思考のクセ

思考のクセは、感情ではなく解釈の癖として現れる。比較、決めつけ、先読み不安、過剰な自責。事実と解釈を切り分け、見方を組み替えて判断を戻す場所だ。頭の中の独り相撲をやめ、今日の選択を軽くする。

先延ばしで動けない経営者へ|完璧主義の処方箋

今できない言い訳をする人は十年経っても同じである|筆文字書作品
件が揃う日を待つ人ほど、人生は静かに動かなくなる。言い訳は自分を守る賢い言葉に見えるが、実は未来を遠ざける足かせだ。100%は来ない前提で、今日の10分だけ着手する。それが十年後の景色を変える。(内田 游雲)




先延ばし癖とは何か?
先延ばし癖とは、条件待ちを言い訳に着手を先送りし、十年後も同じ景色を呼ぶ習慣である

どれほど美しい夢でも
緻密な計画でも

動かなければ
ただの紙切れになる

できない理由は
無限に湧いてくる

言い訳を重ねれば
未来は遠ざかる

今この瞬間こそ
一歩を踏み出す時

それでも怖い日があるのは当然で、その怖さを抱えたままでも、今日の10分は未来をちゃんと動かす。

ここから先は、気合いで背中を押す話ではない。
動けない理由を解き、今日の一手が自然に出る形へ戻す話になる。
読むだけで終わってもいいが、最後に10分だけ試せるように書き出す。

条件が揃うまで待つほど動けなくなる

「今できない」と言い訳が出るのは、根性不足ではなく“詰まり”のサインだ。
100%条件が揃う日は来ないため、待つほど先延ばしが固定化する。
先延ばしを止めるコツは、資金繰りの見える化と10分行動で“着手”を軽くすることだ。
今日の小さな一歩が、十年後の景色を変える。

「今はできない」
と言い訳が出る瞬間は、だいたい忙しい。
頭も心もパンパンで、予定表が小さな文字で埋まっている。
だから言い訳を責める話にはしない。
むしろ、言い訳が出るのは“警報”だ。

気が枯れているのに、さらに気合いを足そうとしている合図になる。

経営者は特に、条件が揃うまで待ちたくなる。
売上の見通し、スタッフの状態、家の用事、体調、世の中の空気。
全部が整ってから動けたら理想だが、現実はそうならない。
100%条件が揃う日は来ない。

だから動けない人がダメなのではなく、「揃うまで待つ」というルールが詰まりを作る。

ここで大事なのは、行動力という根性ではない。
氣(気)の経営では、まず“詰まり”を見る。
天(流れ)・地(器)・人(姿勢)のどこで詰まっているかを分ける。
天は外部環境で、ハンドルではなく天気予報だ。

地は身体と生活と仕組みだ。
人は選び方と態度だ。
言い訳が長くなる時は、多くの場合「地」が荒れている。
睡眠が浅い、口の中が渇く、机が散らかる、入金と支払いが頭の中で混線している。

これでは、立派な計画ほど重く見える。

そして、言い訳の正体は意外とシンプルだ。
先延ばしは、怖さを隠すための時間稼ぎになる。
失敗が怖い。断られるのが怖い。途中で止まる自分を見るのが怖い。
だから
「今は無理」
と言う。

言うと一瞬ラクになる。
ここが落とし穴だ。
ラクになった分、明日の自分が背負う。
借金ではないが、利息が付くタイプの先送りだ。

もう一つ、経営者に多いのは「決断疲れ」だ。
小さな判断が積み上がって、最後に大事な一手が出ない。
すると人は、最も得意な作業に逃げる。
メール整理、SNSの流し見、資料の装飾。

やっている感はあるが、未来は動かない。
結果、十年後も同じ景色になる。
違うのは、肩こりの位置だけだ。

言い訳をやめるには“気合い”より“構造”が効く。
まず詰まりを見つける。
次に、今日の一歩を小さくする。

ここから、具体的にどう変えるかを書いていく。



変化は、立派な決意から始まらない。
体感としては「ちょっとだけ息が深くなる」から始まる。
だから後半は、気分が重い日でも動ける手順にする。

ポイントは三つだ。
小さく、短く、戻れる形にする。

まず、入口を一つに絞る。
おすすめはお金か時間だ。
経営者は“見えない不安”が一番気を消耗する。
そこで、資金繰りは、入金と支払いの時期を見える形にして不安を減らす道具になる。

