効率ばかり求める会社はなぜ破滅に向かうのか
経営は数字だけでは
どうにも渡れぬ夜がある
効率ばかりを胸に抱くと
人のぬくもりが遠くなる
働く者の沈むため息も
客の黙った痛みも見えぬ
その会社が向いている先が
金だけなら道はやせてゆく
誰のために今日も商うのか
まずそこへ心を戻すことだ
この言葉が示しているのは、会社は理屈だけでは続かないということである。合理主義そのものが悪いのではない。無駄を省き、効率を上げ、数字で判断することは経営に必要である。
ただ、そればかりを追いかけると、そこで働く人の気持ちや、お客の不安や期待のような、目に見えにくいものが切り捨てられていく。すると会社は一時的に回っているように見えても、信頼が痩せ、関係が冷え、最後には土台から崩れやすくなる。
人が動かしている会社である以上、感情への配慮を失った合理化は、強さではなく壊れ方の始まりになる。
だからこの言葉は、利益や効率より先に、誰のために商いをしているのかを思い出せと告げている。
小さな会社は効率より人を見る
合理化とは、限られた時間やお金や人の力を、できるだけ無駄なく回すための工夫である。経営にはたしかに必要な視点だが、それが強くなりすぎると、会社の空気は少しずつ冷えていく。
数字が合っているか、手間が減るか、利益が出るか。その物差しだけで判断を続けると、働く人の気持ちや、お客の小さな不満、言葉にされない違和感が見えにくくなるからだ。
最初は効率が上がったように見えても、やがて連絡がそっけなくなり、説明が足りなくなり、余白のない対応が増える。すると、お客は「悪くはないけれど、ここでなくてもいい」と感じはじめる。
会社にとって本当に怖いのは、大きな失敗より、信頼が音もなく細っていくことである。
小さな会社ほど、この流れには気をつけたほうがいい。大きな会社は仕組みで補えることがあっても、小さな会社は人の温度そのものが価値になるからだ。
にもかかわらず、急いで整えようとして合理化ばかり進めると、商いの芯まで薄くなる。なぜそうなるのかといえば、経営は計算だけで回るものではなく、人の感情と関係の上に成り立っているからである。
相手が安心する言葉、少し立ち止まって聴く姿勢、急がせない配慮。そういう一見すると非効率なものが、実は次の依頼や紹介を呼び、長く続く流れを育てている。
氣の経営で見るなら、会社が傾く前には、売上より先に巡りが鈍くなる。会話が荒くなる、決め方がせわしくなる、断る言い方に棘が出る。
こういう変化は、数字の表に出る前の知らせである。だから必要なのは、合理化を捨てることではない。誰のためのビジネスかを先に戻し、そのうえで仕組みを整えることだ。
お客が受け取りやすい形か、働く側が疲れ切らない流れか、自分の心まですり減らしていないか。そこを見ずに効率だけを追えば、会社は回っているようで、内側からやせていく。
小さな会社が守るべきものは派手な正解ではない。お客のために何を残し、何を省くかを見極めること。そして、気の巡りが悪くなる前に、判断の軸を人へ戻すことである。
それが、長く続く商いの土台になる。
【信頼を戻す10分】
今日のうちに10分だけ使い、最近そっけなく対応してしまった相手を一人思い出して、感謝か気づかいの一文を送る。
会社は、正しさや効率だけでは続かない。人の気持ちに目を向けたとき、商いは細るのでなく、むしろ深く長く巡りはじめる。
【運を開く言葉】
書:瑞雪 文:游雲
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内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトの「運の研究-洩天機-」は、氣と運をテーマにしている。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。
瑞雪(ずいせつ)
書家。新潟県村上市に生まれる。幼い頃より書に親しみ、18歳で書家を志し、大東文化大学文学部中国文学科で青山杉雨氏に師事。卒業後 ㈱ブリヂストンに就職するも6年後に退職し、独自の創作活動を開始する。人生の法則を力強く書いたその書は、多くの人に生きる力と幸運をもたらすと評判である。雅号の瑞雪は、吉兆をもたらす雪を意味している。




















