失敗が怖くて動けない50代が起業に踏み出すための思考習慣

50代からの起業や挑戦に立ちはだかる最大の壁は、「失敗が怖い」という思い込み。でも本当は、失敗なんて存在しない。行動すれば必ず何かが得られ、それは次の一歩の材料になる。エジソンのように、上手くいかない方法を使い切れば、成功は自然と近づく。小さな一歩が運を動かし、動き続ける人にはチャンスが巡ってくる。怖さがあるからこそ意味がある。大丈夫、完璧じゃなくていい。動いた人にだけ、運はそっと味方してくれる。(内田游雲)
内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトの「運の研究-洩天機-」は、運をテーマにしている。他にも、この世界の法則や社会の仕組みを理解しスモールビジネスの経営を考える「気の経営」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。
「失敗が怖くて起業に踏み出せない」という悩みは、50代で独立を考える多くの人に共通している。
失敗が怖くて起業できない理由
『その“怖さ”は、あなたがまだ動いていない証拠』
何か新しいことを始めようとするとき、誰だって不安になる。特に50代という人生の折り返し地点を過ぎたあたりから、「もし失敗したら取り返しがつかない」と思いがちだ。でも冷静に考えてみよう。そもそも“失敗”って、本当にそんなに恐ろしいものなのだろうか。
実は、失敗そのものよりも、「失敗したらどうしよう」と考えることのほうが行動を止めてしまう。しかも厄介なことに、この不安は根拠があるようで、実はほとんどが思い込みだ。たとえば「年齢的にもう遅いかも」とか「資金が足りない」といった不安も、そのほとんどは“やってみる前の想像”でしかない。
失敗を恐れて行動しないことは、安全策のように見えて、実は“何も始まらない”という最大のリスクを背負っている。怖いからこそ慎重になるのは分かるけれど、動かなければ状況は1ミリも変わらない。むしろ、動かないまま悶々としている時間のほうが心にはこたえる。
多くの人は「やらなかったことでの後悔」は心の奥にずっと残るのに、「やってみたけどうまくいかなかった経験」は意外とあっさり消化できている。それは、行動することで何かしらの“成果”や“納得”が得られるからだ。例えそれが期待していたものとは違っても、である。
つまり、“失敗”とは「期待通りじゃなかった結果」のこと。決してゼロやマイナスではない。行動したという事実には、必ず何かしらの意味やデータが残る。そしてそのひとつひとつが、次の挑戦を支える“材料”になる。
起業という選択は、若い世代だけのものではない。むしろ人生経験を積んできた50代だからこそ、感性と直感、そして現実を見極める力が備わっている。怖さは消えなくてもいい。怖さを抱えながら一歩を踏み出す。その勇気こそが、運を動かす始まりなのだ。
失敗は存在しないという考え方
『「うまくいかない方法」は、あなたを運ぶ階段になる』
「失敗を恐れない方法」を知ることは、挑戦を続ける人にとって最大の武器になる。
「失敗って、何回まで許されるんでしょうか?」
起業を目指す人と話していると、たまにこんな質問をされることがある。でも、ちょっと待ってほしい。そもそも“失敗”って、そんなにカウントするようなものなのだろうか。
あの有名なエジソンは、電球を完成させるまでに一万回の実験をしたと言われている。その過程について、「私は失敗していない。電球を作れない方法を1万通り発見しただけだ」と語った。さらに、こうも言っている。「自分が成功したのは、上手くいかない方法を使い切ったからだ」と。
この感覚、ちょっと肩の力が抜けないだろうか。うまくいかなかったら終わり、ではなく、「まだその方法ではない」というだけ。つまり“失敗”とは、成功へ向かう道の途中で「このルートは違ったね」と確認するためのサインにすぎない。
多くの人は、行動して得られた“期待と違う結果”を「失敗」と呼ぶ。でもそれは、価値ある結果なのだ。何も行動しなければ、何もわからないし、何も手に入らない。行動したからこそ、「これは違うな」「こっちの方が合っていそうだ」と検討できる。
「失敗を恐れない方法」とは、行動の結果を“判断材料”として受け取るマインドを育てることに他ならない。期待通りでなかったとしても、それは失敗ではなく、“データ”だ。経験というのは、期待を裏切ってくるものだという前提で構えていれば、むしろそれが面白く感じられてくる。
50代からの挑戦には、これまでの成功体験やプライドが逆にブレーキになることがある。でも今こそ、肩書や結果に縛られず、“やってみて考える”というシンプルな姿勢がものをいう時代だ。大人の失敗は、恥じゃない。ただのひとつのステップなのだ。
“失敗”という言葉に騙されず、ただ「まだうまくいく方法にたどり着いてないだけ」と言い換えてみよう。そうすれば、きっと次の一歩が軽くなる。
50代が起業で失敗する本当の理由
『失敗しているのではなく、まだ始まっていないだけかもしれない』
「50代 起業 成功しない理由」は、能力や経験ではなく、“行動しないこと”にある。
「もう50代だし、今さら起業なんて無理かな・・・」
そうつぶやく人の多くは、実は「まだ何も始めていない」ことが多い。驚くかもしれないけれど、50代での起業が“うまくいかない理由”の大半は、行動不足にある。
