嫌な人ばかり引き寄せるのはなぜか|思いが出会いを呼ぶ理由
思いは胸の奥で火になる
だが火だけでは夜は越せぬ
足を出さねば道は生まれぬ
ひとつの思いが手を動かし
動いた手が日々を変えていく
日々はやがて運命の癖となる
現実は空から落ちてこない
願いは歩いて形になっていく
されど最初に灯るものは
名もない心の向きである
人が引き寄せているのは、偶然の出会いそのものではない。自分がふだん何を考え、何に反応し、何を大事にしているか、その心の向きに合った人や物事である。
疑いが強い人は疑いたくなる相手に目が向きやすく、不満を抱えた人は不満の多い関係に入りやすい。反対に、感謝や信頼を持つ人のまわりには、安心して付き合える人や、役に立つ情報が集まりやすくなる。
つまり、人生に入ってくるものは外から突然決まるのではなく、自分の内側のあり方に応じて選び取られているのである。出会う人を変えたいなら、先に変えるべきは相手ではない。
自分が何を思い、何に心を向けて毎日を過ごしているか、その土台なのである。
経営者の思いが現実を引き寄せる
嫌な人ばかり引き寄せると感じる時、実際に起きているのは不運ではない。自分の内側にある心の向きが、会う人、残る人、離れる人を少しずつ分けているのである。
引き寄せとは、願ったものが勝手に届くことではなく、日々の思いが言葉と態度を変え、その積み重ねが出会う相手と入ってくる出来事を変えていく流れである。たとえば、どうせ裏切られると思っている人は、相手の小さなミスにすぐ反応し、確かめる前に身構える。
すると場が固くなり、安心できる人まで話しにくくなる。反対に、落ち着いて相手を見る人は、必要以上に怯えず、距離の取り方も自然になる。そこで差を生むのは能力より反応の癖である。
このことは経営になると、なおさら表に出る。経営者がいつも不満や疑いを抱えていると、その空気は会議、接客、文章、価格のつけ方にまでにじむ。すると、値切る客、約束の曖昧な相手、責任を持たない外注先が寄りやすくなる。
逆に、自分の基準がはっきりしていて、無理な相手に笑って合わせない人のまわりには、話の早い客、丁寧な紹介者、仕事のわかる協力者が残りやすい。会社の運は大げさな話ではなく、経営者が毎日どんな顔で人に会い、どんな言葉を使い、どこで譲り、どこで断るかで決まっていく。
つまり商いは、経営者の場の空気をそのまま映すのである。
では、なぜそうなるのか。人は頭で考えていることより、ふだん強く感じていることに引っぱられて選ぶからである。焦りが強ければ、目先の売上をくれる相手に飛びつく。寂しさが強ければ、雑に扱う相手とも切れにくい。見栄が強ければ、立派に見える話へ弱くなる。
その思いが選択を決め、選択が習慣になり、習慣が現実を固めていく。だから変えるべきは、いきなり人脈でも売上表でもない。まず見るべきは、自分が何に安心し、何に怯え、誰の前で無理をしているかである。
氣の経営で大事なのもそこだ。天の流れを読み、地の仕組みを整え、人の姿勢を正す前に、経営者自身の言葉の温度が乱れていれば、よい縁も長くは続かない。
思いだけでは現実は動かない。だが、行動の出どころはいつも思いである。だから今日やることは難しくない。会うと疲れる相手を一人減らす。安さで釣る言い方をやめる。断るべき依頼を一つ断る。感謝できる相手に先に連絡する。
そういう小さな選び方が、半年後の客層と仕事の質を変えていく。人も物も、急に入れ替わるわけではない。けれど、思いが変われば、選ぶものが変わる。選ぶものが変われば、集まる現実も変わる。商売とは案外、その積み重ねでできている。
入り方が縁を決める
卦象:巽為風(そんいふう)|入り方を見直す
変化|押す前に向きを正す
いまは、何を望むか以上に、どんな心持ちで人や仕事に向かっているかが、そのまま返りやすい局面である。うまくいかない時ほど、相手を変えたくなり、強く押すか、逆に遠慮しすぎるかのどちらかに寄りやすい。焦りのある声は焦った相手を呼び、疑いのある目線は疑いを返しやすい。巽為風は、風のように入り方が結果を分けると見る卦である。乱れたまま近づけば、話も縁もどこか噛み合わない。ここで見たいのは、誰が悪いかではなく、自分の引き寄せに無理が出ていないかどうかである。今日は広げるより、触れ方と言葉の置き方を見直す向きが合う。
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【送信前の一文を見直す】
今日やり取りする相手を一人選び、送る前の文面から、謝りすぎる言い回し・急かす言い回し・にじむ不満のどれか一つを消してから送る。
人は願いだけで未来を変えるのではない。胸の向きが言葉を変え、言葉が行動を変え、行動の積み重ねが、出会う人と仕事の質を少しずつ決めていくのである。
【運を開く言葉】
書:瑞雪 文:游雲
▶ 【64卦から読む】:巽為風(そんいふう)
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内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトの「運の研究-洩天機-」は、氣と運をテーマにしている。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。
瑞雪(ずいせつ)
書家。新潟県村上市に生まれる。幼い頃より書に親しみ、18歳で書家を志し、大東文化大学文学部中国文学科で青山杉雨氏に師事。卒業後 ㈱ブリヂストンに就職するも6年後に退職し、独自の創作活動を開始する。人生の法則を力強く書いたその書は、多くの人に生きる力と幸運をもたらすと評判である。雅号の瑞雪は、吉兆をもたらす雪を意味している。




















