定まっていない局面を表す。芽は出ようとしているが、先に何があるかは見通せない。だから、完成した答えを最初から求めれば、動き始めたものまで否定しやすい。未来の姿も同じで、今の現実だけでは判断できない段階がある。まだ形にならないものを、存在しないものとして片づけない。その曖昧な段階を持てるかどうかで、見える選択肢は変わる。

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【よくある疑問】
Q.未来をイメージすれば、その通りに実現するのでしょうか?
A.イメージしただけで結果が決まるわけではない。現実には資金、能力、相手の事情、時機など多くの条件がある。ただ、望む姿を描かなければ、その方向の選択肢や情報に気づきにくい。結果の保証と、未来を見る範囲が広がることは分けて考えたほうがよい。

【開運への手がかり】:できない理由より先に望む姿を見る
「無理だ」と感じたとき、その判断が現実を確かめた結果なのか、まだ何も調べる前の思い込みなのかを見る。できるかどうかを決める前に、自分は本当はどんな未来を望んでいるのか。その姿まで消していないかを確かめたい。

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