失敗を恐れて動かない・・・。この心理が一番の壁になっている。経験も知識も人脈もあるのに、「何をどう始めたらいいか分からない」「間違ったら怖い」「笑われたら嫌だ」などの不安で、足が止まってしまうのだ。けれど実際には、始める前から失敗を恐れているだけで、“失敗している”わけではない。
それはまるで、旅行に出発もしていないのに「渋滞してたらどうしよう」「道に迷ったら困るな」と考えて荷物すら詰めないようなもの。そんな状態では、どこにもたどり着けないのは当然だ。
ここで思い出してほしいのが、旅客機の話だ。飛行機は、飛行時間の90%をコースから外れて飛んでいるという。けれど、ちょっとずつ修正を加えながら、最終的にはちゃんと目的地に到着する。つまり、多少のズレはあたりまえ。むしろズレながらでも、進んでいることの方が重要なのだ。
50代という年齢は、確かに若さという武器では勝てないかもしれない。でもその代わり、修正力、判断力、そして「何が大切か」を知っている。この年齢だからこそ、多少のズレにも動じず、冷静に軌道修正できる強みがある。
起業で成功しない人の多くは、“準備”の段階で止まってしまう。プランを練りすぎて行動できず、気がつけばタイミングを逃しているのだ。だからこそ大切なのは、完璧な準備よりも、「まずやってみる」という行動の一歩。
成功は、行動の中にしか転がっていない。50代からの挑戦は、遅いどころか、一番おもしろいタイミングだ。
小さな一歩が運を動かす鍵になる
『動く人だけが、流れの変わる瞬間に出会える』
小さな一歩を踏み出す勇気が、運を動かし、人生の流れを静かに変えていく。
「何から始めたらいいか分からない」・・・。これは、50代から起業を考える人によくある悩み。でも実は、“何かを始める”って、そんなに大きなことじゃなくていい。小さくて、ささやかで、自分にしか分からないくらい地味な一歩でいいのだ。
たとえば、「今あるサービスのチラシを作ってみる」とか、「名刺を作って友人に渡してみる」とか。それだけでもう、流れは確実に動き出す。なぜなら、運というのは“動いている人”を見つけて近づいてくるからだ。
動き出せない理由の多くは、「完璧じゃないといけない」という思い込みにある。すべての準備が整わないと動けない…そんなふうに考える人は、結局ずっと“準備中”のまま終わってしまう。でも、実際に結果を出している人は、未完成でも動いている。走りながら整える。試しながら育てる。これが今の時代の当たり前だ。
小さな一歩には、大きなチカラがある。というより、すべての成功は小さな一歩から始まる。大きなビジネスも、人気のあるブランドも、最初は「やってみた」が出発点だった。誰もいきなりスゴイことなんてできないのだ。
そしてこの“小さな一歩”は、あなたの中に眠っていた運を目覚めさせるトリガーにもなる。なぜなら運は、「動いた先にしか現れない」から。動かなければ、偶然の出会いも、新しいチャンスも、あなたに気づけない。
だから、今日できることを、ほんのちょっとでいいからやってみる。それがどんなにささいなことであっても、「自分が動いた」という事実は、確かに未来の流れを変えていく。
運は、立ち止まった人よりも、ちょっとでも前に進んだ人に微笑む。だからこそ、まずはその一歩から。誰にも見えない小さな一歩を、あなた自身が祝福してあげてほしい。
運が味方する人は動き続けている
『成功は、あきらめず動いた“その先”に静かに待っている』
行動が運を変えるという事実は、動き続けた人だけが体験できる現実である。
「運がいい人って、やっぱり特別な何かを持ってるんでしょうか?」
そんなふうに聞かれることがある。でも本当は、運がいい人にはひとつだけ共通点がある。それは、“動き続けている”ということだ。
もちろん、行動したってうまくいかない日もある。空回りしたり、誰にも響かなかったり、思ったほど反応がなかったり。でも、それでも動きつづける。その地道さとしぶとさこそが、運を味方につける最大の条件なのだ。
運とは、じつはとても現実的で、動いている人のところにしか近づいてこない。立ち止まって考え込んでいる人の前には、残念ながら何も起きない。どんなにいいアイデアを持っていても、動かなければ何も変わらない。運もまた、動きの中で育つ生き物のようなものなのだ。
しかも運というのは、一発逆転ではなく「日々の選択の積み重ね」でつくられていく。ちょっと行動した。ちょっと話しかけた。ちょっと投稿してみた。その「ちょっと」を重ねていった先に、「たまたま出会った」「偶然うまくいった」という“運のように見える結果”が生まれる。
見えないところで積み重ねてきた人にだけ、運は見えるかたちで返ってくる。だから、いまやっていることが地味でも、誰にも気づかれなくても、やめなければそれは運に変わる。
「行動が運を変える」というのは、気合いや根性の話ではない。ただ、日々動いていることそのものが“運を引き寄せる磁石”になっているということだ。逆に言えば、何もしなければ、運が寄ってくる磁力も生まれない。
だから、今日も自分にできる小さな一歩を動かしてみよう。それが、まだ見ぬ未来のあなたに向かって、静かに運を引き寄せはじめている。
人生に失敗は存在しない。あるのは、うまくいかなかった方法と、それを通じて得た経験だけ。何かを始めたいと願うその気持ちこそが、すでに運を動かし始めている。怖さが消えなくてもいい。大切なのは、怖さを抱えたまま一歩踏み出す勇気だ。動いた人にだけ、運はそっと味方してくれる。