【運を開く言葉】
書:瑞雪 文:游雲
周りと同じ進路を選び、同じように働き、同じような暮らしを目指してきた。それなのに、ふと「これでよかったのだろうか」と思う瞬間がある。みんなと同じであることは安心をくれる。けれど、その安心が自分にとっての幸せと同じなのかは、別の話である
みんなと同じなら
間違わない気がした
同じ道を歩けば
安心できる気がした
だから歩いてきた
疑うこともなく
けれど胸のどこかに
小さな違和感が残る
ここまで来たのに
なぜ満たされないのだろう
この道は本当に
自分が望んだ道だったのか
多くの人が同じ方向へ進んでいると、それだけで正しい道のように見える。周囲と同じ選択をしていれば、大きく外さない気がするからだ。
けれど、そこで得ているのは「みんなと同じである安心」であって、自分にとっての幸福とは限らない。
幸福は、多数決で決まるものではない。安定した仕事や家、家族を持つことが自分の望みなら、それは十分に幸福になり得る。
問題は、自分が本当に望んでいるかを確かめる前に、「多くの人が目指しているから、きっと幸せなのだ」と受け取ってしまうことにある。
この書作品は、人と違う道を選べと言っているのではない。自分の幸福を、周囲の人数で決めないことを示している。
みんなが向かう方向を眺める前に、自分は何に満足し、何を心地よいと感じるのか。そこを見ないままでは、どれほど人の多い道を歩いても、自分の幸福には近づけない。
みんなが選ぶ道が幸せとは限らない
行列のできる店を見ると、理由を知らなくても「きっとおいしいのだろう」と思う。自分で味を確かめる前から、人の多さが判断材料になる。人生の選択でも、これとよく似たことが起きる。
ここでいう「みんなと同じ安心」とは、多くの人が選んでいるという事実を、自分の選択が間違っていない証拠として受け取ることである。
安定した職に就く。家を持つ。家族を持つ。老後は年金で暮らす。長いあいだ、こうした生き方は「幸せな人生」の代表的な形として語られてきた。
もちろん、それを望む人にとっては幸福になり得る。問題になるのは、自分が望んでいるから選ぶのではなく、「普通はそうするものだから」と選び続けるときだ。
人と違う選択には不安がつきまとう。周囲と同じなら、失敗しても自分だけが間違えた気がしない。親や先生、職場の人からも理解されやすい。
だから、自分にとっての幸せを一から考えるより、すでに多くの人が歩いている道へ入るほうが安心できる。
その安心は悪いものではない。ただ、安心には一つの落とし穴がある。長く同じ道を歩いているうちに、「安心して選べるもの」と「自分が満足できるもの」の区別がつきにくくなる。
家も仕事も手に入れた。周囲から見れば十分うまくいっている。それなのに、本人の中には妙な違和感が残る。そこで初めて、「自分は何が欲しかったのだろう」と考える。
行列の先に評判の店があっても、自分の口に合うとは限らない。人生も同じで、多くの人が選んだという事実は、その選択が自分に合うことまでは証明してくれない。
ここを混同すると、周囲から見れば順調なのに、自分では満たされないというずれが生まれる。
仕事にも似たことが起きる。会社を大きくすること、忙しく働くこと、売上を増やすことが成功だと周囲が考えていても、それが自分の望む働き方とは限らない。
人の評価に合わせて成功を追えば、欲しかった時間や気力を差し出すことにもなる。
自分にとっての幸せは、人と違う生き方を選べば見つかるという話でもない。みんなと同じ道を選んでもいい。
ただ、「みんながそうしている」という理由を、自分の幸福の理由にしないことだ。選んだものを変える前に、その選択の中に自分自身の満足があるのかを見る。
それだけで、今まで正解に見えていたものの姿は少し変わってくる。
【卦象ミニコラム】
同じ道にも違う心がある
卦象:火沢睽|違いを違いのまま見る
変化|周囲の基準と自分の感覚を分けて見る
睽は、同じ場所にいても向いている方向や考えが一致しない局面を表す。周囲と違う感覚を持つと、それだけで自分のほうが間違っているように思いやすい。だが、違いがあることと、どちらかが誤っていることは同じではない。人と同じ道を歩いていても、何に喜びを感じるかはそれぞれ違う。周囲の選択を否定せず、自分の感覚まで周囲へ合わせていないかを見る。その区別が、今いる場所を確かめる手がかりになる。
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Q.みんなと同じ生き方を選ぶこと自体が間違いなのでしょうか?
A.間違いではない。周囲と同じ選択でも、自分が本当に望んでいるなら問題はない。分けて見たいのは、「自分も望んでいるから選ぶ」のか、「みんなが選んでいるから安心して選ぶ」のかという違いである。
【開運への手がかり】
選んだ理由を確かめる
今選んでいるものが、自分も望んでいるからなのか、それとも周囲と同じで安心できるからなのかを分けて見る。選択そのものより、その理由に自分の気持ちが残っているかを確かめたい。
選んだ理由を確かめる
今選んでいるものが、自分も望んでいるからなのか、それとも周囲と同じで安心できるからなのかを分けて見る。選択そのものより、その理由に自分の気持ちが残っているかを確かめたい。
(内田 游雲)
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