運の法則

運には「流れ」と「法則」がある。 見えないチカラのようでいて、実はかなりロジカルだ。引き寄せ、波動、因果の連鎖…すべての現象には意味としくみがある。偶然に見える必然を知りたい人に向けて、運の成り立ちと仕組みを読み解いていく。

信じてきた当たり前を手放すと運の流れが変わる

常識や社会通念は思い込みにすぎない

私たちが「当たり前」だと思っている常識や社会通念は、実は思い込みにすぎないことが多い。それに気づかないまま生きていると、判断はゆがみ、行動は狭まり、運も流れも停滞してしまう。思考のクセは潜在意識に影響し、現実さえも変えてしまう力を持っている。だからこそ、50代を過ぎた今、自分が信じてきた“前提”を一つひとつ見直してみることが大切だ。ほんの少し視点を変えるだけで、人生はふたたび自由に動き出し、運も自然と味方しはじめる。(内田游雲)

profile:
内田游雲(うちだ ゆううん)

ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトの「運の研究-洩天機-」は、運をテーマにしている。他にも、この世界の法則や社会の仕組みを理解しスモールビジネスの経営を考える「気の経営」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。
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常識に縛られた生き方では、本当に望む未来も運も手に入らない。

信じてきた常識が人生を止める

『「それが当たり前」と思った瞬間、未来の扉は音もなく閉じていく』

たとえば「起業は若い人のもの」と思い込んでいたら、50代を過ぎたあなたの挑戦は最初から否定されてしまう。「もう遅い」と決めつけてしまえば、その先の選択肢は見えなくなる。けれどそれは事実ではない。思い込みであり、ただの“常識”でしかない。そもそもその常識、誰が決めたのだろう。

多くの人は、社会の“空気”に合わせて生きている。みんながそうしているから、自分もそうすべきだと。でも、みんなが正しいとは限らない。地球が平らだと信じられていた時代があったように、「当たり前」にはいつだって“間違い”が混じっている。

しかも、困ったことにこの“空気”は強烈だ。反対のことを言おうものなら、変わり者扱いされたり、冷ややかな目で見られたりもする。だけど、本当に大切なことは、その空気の中に埋もれて見えなくなっていることが多いのだ。運もまた、その“外側”にある。

たとえば、ライト兄弟が「人間が空を飛べるはずがない」という空気に従っていたら、いま私たちは空の旅など夢のままだっただろう。誰かが常識を疑ったから、新しい現実が生まれたのだ。つまり、あなたの未来も、誰かの常識をそのまま信じ込まなければ、もっと自由で、もっと豊かなものになるかもしれないということ。

「自分にはできない」と思うとき、それは本当に事実だろうか。過去に失敗したからといって、これからも失敗するとは限らない。「年齢的に無理」と決めているのは、他人ではなくあなた自身だ。挑戦をやめたのは、事実ではなく“常識”に説得されただけなのかもしれない。

運というのは、そうした思い込みの外側で、あなたが一歩を踏み出すのを待っている。誰かが決めた“正解”ではなく、あなたが信じる“可能性”を選ぶとき、運は自然と流れを変える。だからまずは、その「当たり前って本当?」という問いから、すべてが始まるのだ。

思い込みと真実はまるで別物

『信じていたものが崩れるとき、運命はようやく動き出す』

思い込みと真実の違いに気づくことが、人生の選択を変える分岐点になる。

私たちは何かを判断するとき、つい「正しいかどうか」ではなく「信じてきたかどうか」で決めてしまう。たとえば「自分は人前で話すのが苦手」とか「ビジネスは苦労しないと儲からない」とか。こうした思い込みは、知らず知らずのうちに私たちの選択肢を減らし、運の通り道まで狭くしてしまう。

その“思い込み”がどこから来たのかをたどると、多くは過去の失敗体験や、誰かの言葉、あるいは世間の空気だったりする。でも、それが「真実」かというと、まったく別の話だ。真実とは、本来、自分の中から探し出すもの。思い込みとは、他人の目や経験がつくった仮の現実にすぎない。

