願いが叶わない人生と欲望の錯覚

物事がうまくいかないとき、人はつい自分を責めてしまう。
努力が足りないのではないか、判断を間違えたのではないか。
そんな考えが頭を巡ることは多い。
けれど、現実が噛み合わなくなる原因は、意外なほど単純なところにある。
本当の原因は、自分にとって必要ではないものを欲している点にある。

周囲の評価、流行の空気、広告や成功談。それらはいつの間にか
「それを望むのが自然」
という感覚をつくる。
だが、手に入れた瞬間に気持ちが冷める経験があるなら、それは心が最初から乗っていなかった証拠だ。

欲望とは、心の奥から湧くものではなく、外側の刺激によって形づくられる反応である。
だから叶えても満足が続かない。
次の欲がすぐ現れ、また追いかけてしまう。
その積み重ねが、疲れや停滞感につながる。
人生が重たく感じるとき、問題は現実よりも、追いかけている対象そのものがズレている場合が多い。

ここで必要なのは、気合を入れ直すことではない。
欲しているものを一度見直すことだ。
本心に合わない願いを外すだけで、行動は驚くほど楽になる。
判断がシンプルになり、無理な選択が自然と減っていく。
その変化に合わせるように、現実の流れも少しずつ整っていく。

本当に欲しいものは、誰かに説明しなくても続けられ、誇らなくても心が納得する対象だ。
この感覚を基準にすると迷いが減る。
まず
「それがなくても自分は大丈夫か」
を確かめる。
次に
「それを手にした後の日常」
を静かに思い浮かべる。
気持ちが落ち着くなら進めばいい。
違和感が残るなら、今は選ばなくていい。

必要でない欲を手放すと、時間と気持ちに余白が生まれる。
その空いた場所に、本来の願いが自然と入ってくる。
人生は足し算で好転するものではない。
余計なものを外したとき、流れはきちんと動き出す。

【開運の行動】
1.今欲しいものを書き出し、本当に必要かを確認する
頭に浮かぶ欲や目標を紙に出し、それがなくても困らないかを一つずつ確かめる。必要でない欲に気づくだけで、気持ちは大きく軽くなる。
2.手に入れた後の自分の日常を具体的に想像する
満足しているか、落ち着いているかを感じ取る。違和感が出るものは今の自分には合っていない合図になる。
3.一つだけ欲を保留にして行動を止めてみる
すぐ追いかけず様子を見る。追わなくても困らないと分かると、判断軸が本心側に戻り、流れが整い始める。

profile：
内田游雲（うちだゆううん）
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトの「運の研究－洩天機－」は、運をテーマにしている。他にも、この世界の法則や社会の仕組みを理解しスモールビジネスの経営を考える「気の経営」を運営している。座右の銘は、「木鶏」「千思万考」。

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瑞雪（ずいせつ）
書家。新潟県村上市に生まれる。幼い頃より書に親しみ、18歳で書家を志し、大東文化大学文学部中国文学科で青山杉雨氏に師事。卒業後㈱ブリヂストンに就職するも６年後に退職し、独自の創作活動を開始する。人生の法則を力強く書いたその書は、多くの人に生きる力と幸運をもたらすと評判である。雅号の瑞雪は、吉兆をもたらす雪を意味している。