神は金を生み出せない
神様に、金をたくさんくださいと願ったとしても、神様は金を出現させることができない。なぜなら、金は人間が作り出したものだから、金は神様の能力外のところにあるからである。この世界に無から金を生じさせることができるのは国家だけだ。これを通貨発行権という。つまり日本で金を生み出すことができるのは、日本銀行だけなのである。金は、神様の管轄外なのだ。(内田游雲)
profile:
内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングや人生のコーチングを専門に行い、30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトの「運の研究-洩天機-」は、運をテーマにしている。他にも、この世界の法則や社会の仕組みを理解し経営を考える「気の経営」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)
神は金を無から生み出せない
世の中に、「金運」というものは存在しない。これは、金について考えてみれば、当たり前のことである。なぜなら、金とは人間によって作り出されたものだからだ。
だから金は、人によってもたらされるものであって、神様の管轄外なのだ。
仮に「神様」が存在するとして、その「神様」に、金を沢山くださいと願ったとしても、「神様」は、金を出現させることができない。なぜなら、金は人間が作り出したものだから、金は神の能力外のところにあるからである。
この世界に無から金を生じさせることができるのは国家だけだ。これを通貨発行権という。つまり日本で金を生み出すことができるのは日本銀行だけである。(正確には、銀行も信用創造によって借用書と引き換えに金を出現させることができるがここでは混乱を避ける為にこれには触れない。)つまり神様は、金を生み出すことはできないのだ。
では、この神様は、金が欲しいという願いを聞き届けるために何をするかというと、誰かを動かして、その誰かの持っている金を、願った人の所に移動させることをする。
もちろん、私は「神様」ではないので、これは想像でしかない。しかし、それほど的外れでは無いはずである。
問題の解決方法は神に委ねる
そう考えれば、「神様」にお願いをする時には、「神様」の範疇内にすることだ。つまり、金を直接願うのではなく、金をもたらす人の行動を願うことである。
あなたが経営者だったら、商品やサービスがお客に大人気になるように願えばいい。あるいは、もっと直接的にであれば、金の問題が解決するように願うのだ。
仮に借金の返済で困っているのであれば、返済がなくなるように願えばいい。これを、金が欲しいとやるから、方法が限定されてしまいうまくいかなくなる。
借金を返済しなくてよくなるには、現実にいくつかの方法が存在する。
金を拾うかもしれない。
宝くじが当たる場合もある。
商品が何故か爆発的に売れるかもしれない。
相続などで、金が入るかもしれない。
会社を倒産させて整理する方法もある。
海外に逃げて行方をくらます方法もある。
この他にも、善悪関係なく何百種類も解決する方法がある。それを自分の頭で限定して願うからかえってうまくいかないのだ。
神頼みを行うときには、目指す理想の状況だけを願って、方法は神に委ねることだ。そうすれば、神様のできる最善の方法であなたの願いを叶えてくれるはずである。
神頼みは最終手段と心得よ
しかし、この時に絶対に間違えてはいけないことがある。
ここで仮にあなたの会社が儲かるように、神様に願うとする。よくある「商売繁盛祈願」だ。
しかし、ここでよく考えてみることだ。
神頼みは、そんなに「確実」に効果があるだろうか?
商売を繁盛せさたければ、まず経営やマーケティングの勉強をし、広告を出し、自分でアイディアが出せなければコンサルタントを雇うなどするほうが、より確実に商売は繁盛するはずだ。
あなたがもし、電車に遅れそうになって座り込んで必死に神様に祈ってもどうにもならない。せめて走りながら祈ることだ。
いたって当たり前のことだが、この当たり前のことを間違う人が多い。とにかく神なり宗教なりにすがればなんとかなると思い込む。それは、おそらく楽なのだろう。
人はこうした人知を超えた力に頼れば、他に何も考えなくてよくなる。
「ただ祈っていればいい」
それは、非常に楽な生き方になるのだが、大抵は、怪しげな宗教団体の鴨に成り下がることになる。
私は、決して神の存在や、霊的な力を否定するものではないが、それを第一に考えるとたいてい間違う。
宮本武蔵が、「独行道」に次のように書いている。
「仏神は尊し、されど仏神をたのまず」
スピリチュアル的な力や、神仏の力を借りるということは、最後の最後、ほんとに他にやるべきことが全てなくなったその時に初めて頼るべきものである。