好きなことと得意なことはどちらを選ぶべきか|努力が続く道の見分け方

使命と天命

【運を開く言葉】

書:瑞雪 文:游雲

好きなことと得意なことは、いつも同じとは限らない。好きでも苦しさが続く道があり、得意なのに自分では価値に気づかない道もある。努力しても前へ進めない時は、頑張りが足りないのではなく、力を注ぐ方向が合っていない。壁を越えやすいのは、向いていることを選び、自分の強みを活かせる時である。今の道が、本当に努力を続けられる場所なのかを見直すことから始まる。
ひとの道にはかならず壁が立つ
まっすぐ歩くほど風は冷たい

けれど心がよろこぶ仕事なら
足は案外おとなしく前へ出るし
苦労さえどこか灯りを帯びる

好きは人を長く支える火である
得意は人を深く届かせる力だ

成功とは背伸びした姿ではない
自分の才を自分で使うことである

いまの仕事はそれに沿っているか
積み重ねた力が動き始める。

「自分の得意なことをしたほうが成功に近づく」とは、努力の量を増やす前に、自分の力が自然に発揮される場所を選ぶという意味である。どんな道にも壁はある。
好きなことや得意なことであれば、難しさにぶつかっても工夫を続けやすく、失敗から学ぶ力も残る。

反対に、苦手なことへ無理に力を注ぎ続ければ、努力そのものが目的になり、前へ進む感覚を失いやすい。成功は、何でもできる人だけに近づくものではない。
自分が人より早く理解できること、繰り返しても苦にならないこと、自然に工夫できることへ力を集めた人ほど、自分の強みを結果へ変えやすくなる。

力の向きが合えば、同じ努力でも積み重なり方が変わる。大切なのは、苦手をすべて克服することではない。
自分の得意なことを見つけ、それが生きる場所を選び、そこへ努力を重ねることである。

人は、思うように結果が出ない時ほど、努力の量を増やそうとする。もっと頑張れば届く。まだ足りないから苦しい。
そう考えて、合わないやり方へさらに力を注いでしまう。

だが、努力が続かない理由は意志の弱さではない。力を使う方向が自分に合っていないだけの場合もある。

得意を軸にすれば努力は積み重なる

好きなことと得意なことの違いとは、心が惹かれるものと、自然に力を発揮できるものの違いである。好きだから続けられるものもあれば、好きなのに苦しさばかりが増えるものもある。
反対に、自分では当たり前にできるため、得意だと気づかないことも多い。人から何度も頼まれること。説明しなくても要点が分かること。繰り返しても強い負担を感じないこと。そこには、自分の強みが隠れている。

得意なことは壁を消すのではなく、越える力を残してくれる。何かに取り組めば、壁は現れる。失敗し、投げ出したくなる時もある。
それでも得意なことなら、工夫する余力が残る。別の方法を試し、やり直し、前より良くしようと考えられる。

苦手なことばかり続けていると、毎回の行動に大きな気力を使う。始めるまでに疲れ、終えた後にも消耗が残る。周囲と同じようにできない自分を責め、焦りから無理を重ねる。
努力を増やす前に、努力が積み上がる場所かを見る。本当は方向を変えた方がよいのに、ここまで頑張ったのだからと離れられなくなる場合もある。

周囲に合わせることと、自分の力を活かすことは別である。人付き合いが得意な人もいれば、一人で深く考える方が力を出せる人もいる。大勢の前で話すより、文章で伝える方が思いを届けられる人もいる。
必要な距離を保った方が、良い関係を育てられる人もいる。向いていない形へ自分を押し込めるほど、持っている力は見えにくくなる。

好きなことと得意なことはどちらを選ぶべきか。どちらか一方を機械的に選ぶ話ではない。好きだから続けたい気持ちがあり、得意だから工夫を重ねられる。
その重なりが大きい場所ほど、努力は苦しさだけで終わりにくい。重ならない時は、好きな分野の中で得意な役割を選ぶ。作ることは好きでも、教える方が向いている人もいる。

自分の得意は、派手な才能とは限らない。人の話を最後まで聞ける。複雑な内容を分かりやすくまとめられる。細かな違いに気づく。決めたことを丁寧に続けられる。
自分にとって普通のことが、誰かには助けになる。他の人が苦労することを自然にできるなら、それは十分な価値になる。

運は、自分の力が生きる場所で動きやすくなる。何もしなくても結果を運んでくる力として待っていても、状況は動きにくい。自分の状態を見て、力を注ぐ場所を選び、無理な向きから離れた時に、縁や機会を受け取りやすくなる。
得意なことへ力を集めると行動が続き、人との関係にも余裕が生まれる。そこから新しい役割や頼まれごとが生まれる場合もある。

仕事でも、自分の得意を差し出し、その価値に見合う対価を受け取る形が自然である。苦手なことを抱え込み続けるより、強みを活かせる役割へ時間を使う方が、気力も残りやすい。
お金の入り方を考える時も、何を増やすかだけでなく、何なら無理なく続けられるかを見る。

成功へ近づくために、何でもできる人になる必要はない。自分に向いていない場所で耐え続ける必要もない。
自分の得意なことが生きる場所へ力を集める。その選択が、努力を消耗ではなく積み重ねへ変えていく。

【関連記事】:
【卦象ミニコラム】
強みを育てる順番
卦象:地風升|得意を積み上げる
変化|小さな積み重ねが進む道を上へ運ぶ
苦手を克服してから進もうとすると、いつまでも出発できない。地風升は、地中の芽が時間をかけて伸びる姿を表す。急に高く飛ぶのではなく、今ある力を一段ずつ育てていく局面である。見るべきなのは努力の量ではなく、積み上げる順番だ。まず得意なことへ時間を配り、反応や成果を確かめる。その後に不足を補えば、無理に自分を作り替えず、持っている力を現実の価値へ変えられる。

▶ 「才能を磨く」の記事一覧
関連する記事を読む

よくある疑問

Q. 好きなことと得意なことは、どちらを選べばよいですか。
A. 得意なことを軸にしながら、好きなことの中で力が生きる役割を探すのが自然である。好きだけで選ぶと、苦手な部分で気力を使い切り、続けたい思いまで弱くなりやすい。今日は、人からよく頼まれることを書き出し、好きな分野と重なる場所を確かめる。

【今日の開運行動】:仕事を得意と消耗に分ける
今抱えている仕事を選び、「自然にできる部分」と「気力を削る部分」に分けて書き出す。得意な部分へ力を多く配ると、努力が積み上がり、次に残す仕事も見えやすくなる。

『成功は、苦手をすべて克服した先にあるのではない。自分の得意を見つけ、その力が生きる場所へ時間と気力を注ぐことで、努力は消耗ではなく積み重ねへ変わる。好きなことの中に得意な役割を見つけた時、道は無理なく前へ伸びていく。人と比べる必要もない。』

▶ 【64卦から読む】:地風升
この卦に関連する記事を読む

関連記事