使命と天命

「自分は何のために生きているのか」その問いが人生を深めていく。与えられた役割に気づき、自分の道を歩むためには、静かに内側の声を聞く時間が必要となる。天命に沿って生きるヒントとなる言葉。

好きなことと得意なことの違い|仕事にするならどっちか

自分の得意なことをしたほうが成功に近づく|筆文字書作品
好きなことと得意なことの違いが分からないまま進むと、努力しているのに手応えだけが遠くなる。仕事選びで迷うときほど、気分の高まりだけで決めず、自分が自然に力を出せることへ目を向けたほうが、道は思いのほか素直に開いていく。(内田 游雲)

ひとの道にはかならず壁が立つ
まっすぐ歩くほど風は冷たい

けれど心がよろこぶ仕事なら
足は案外おとなしく前へ出るし
苦労さえどこか灯りを帯びる

好きは人を長く支える火である
得意は人を深く届かせる力だ

成功とは背伸びした姿ではない
自分の才を自分で使うことである

いまの仕事はそれに沿っているか

成功とは、無理に自分を作り変えた先にあるものではない。もともと自分の中にある得意なことを使い、それを人の役に立つ形にしていく先に育っていくものである。

苦手なことでも努力はできるが、長く続けるほど消耗が増えやすい。反対に、得意なことは工夫が生まれやすく、続けるほど精度も深さも増していく。

だから結果が出るまでの時間にも耐えやすい。好きなことが心を動かす火だとすれば、得意なことは現実を前へ押す力である。

大切なのは、憧れで仕事を選ぶことではない。自分が自然に力を出せる場所を見つけ、そこで価値を届けることである。

成功は得意を軸にした経営から

好きなことと得意なことの違いが曖昧なまま仕事を選ぶと、最初は勢いで進めても、途中から言葉が細くなる。発信に迷いが出て、商品説明にも自信が乗らず、提案のたびに少しずつ疲れる。

経営では、この小さなずれがあとで大きく響く。忙しいのに手応えが薄い、頑張っているのに紹介が増えない、やることばかり増えて判断が散る。そういう状態は、能力不足よりも、立つ場所が合っていない時に起きやすい。

得意なことは、無理に背伸びしなくても人の役に立てる働きである。好きなことは気分を動かすが、得意なことは結果につながりやすい。

この違いを見ないまま、好きだけで仕事を組み立てると、楽しいはずの分野でも消耗が増える。反対に、得意を土台にすると、説明は短くても伝わり、作業の精度も上がり、相手からの反応も安定する。

すると売上だけでなく、仕事の呼吸そのものが変わる。

経営者が見るべきなのは、外の評価の派手さではない。自分が自然に続けられて、お客にちゃんと届き、対価として返ってくるかどうかである。

氣の経営では、時代の流れを読むことも大事だが、その前に、自分の持ち味に逆らわないことを重く見る。向いていない売り方を真似すると、声の温度まで変わる。会うたびに元気が減る仕事は、どこかで配分を誤っている。

だから仕事選びでは、何が好きかだけで決めないほうがいい。人からよく頼まれること、早くできること、苦にならず続いたこと、工夫するとますます面白くなること。そこに自分の芯がある。

経営は気合いの勝負に見えて、実際は置く場所の勝負である。場所が合うと、努力は根性論ではなく日課になる。すると続けられる力が育ち、商品も発信も少しずつ厚みを持つ。

もし今、頑張っているのに前へ出る感じが薄いなら、足りないものを増やす前に、小さな違和感を見直すことだ。自分は何をすると人の役に立てるのか。どの仕事なら、無理なく続き、ちゃんと喜ばれるのか。

成功は遠くの特別席にあるのではない。自分の得意を仕事の真ん中に戻した時から、現実の動き方が変わり始める。



【卦象ミニコラム】
力をためる場所を違えない
卦象:山天大畜(さんてんたいちく)|伸ばすものを選ぶ
変化|広げず土台を育てる

いまは、前へ出るより、自分の中にある力の置き場を見直す局面である。こういう時ほど、人は不安から手を広げ、向いていないことまで抱え込みやすい。山天大畜の含みは、ためこめということではなく、育てるものを選べということにある。何でもできる人になろうとすると、せっかくの得意なことまで薄くなる。足りないものを足す前に、すでに持っている力がいちばん生きる場所を見極める。今日は増やすより、伸びるものを残す向きで見るとよい。

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【得意な仕事を一つ残す】
いま抱えている仕事や発信テーマを三つ書き出し、その中で「人より早くできる」「説明が苦にならない」「頼まれやすい」がそろうものに丸を付け、今週はそれ以外を一つ減らす。

人は、何でもできるようになった時に伸びるのではない。自分の得意を見つけ、それを人の役に立つ形で使い始めた時に、仕事も人生も静かに前へ進み出す。

【運を開く言葉】
書:瑞雪 文:游雲

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profile:
内田游雲(うちだ ゆううん)

ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトの「運の研究-経営とお金が巡る仕組みの研究所-」は、氣の経営と運をテーマにしている。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。

profile:
瑞雪(ずいせつ)

書家。新潟県村上市に生まれる。幼い頃より書に親しみ、18歳で書家を志し、大東文化大学文学部中国文学科で青山杉雨氏に師事。卒業後 ㈱ブリヂストンに就職するも6年後に退職し、独自の創作活動を開始する。人生の法則を力強く書いたその書は、多くの人に生きる力と幸運をもたらすと評判である。雅号の瑞雪は、吉兆をもたらす雪を意味している。

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