人間は年齢を重ねるほどに利口になっていく
歳を重ねるというのは、利口になることなのだと最近特に実感する。この世界を動かしているのは、人間の考える思惑や感情なのだが、これが、大きな流れになって世の中を動かしている。こうしたものの端っこが、なんとなく感じ取れるようになったのである。この後、世の中がどう変わっていくか、あるいは、どのような事が起こってくるかが、なんとなく予測がつくようになってくるのだ。(内田游雲)
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内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングや人生のコーチングを専門に行い、30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトの「運の研究-洩天機-」は、運をテーマにしている。他にも、この世界の法則や社会の仕組みを理解し経営を考える「気の経営」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)
年齢を重ねると世界が解る
私は、60という年齢を過ぎて、なんとなく解ってきたことがある。それは、昔より、物事の真実が見えるようになってきたことと、そして、体が少しずつ動かしにくくなってきたことだ。
20代30代は自分は、よく物事が理解できていると思っていた。40代50代は、自分たちが全ての世代の中心にいると思っていた。
しかし、60を過ぎてみると、実は、まったく世の中がわかっていなかったことに気づく。
2015年に亡くなられた漫画家の水木しげるさんが、
「70を過ぎたら毎日自分が利口になっているのが解る」
ということを、以前、あるインタビューで語っていた。
いま、その意味がなんとなく解る。人間は、年齢を重ねるに従って利口になっていくのだ。
法則や未来が見えてくる
最近、世の中の流れがなんとなく目に見えるようになってきた。
この世界を動かしているのは、人間の考える思惑や感情なのだが、これが、大きな流れになって世の中を動かしている。こうしたものの端っこが、なんとなく感じ取れるようになったのである。
そうすると、この後、世の中がどう変わっていくか、あるいは、どのような事が起こってくるかが、なんとなく予測がつくようになってくる。もちろん、それぞれの人の未来もかなりの確率で見えてくるのだ。
こうしたことは、頭ではなく直感で感じるのである。
「経験に裏づけされた直感」
というものだろうか。
これは、私よりもっと上の世代の方は、おそらくもっと明確に見えている気がする。
こうした、世界の流れや法則をもとに、経営を考える『気の経営』というサイトを立ち上げたのも、このことに気づいたのがきっかけである。
仕事をすることで見えるもの
ただ、これも、自分で仕事を続けている人に限られるのではないかと思う。仕事をせずに、毎日ブラブラしていたのでは、頭脳も老いていってしまう。
しかし、水木しげるさんのように、自分が中心になって仕事をしている人の場合には、ものすごく頭脳がさえてくるのだろう。
歳を重ねるというのは、利口になることなのだと最近特に実感する。
「天があと10年の間、命長らえることを私に許されたなら、天があと5年の間、命保つことを私に許されたなら、必ずやまさに本物といえる画工になり得たであろう」
これは、葛飾北斎の最後の言葉とされている。
最後まで、絵の道を追求した北斎ならではの言葉だ。
願わくは、最後にこんな言葉を残せるような生き方をしたいものである。