未来が不安な人ほど今日を大切にできなくなる理由

心の整え方

【運を開く言葉】

書:瑞雪 文:游雲

未来が不安になると、まだ起きていない先のことを何度も考えてしまう。お金のこと、身体のこと、このままで大丈夫なのかということ。考えているうちに心は疲れ、気づけば今日という一日まで上の空になる。先を案じるほど、目の前の時間が見えなくなる。この矛盾は、思っている以上に身近にある。

まだ来ない明日を思い
胸の中だけが苦しくなる

もしもを何度も重ねるほど
目の前の景色が遠くなる

心配は未来へ向かうのに
失われるのは今日の時間

明日はまだここにはない
今日だけが手の中にある

遠くを見つめている間にも
静かに今日が過ぎていく

未来を心配するのは、先のことを真剣に考えているからだと思ってしまう。だが、将来を考えることと、まだ起きていない出来事を何度も想像することは同じではない。
考えるほど安心に近づくなら意味はある。何度考えても同じ不安を繰り返すだけなら、その時間に現実は何も進んでいない。
しかも、未来を気にするほど、意識は今日から離れていく。まだ起きていない失敗や不足を頭の中で先に経験し、そのたびに気持ちだけが疲れていく。
明日のために考えているつもりなのに、実際に失われているのは今日の時間である。
未来そのものには、まだ触れられない。触れられるのは、今ここにある一日だけだ。
未来を見るなと言っているのではない。未来を思うあまり、今日を見失っていないかである。

未来を心配するほど今日を失う

未来が不安になると、人はまだ起きていない出来事を先回りして考える。「収入が減ったらどうしよう」「身体を悪くしたら困る」「この先もうまくやっていけるだろうか」。考えている本人には、将来へ備えている感覚がある。
ここでいう未来への心配とは、先の予定を考えたり必要な準備をしたりすることではなく、まだ答えの出ない出来事を何度も繰り返すことである。
未来には分からない部分が多い。分からないままにしておけないと、その空白を想像で埋め始める。しかも心配している時に浮かびやすいのは、たいてい困った場合の話だ。
お金がなくなる。病気になる。仕事がなくなる。悪い出来事を想像し、それへの対応を考え、別の不安が浮かぶ。こうして現実にはまだ何も起きていないのに、頭の中だけではいくつもの問題が起きている
先のことを考えるのが悪いわけではない。来月の支払いを確認する。健康診断を受ける。予定を立てる。必要な準備には、今日できる現実の動きがある。
一方、何度同じことを考えても確認できる事実が増えず、何も決まらないなら、それは準備とは少し違う。心だけが未来へ出かけたまま、今日が置き去りになっている。
たとえば、「将来お金が足りなくなったら」と一日中気にしながら、今日どこへお金を使ったかには関心が向かない。「健康を損ねたら困る」と心配しながら、夜更かしを続ける。
ここには妙な矛盾がある。未来を守りたいと思っているのに、その未来へ影響する今日の現実が見えなくなっている
安心できる未来が欲しくて心配しているのに、その心配によって未来をつくる今日を失っている。ここが最も見落としやすいところだ。
心配している間にも時間は過ぎる。食事をする時間、人と話す時間、目の前の用事を片づける時間、何もせず休む時間も今日にしか存在しない。明日になれば、今日という一日はもう使えない。
仕事でも同じことは起きる。来月の売上や先々の経営ばかり考えて、今日の顧客の反応や今月の数字を見なくなると、心配は増えても判断材料は増えない
先を読むことと、先の不安に気持ちを奪われることは分けて考えたほうがいい。
未来について考えている時、見るべきなのは心配の大きさではない。その考えによって、今日確認できるものが増えているかどうかである。
何も増えていないまま同じ不安だけを繰り返しているなら、意識は未来にありながら、現実から離れている。
未来はまだ来ていない。だから自由に想像できる。しかし、自分が実際に触れられる時間は今日しかない
未来を思うなら、未来ばかりを見るのではなく、その未来へ渡っていく今日がどんな一日になっているかを見る必要がある。

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よくある疑問
Q.将来のことを心配しないと、何も備えられなくなりませんか?
A.将来を考える必要はある。だが、備えることと、まだ起きていない出来事を繰り返し心配することは別である。考えた結果、確認できることや準備できることが増えるなら意味がある。何も増えず同じ不安だけが残るなら、今見ているのは未来そのものではなく想像である。

【時運を読む手がかり】:心配しているのは現実か想像か
先のことを考えているつもりでも、まだ起きていない出来事を頭の中で繰り返しているだけなら、今日見えている現実とは別のものを見ている。未来への備えと、未来への心配が混ざっていないかを見ると、今どこに意識を使っているのかが見えやすくなる。

『未来を心配するほど、まだ起きていない明日に心を奪われ、先の安心を求めている間にも目の前の今日という時間は確実に過ぎ、その一日は二度と同じ形では戻ってこない。』

(内田 游雲)

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