不足を追う生き方では幸福になれず足るを知る心が平安を導く

誰もが不足を埋めようとして
懸命に働き努力を重ねる
けれどそれだけでは永遠に
幸福の扉は開かれない
人の常はもっとを求め
心は渇き欠乏に囚われる
必要なのは知足という智恵
足るを知る心の静けさだ
そこにこそ渇きの鎖を断ち
真の安らぎが訪れる
努力は尊いが忘れてはいけない
何のために進んでいるのかを
努力だけでは得られない本当の幸福
人はどうしても
「足りないところ」
に目が行く。
収入がもう少しあれば、体型が少し変われば、人間関係がもう少し良くなれば・・・。
こうして不足を補うために努力を重ねていく。
もちろん努力は大切だ。
けれど、不足ばかりに焦点を当てている限り、心はいつも欠乏感に支配される。
本当の幸福とは、外側にあるものではなく、心が感じる平安である。
毎日の生活に
「ありがとう」
と言える余白を持ち、今すでにあるものに目を向けると、足りないものではなく
「すでに満ちているもの」
が見えてくる。
これこそが古くから伝わる
「知足」
=足るを知るという智慧だ。
例えば食事。
お腹が空いた時に、命を支えるだけの食事を口にして
「ありがたい」
と思えたら、それが幸福である。
ところが多くの人は
「もっと美味しいもの」
「もっと豪華なもの」
と欲を重ねる。
結果、欲望は心の渇きを生み、満腹になってもどこか満たされない。
同じことは人間関係や仕事にも言える。
「もっと評価されたい」
「もっと成果を上げたい」
と願う気持ちは自然だが、そればかり追いかけていると、今すでにある信頼や成果を見失ってしまう。
すると、ますます心は落ち着かなくなる。
まるで、穴のあいたバケツに水を注ぎ続けるようなものだ。
だからこそ大事なのは、努力の前に
「なぜ努力をしているのか」
を見つめ直すこと。
不足を埋めるためではなく、今あるものを味わい、それをさらに育てるための努力であれば、心は穏やかでいられる。
努力が苦行ではなく、日常を彩る習慣になる。
結局のところ、幸せになる近道は
「不足探し」
をやめることだ。
毎日当たり前に感じていることを数えてみる。
健康で目覚めた朝、ご飯を食べられること、誰かと笑い合える時間。
それらはすべて、もうすでに幸せの材料である。
不足を追いかけ続ける人生は疲れる。
けれど、足るを知り、今あるものを抱きしめる生き方は、静かなのに力強い。
幸せは努力の先にあるのではなく、実はすでにあなたの手の中にある。
「幸せは遠くの未来にあるご褒美ではなく、今ここで足るを知り、心に平安を見いだす人だけが手にできる日常の贈り物である。」
【運を開く言葉】
書:瑞雪 文:游雲
内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトの「運の研究-洩天機-」は、運をテーマにしている。他にも、この世界の法則や社会の仕組みを理解しスモールビジネスの経営を考える「気の経営」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。
瑞雪(ずいせつ)
書家。新潟県村上市に生まれる。幼い頃より書に親しみ、18歳で書家を志し、大東文化大学文学部中国文学科で青山杉雨氏に師事。卒業後 ㈱ブリヂストンに就職するも6年後に退職し、独自の創作活動を開始する。人生の法則を力強く書いたその書は、多くの人に生きる力と幸運をもたらすと評判である。雅号の瑞雪は、吉兆をもたらす雪を意味している。