心配しても結果は変わらないときに不安を手放す心の整え方

人は待っている間に不安をふくらませがちだ。
しかし心配しても結果は変わらない。
心配とは、現実を動かさない思考の反復である。
やることをやったら、不安を手放し穏やかに待つことが大切だ。

人は結果を待っているときほど、つい余計なことを考えてしまう。
試験の合否、恋人からの返事、仕事の結果。待つ時間が長ければ長いほど、頭の中は勝手にドラマを作り始める。
けれど、その想像のほとんどは
「将来の不安」
をふくらませるだけだ。

本当は、心配したって結果は変わらない。
それなのに、
「どうなるんだろう」
と気をもみながら待っていると、まだ来てもいない不安を自分で招き入れてしまう。
まるで、玄関の前で
「不安さんどうぞお入りください」
とカーペットを広げているようなものだ。

心配とは、現実を変える力を持たない思考の反復である。

考えたからといって、出来事の流れが修正されることはない。
むしろ、繰り返し不安を思い浮かべることで、気持ちはどんどんすり減る。
不安を想像し続ければ続けるほど、現実より心の方が疲れてしまう。

たとえば鍋を火にかけたあと、ずっとフタを開けて中をのぞき続けているとする。
まだ煮えていないのに、
「まだ？まだ？」
とやきもきしてかき混ぜれば混ぜるほど、味は落ち着かなくなる。
それと同じで、やるべきことをやったなら、あとは待つことも料理のうちだ。

「不安との付き合い方」
のコツは、頭の中でリピート再生をやめること。
ぐるぐる考え続けるのは、空っぽの鍋を延々とかき回して汗をかいているようなものだ。
火も水もない鍋を混ぜても、スープにはならない。
むしろエネルギーだけが消耗してしまう。

できることをやったなら、
「もう十分やった」
と一度区切りをつける。
そのうえで、不安を手放す時間を意識的につくる。
お風呂にゆっくり浸かるでもいいし、美味しいお茶を淹れるでもいい。
身体をほぐすことで、心も
「待つモード」
に切り替わる。

profile：
内田游雲（うちだゆううん）
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトの「運の研究－洩天機－」は、運をテーマにしている。他にも、この世界の法則や社会の仕組みを理解しスモールビジネスの経営を考える「気の経営」を運営している。座右の銘は、「木鶏」「千思万考」。

profile：
瑞雪（ずいせつ）
書家。新潟県村上市に生まれる。幼い頃より書に親しみ、18歳で書家を志し、大東文化大学文学部中国文学科で青山杉雨氏に師事。卒業後㈱ブリヂストンに就職するも６年後に退職し、独自の創作活動を開始する。人生の法則を力強く書いたその書は、多くの人に生きる力と幸運をもたらすと評判である。雅号の瑞雪は、吉兆をもたらす雪を意味している。