運は思い込みと真実の違いに気づくと動き出す

思い込みが厄介なのは、それが「当たり前の感覚」として日常に溶け込んでいることだ。疑うことすら思いつかないほど自然になっている。たとえば「仕事は週5日、朝から夕方までが常識」と思っていれば、それ以外の働き方は見えなくなる。でも今は、週3で起業している人も、午前中だけで稼ぐ人も珍しくない。視点を変えるだけで、まるで別の世界が見えてくる。

そして運というのは、この“思い込みと真実の違い”に気づいたときに動き出すものだ。自分には無理だと思っていたことが、実は向いていたり、成功の種になったりすることはよくある話。むしろ「それだけは無理」と思っていたものほど、突破口になることすらある。

だからこそ、まず疑うべきは「これまでの自分の信じ方」だ。信じてきたものを否定するのは怖い。自分を否定されるような気がするから。でも大丈夫。それは否定ではなく、アップデートだ。スマホと同じで、古いバージョンの思考では最新の現実に対応できないだけ。あなたが抱えてきた思い込みは、これまでを支えてくれた“仮説”だったのだ。

真実は、あなたが目を向けた瞬間に現れる。そして、そこに気づいたとき、運もまた、あなたの味方をしはじめる。

社会通念が判断力をゆがめる理由

『多くの人が正しいと思っていることほど、真実からは遠ざかっている』

社会通念を疑う視点がなければ、自分の判断は他人任せのままになる。

「みんなそうしているから正しいに違いない」。そう思ってしまうのは人の自然な心理だが、これこそが判断ミスのもとになる。社会通念とは、いわば“空気のような前提”であり、意識しないうちに私たちの思考に忍び込んでくる。だから厄介なのだ。

たとえば「家は持ち家が一番」とか「子どもは大学に行かせるべき」とか、「社長は年中無休で働くもの」とか。こうした“正論らしきもの”は、大勢の人が口にすることで、だんだんと事実のように扱われてしまう。だが、その“正しさ”が本当に自分の人生に合っているかは、また別の話だ。

ガリレオが「地球は太陽のまわりを回っている」と言ったとき、彼は社会通念の逆を突いた。そのせいで裁判にかけられ、軟禁されることになったが、結果的に歴史は彼の言葉のほうが正しかったことを証明している。つまり、社会通念は“真実”の保証にはならないということだ。

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ビジネスでも同じで、「こうすべき」が思考を固定し、「そうでないもの」を排除しがちになる。たとえば、SNSでバズらないと売れないとか、安くしないと客が来ないとか。それはあくまで“よくあるやり方”にすぎず、必ずしも“自分の正解”ではない。むしろそれに縛られて、かえって可能性を狭めている人のほうが多い。

判断力というのは、情報量の多さではなく、「自分で考える力」によって養われる。そのためにはまず、思考の前提を疑うこと。社会通念を“絶対の正解”だと思い込んでいると、たとえ直感が「違う」と叫んでいても、それを無視してしまう。そして結果的に「なんだかうまくいかない」に行き着いてしまう。

運のいい人というのは、他人の価値観に流されない人だ。「それって本当?」と立ち止まり、自分にとっての真実を見つけにいく。その姿勢こそが、チャンスを引き寄せる。なぜなら、運は“自分の判断で動いた人”のところに流れ込むようになっているからだ。

潜在意識を書き換える習慣とは

『あなたの現実は、あなたの“無意識の前提”がつくっている』

潜在意識と現実の関係に向き合えば、思考のクセが運を変え始める。

人は意識していることよりも、無意識で信じていることのほうに強く影響される。表では「うまくいきたい」と思っていても、心の奥では「どうせ自分には無理だ」と決めつけていたら、そちらのほうが現実に反映されてしまうのが人間のしくみだ。

