
質量転換の本質
質量転換という言葉があります。
「量の積み重ねがあってこそ、ある時に、質的な変化を引きおこす」
そういう意味になります。
いわゆる“数稽古”というものですね。
では、ただ闇雲に数やればいいかというと、そういうものではありません。
「量が質に転換される」ことは確かですが、何も考えずに、「数打ちゃ当たる」でやっつけでやるのでは、意味がないのです。
最初から「量」だけを求めるのではなく、「質」を求めて数やることが必要です。
失敗するつもりはさらさらない。
でも、やってみた結果失敗してしまし、またゼロからやり直してみる
この姿勢が重要なのです。
「質」を求めて没頭し「量」をこなす
トライ&エラーすることで、初めてはつまずくかもしれませんが、工夫を凝らすうちに、結果的に「質」を成し遂げ、おのずと「量」もできていた。
これが、理想的な形なのです。
バルザック、トルストイ、星新一、ピカソ、モーツァルト、ベートーヴェンなど、膨大な数の作品を遺した偉大な作家や芸術家、そして、音楽家達は、最初から「駄作」を作ろうと思ってはいなかったのです。
「前作よりもっと良いものを」
「もっと素晴らしい作品を」
そう、「質」を求めて制作に没頭するうちに、いつのまにか「量」もこなしていたというのが、おおよその経緯ではないでしょうか。
人生でも、やはり「質」が大事です。
ただ、闇雲に同じことを数やったとしても、そこに進歩はありあせん。
一つ一つの行動に新しい工夫を凝らして初めて、進歩が生まれてくるのです。
「量」だけ求めてもダメ、「質」だけ求めてもダメ、「質」「量」の両方を求めてこその質量転換なのです。