
時間資本主義のススメ
時間資本主義の考え方は、私たちが誰も均等に持っている時間を、いかに効果的に使っていくかによって、その人の人生が決まるということだ。あなたの持っている時間は有限である。自分の時間を大切にしようとすると、人間関係を見直す必要が出てくる。あなたの時間は有限であって増やすことは決してできない。つまり金よりも、もっと貴重なのが時間のはずなのだ。その貴重な時間を奪う相手は、あなたの寿命を奪っていくということだ。(内田游雲)
profile:内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。中小企業や個人事業等の小さな会社のコンサルティングを中心に行う。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的コンサルティングには定評がある。本サイトの「運の研究-洩天機-」は運をテーマにしている。他にも、この世界の法則や社会の仕組みを理解し経営を考える「気の経営」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)
時間資本主義とは何か
○○主義というのは、わかりやすく言えば ○○が一番ということである。
資本主義なら資本(つまりお金)が一番
社会主義なら平等(社会の均等化)が一番
自由主義なら自由が一番
民主主義なら国民(主権が国民全員にあること)が一番
こうなる。
それでは、時間資本主義とは何だろうか?
資本というのは、事業活動などの元手のことだから、時間資本主義とは、時間を元手として捉えるという意味になる。つまり、私たちが持っている時間は、事業活動や個人の人生活動における資本の役割と同じだということだ。
時間資本主義の考え方は、私たちが誰も均等に持っている時間を、いかに効果的に使っていくかによって、その人の人生が決まるということである。
そもそも、時間には、3種類がある。それが、過去・現在・未来だ。
ここで、注意することがある。
厳密な意味では、未来や過去は存在しないということだ。現実世界には、過去も未来も存在していない。存在しているのは現在だけだ。過去は、存在した記憶である。未来は、存在するであろうという予測だ。これを存在すると感じるのは幻想である。
だから、時間資本主義ということは、未来や過去を考えることではなく、現在に集中することなのだ。

あなたの人生はあと何日あるか
あなたの持っている時間は有限である。
では、あと、何日あるだろうか?
正確な未来を予言することは誰にもできないが、とりあえず何も特別なことがなかった場合の残り時間は簡単に計算できる。
平均寿命から自分の年齢を引いて それに365日×24時間で残り時間が大体見えてくる。もちろん、これはあくまで概算であって、より正確に見るためには生命保険などの計算に使う平均余命を使えばいい。
ちなみに私の残り時間は、たぶん7,600日位・・・・。
つまり182,500時間となる。あなたも是非一度計算してみて欲しい。
ああ、もう、それだけしかない・・・
などと、ここで焦ってはいけない。
さて、残り時間が見えてくると、
「その時間をどう使えばいいのか?」
という問題が見えてくる。
私たちは時間を捨て続けている
実際に、自分の生活をよく考えてみると、毎日の時間の約50%はドブに捨てられている。
たとえば、
「移動時間にどれだけ取られているのか」
「書類の作成などにどれだけの時間がとられてるか?」
「友人や知り合いとの雑談にどれだけ取られているか?」
「面白くもないTVや映画、SNSや動画を見たり、
ネットサーフィンにどれだけ取られているだろうか?」
調べてみると、こうした無駄なことに、多くの時間が浪費されている。これは、私だけではない。あなたの、残り少ない時間も、こういった無駄な行動で消費されているはずだ。
振り返ってみれば、過去10年間にどれだけの時間量が捨てられてきただろうか?
そして、これからの10年間も どれだけ捨てることになるだろうか?
一度考えてみることだ。
仮に50%ということは5年、つまり、43,800時間を捨てていることになる。まずは、ここを自覚することが時間資本主義の入口となる。もちろん、すべての無駄な時間を無くすことは、できるはずもないが、意識するだけでかなり変えることができるだろう。

周囲の時間泥棒に注意しよう
自分の時間を大切にしようとすると、人間関係を見直す必要が出てくる。例えば、意味のない雑談を避けるようにすると友人が離れていくかもしれない。しかし、それでいいのだ。
資本主義においては、金を他人から盗む人が多くいる。泥棒・強盗・詐欺師といった面々だ。こうした人たちは、警察に捕まり罰せられる。一方、時間資本主義においては、時間を泥棒しても罰せられることはない。誰もそれを悪いことだと思っていないからだ。
しかし、とても重大なことだが、あなたの時間は有限であって増やすことは決してできない。つまり、資本主義における金よりも、もっと貴重なのが時間のはずなのだ。その貴重な時間を奪う相手は、あなたの寿命を奪っていくということだ。
あなたは、金を盗む相手と友人でいられるだろうか?
私には、絶対に無理だ。
そもそも、時間は金と違って、新しく手に入れることも増やすこともできない。金よりも貴重なものだ。それを、奪う相手と付き合うことなどできないし、その必要は全くない。時間を盗まれるくらいなら、孤独になったほうがよほどいい。
時間にルーズな相手も同様である。時間に遅れるということは、相手の時間を無駄にすることだ。これも時間泥棒である。本人に、そのつもりはなくても、他人の命を削っているということだ。だから私は、時間にルーズな人は絶対に信用しない。
時間の使い方で人生が決まる
時間資本主義においては、この一瞬一瞬をどのように過ごしていくかにかかっている。
人間の頭は、いくつかのことを同時に処理できそうな幻想を抱かせる。しかし、頭ではそうであっても現実には、できることは一つしかない。だから、今、何を選ぶかが重要になる。
この時に、今やることが将来に向けてどのように影響があるかを考えて、何をするかを判断することだ。
それが、あなたにとってプラスとなるのか?
それともマイナスとなるのか?
それを考えた上で、今何をするかを決めていくことだ。
こうした一瞬一瞬の積み重ねが、あなたの未来を劇的に変えることになる。時間資本主義において、あなたが成功できるかどうかは、この一瞬一瞬の選択にかかっているのだ。