潜在意識というのは、思考の“初期設定”のようなもの。しかもやっかいなのは、それが自動で動いているということ。スマホのアプリなら削除すれば終わりだが、思考のクセは習慣となって根強く残っている。「どうせ…」「やっぱり無理か」「自分なんて」といった言葉を何度も繰り返すうちに、それが現実のシナリオになっていく。

自分にかける一言を少しだけ前向きに変える

では、どうすれば書き換えられるのか。ポイントは「日常の使う言葉を変えること」だ。声に出して言うことは、無意識への命令になる。「できない」を「やってみよう」に、「無理そう」を「工夫しよう」に。最初は白々しくても、毎日繰り返すことで、少しずつ内側の設定が変わっていく。これはスピリチュアルでも魔法でもなく、単なる“脳の反応”の話である。

また、使う情報にも注意が必要だ。悲観的なニュースや「うまくいかない理由」を集めてばかりいると、無意識はそれが“前提”だと認識してしまう。逆に、チャレンジする人や、変化を楽しんでいる人の言葉に触れていると、自分の潜在意識もそれに共鳴しやすくなる。つまり、誰と過ごし、何を見て、何を口にしているかが、あなたの運を左右するのだ。

人生を変えたければ、まずは「自分の中にいる、口うるさい思い込み担当者」を静かに辞職させること。毎朝、自分にかける一言を少しだけ前向きに変える。それだけで、現実がじわりと書き換わっていくのを感じる日がやってくる。運もまた、そうした“習慣のチューニング”をちゃんと見ているのだ。

常識を超えて運と未来をひらく

『今信じている世界を変えたとき、あなたの運は劇的に動き出す』

常識に縛られない思考習慣が、50代からの人生とビジネスを豊かにする鍵となる。

「それが普通だから」と言われることほど、疑ってみる価値がある。なぜなら“普通”というのは、いつの間にか刷り込まれた前提にすぎないからだ。しかも、時代が変わればその“普通”も変わってしまう。ならば最初から、そこに縛られる必要なんてなかったのかもしれない。

あなたの今の現実は、これまで信じてきた世界がつくったもの。だからこそ、運を動かしたいなら、まずは“信じている前提”をひとつずつ見直していくことが必要だ。「こうあるべき」や「こうじゃないとダメ」という思考のフレームは、意外と過去からのおさがりだったりする。そして、それを脱ぎ捨てたときにようやく、本来の自分の感性や選択が顔を出しはじめる。

常識にとらわれない人は、周囲からはちょっと変わって見えるかもしれない。でも、運というのは、そういう“少し変な人”が好きなのだ。空気を読みすぎず、自分のリズムで動く人には、流れそのものが味方してくれる。真面目で律儀で常識的なだけでは、運はなかなか転がってこない。たまには常識を軽く裏切るくらいの“遊び”が必要になる。

とはいえ、なにも反骨精神を持てという話ではない。むしろ、もっと柔らかくて優しい視点で、「ほんとうにこれ、私に合ってる?」と問いかけてみるだけでいい。仕事も人生も、誰かのテンプレートをなぞる必要はないのだ。自分のリズムで、自分の感覚を信じて進むことが、なによりも運を引き寄せる方法になる。

そして大事なのは、それが今からでもできるということ。年齢や経験や周囲の評価なんてものは、あなたの内側で「今、なにを信じて生きるか」には関係がない。むしろ50代を過ぎた今こそ、それまでの常識を見直すチャンスだ。なぜなら、長く信じてきたものほど、変える力を持っているからだ。

未来を変えるために必要なのは、なにか特別な資格でも運でもない。ただ、信じていた“当たり前”をひとつ、そっと手放してみる勇気。その小さな選択が、未来と運の扉を開くカギになる。

私たちの人生を止めているのは、大きな失敗や不運ではなく、いつの間にか正しいと信じ込んだ“常識”かもしれない。その思い込みをひとつ疑い、手放したとき、世界はゆっくりと別の顔を見せはじめる。運もまた、あなたが信じてきた当たり前の外側で、静かにこちらを見ている。必要なのは、大きな勇気ではなく、小さな視点の転換だけでいい。

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