動かない選択が経営と人生を変える

武田信玄の旗指物の言葉に
「風林火山」がある
これは孫子からとった言葉だが
ここでも同じことが書かれている
人生には動くべき時と
動かないほうがいい時がある
動かないことと同じくらい
動くことで失敗するのだ
大事なのは状況を客観的に
観察し機を見ることである
動かない選択が流れを変える
バタバタ動いてる人を見ると、
「仕事できる人っぽいな」
と一瞬思ってしまう。
でもその中身をよく見ると、ただの“落ち着きのない人”だったりするから侮れない。
焦りながら動くのは、濡れた服のまま走るようなもの。
余計に冷えるし、目的地にも着かない。
武田信玄の軍旗「風林火山」の中に、「不動如山(ふどうじょざん)」という言葉がある。
動かざること山のごとし。
これは、じっと動かず、しっかり構えていることの大切さを説いている。
戦の話ではあるけれど、経営もある意味、日々が小さな戦。
ときには、あえて動かない選択がいちばんの“攻め”になることもある。
50代以降の起業や経営では、経験と落ち着きが最大の武器。
何でもかんでも即レス即行動の時代に、
「あえて動かない」
という態度が、逆に存在感になる。
つまり、すぐに釣られない、焦らない、反応しない。
この三拍子が揃うと、タイミングを見極める感覚が自然と育ってくる。
問題が起きた時、真っ先に動くのはたいてい一番困って焦ってる人だ。
そんなときは、慌てて仲間入りせずに、静かに様子を見ていればいい。
下手に手を出して泥まみれになるより、きれいな手で最後に一手打った方が得だ。
山のように構えて、風のように動く。
どちらも使い分けが肝心だ。
何かしなきゃ、とムズムズしてきたら、まずは一呼吸おくくらいがちょうどいい。
すぐに動かないことが、じつは最善のスタートになることもある。
早く手を出した人ほど、あとで
「あれ? まだ混ぜちゃダメだったの?」
と首をかしげる羽目になる。
その点、焦らず静かに構えている人は、チャンスの火がパチッと灯る瞬間を見逃さない。
動かないのに空気が変わる。そんな存在感があると、商売はなんだかうまくいく。山は、今日も静かに、しかし確実に、時を待っているのだ。
【運を開く言葉】
書:瑞雪 文:游雲
内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトの「運の研究-洩天機-」は、運をテーマにしている。他にも、この世界の法則や社会の仕組みを理解しスモールビジネスの経営を考える「気の経営」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。
瑞雪(ずいせつ)
書家。新潟県村上市に生まれる。幼い頃より書に親しみ、18歳で書家を志し、大東文化大学文学部中国文学科で青山杉雨氏に師事。卒業後 ㈱ブリヂストンに就職するも6年後に退職し、独自の創作活動を開始する。人生の法則を力強く書いたその書は、多くの人に生きる力と幸運をもたらすと評判である。雅号の瑞雪は、吉兆をもたらす雪を意味している。