過去を振り返ると、不思議なほど同じような出来事に出会ってきたことに気づく。
選んだ道、下した判断、たどり着いた結果。
これらがまるでコピーのように繰り返されているなら、それは生き方のクセの仕業だ。
クセはたいてい無意識の習慣として潜んでいる。
自分では意識していないのに、同じ思考回路をたどり、似た結論に落ち着く。
恋愛でも仕事でも、つまずく場所が決まっているのはこのせいだ。
小さな会社を経営していると、このクセが経営判断の質を左右する。
たとえば
「リスクを避けすぎてチャンスを逃す」
「迷って先送りにして機会を失う」
など、思い当たる節はないだろうか。
判断力を磨く前に、自分の思考のクセを洗い出すほうが先だ。
では、どうやって見つけるか。
方法はシンプルだ。まず、過去の大きな決断や転機を書き出す。
そして
「そのときの考え方」
「選んだ理由」
「結果」
を並べてみる。
すると、同じパターンが顔を出す。
これがあなたの思考パターンだ。
「そうか、これが私のクセか」
と認識できれば、もう半分は改善できたも同然だ。
次に似た場面が来たとき、
「このパターンにハマっていないか」
と自分に問いかければいい。
意識の方向を変えるだけで、選択肢が広がり、結果も変わる。
クセを手放すことは、自分を否定することではない。
むしろ、クセを知ることは自分を深く理解することだ。
長年の友人の癖を知っているからこそ、付き合い方が上手くなるように、自分のクセを知れば人生の舵取りがうまくなる。
経営も人生も、正解はひとつではない。
ただし、クセの存在に気づき、それを超える視点を持てば、可能性は確実に広がる。
過去を振り返るのは後悔のためではなく、未来を変えるためだ。
生き方のクセを見つけた瞬間から、あなたの物語は少しずつ新しい展開を始める。
【運を開く言葉】
書：瑞雪 文：游雲