難しい表はいらない。
今月と来月だけでいい。
「入る日」「出る日」「残る額」を一枚に書く。
これだけで、言い訳の燃料が減る。
燃料が減ると、行動は案外あっさり出る。

次に、行動を10分に切る。
ここで大事なのは、10分で終わらせることではない。
10分で“着手”することだ。
電話一本、見積もりの下書き、断る文章の冒頭だけ。

やることは小さくていい。
小さいほど、怖さが出にくい。
怖さが出にくいほど、先延ばしは成立しない。
10分行動は、未来を動かすための最小単位になる。

三つ目は、戻れる仕組みを作る。
三日坊主は失敗ではない。
復帰手順がないだけだ。

たとえば「途切れたら翌朝に1分だけ再開する」と決める。
1分でいい。
1分なら、恥ずかしさも小さい。
すると再開が軽くなる。
軽くなると、続く。
続くと、運の流れが戻る。

ここで“氣の経営”らしく言うなら、気は集めるものではなく、滞らせないものだ。
滞りを外すと、勝手に回りだす。

さらに、言い訳が出た瞬間の対処を決めておくと強い。
「今できない」と思ったら、条件を足すのではなく減らす。
「完璧に作る」→「下書きを作る」へ。
「全部やる」→「一つだけやる」へ。

完璧主義は、理想の高さではなく着手の重さとして扱う。
重さを減らせば、理想は捨てなくていい。

最後に、未来像を言葉にして締める。
「売上はあるのにお金がない」状態から、「利益と現金の位置が分かる」状態へ。
「やることが多すぎる」状態から、「今日の10分が決まっている」状態へ。

十年後の差は、才能ではなく、今日の10分の積み上げでつく。
言い訳は無限だが、行動は一回で十分だ。
今日の分だけ動けばいい。

明日の分は、明日の自分がなんとかする。
意外と、ちゃんとやる。
人はそういう生き物だ。

ここまで読んだ時点で、
「私も条件待ちしてた」
と気づくだけで十分だ。
気づきは責めるためではなく、流れを戻すために使うものだ。
次は、つまずきやすい所をQ&Aで明らかにしていく。

者からのよくある質問とその答え

Q. 先延ばし癖がなかなか直らないのは、私の意志が弱いからですか?

A. 意志の弱さではない。
多くは疲れと不安で気が詰まり、着手が重く見える状態だ。
条件を足すより、やることを小さく切って「今できる形」に落とすと流れが戻る。

Q. 「条件が揃ったら動く」の何が問題なのですか?

A. 条件が揃う日を待つほど、動けない癖が強くなるからだ。
100%は来ない前提で、今ある条件で回すほうが不安が薄れ判断が軽くなる。
小さな着手が次の条件を連れてくる。

Q. 今日からできる、先延ばしを止める一歩は何をすればいいですか?

A. 10分だけ着手すると決める。
終わらせるのではなく始めるのが目的だ。
電話一本、下書き一行で十分だ。
あわせて今月と来月の入出金を一枚に書くと不安が減り動ける。



Q&Aで明らかにできたら、あとは理屈を閉じて、今日の行動だけを小さく書く。

【先延ばしを止める行動】
1.入出金を一枚に書き出す
今月と来月の入金日・支払日・残高見込みを紙に書き、見える場所に置く。
2.10分だけ着手する
止まっている仕事を一つ選び、タイマーを10分にして最初の一手だけ動かす。
3.「今できない」を一行にする
言い訳を一行で紙に書き、すぐ下に今日できる最小の作業を一つ書く。

【要点まとめ】
・条件が揃う日を待つほど、先延ばし癖は強くなる。
・着手は10分で十分だ。終わらせず、始めれば流れが動く。
・不安は見える化で減る。入出金を一枚にすると判断が軽くなる。

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【運を開く言葉】
書:瑞雪 文:游雲

profile:
内田游雲(うちだ ゆううん)

ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトの「運の研究-洩天機-」は、氣と運をテーマにしている。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。

profile:
瑞雪(ずいせつ)

書家。新潟県村上市に生まれる。幼い頃より書に親しみ、18歳で書家を志し、大東文化大学文学部中国文学科で青山杉雨氏に師事。卒業後 ㈱ブリヂストンに就職するも6年後に退職し、独自の創作活動を開始する。人生の法則を力強く書いたその書は、多くの人に生きる力と幸運をもたらすと評判である。雅号の瑞雪は、吉兆をもたらす雪を意味している。

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