世の中の見方を変えればイライラは無くなる

profile：内田游雲（うちだ ゆううん）
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。中小企業や個人事業等の小さな会社のコンサルティングを中心に行う。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的コンサルティングには定評がある。本サイトの「運の研究－洩天機－」は運をテーマにしている。他にも、この世界の法則や社会の仕組みを理解し経営を考える「気の経営」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営（メルマガ編）】も発行中（無料）

私は時々、移動にＪＲを使うのだが、たいていホームには、多くの電車を待つ人がいる。その中に、何人かの人が、心配したり、イライラしていることに気が付く。

こういう人は、速足でホームを行ったり来たりして、時計を眺めては、今度は身を乗り出して、電車が来る方向を眺めたりする。まるで、そうすることで、電車が早く到着してくれるかのように、イライラしているのだ。

こういう人は、この「うろうろ」「見る」「乗り出す」という一連の動作を、何度も繰り返している。そうこうするうちに、おそらく、血圧は上昇し、増々イライラが募ることになる。もちろん、どれだけイライラしたところで、電車が早く来るわけでは絶対にない。

どれだけ、うろうろしたところで、時計を何度も見たところで、さらに懸命に身を乗り出したとしても、電車には、何の影響も与えることなどできない。ただ、本人のストレスが溜まる上に、身を乗り出す行為などは、リスクだけが高くなるだけだ。

この状況は、明らかに、コントロールできることを超えている。

この世の中には、人間にできることとできないことがある。特に、外的要因によって受ける影響は、絶対に変えようがない。

たとえば、台風が来て電車が止まってしまった。
あるいは、渋滞で道が混んでいて進まない。

こんな状況は誰でも経験するだろう。

しかし、この時にどれだけイライラしても、どれだけ怒ったとしても状況は変わることはない。それどころか、イライラする分だけ、事故などの確率が上がり、かえって、悪い状況を招きかねないのだ。

自分のコントロールを超えた状況にいらだっても何の解決にもならない。

こんなとき、私たち人間のなすべきことは、空っぽになることだ。
自分が空っぽになって、すべてを受け入れることだ。

世界は自分の都合では動かない。そうではなく、自分が世界の都合で動けばいいのだ。

世の中に、変えることのできない状況はとにかく沢山ある。しかし、ほとんどの人が、この変えることができないことを何とかして変えようとして、かえって状況を悪化させてしまっている。

自分ができると思うところに錯覚があり、その錯覚を断ち切らないから、錯覚は錯覚を呼んで苦しみが増大する。自分の無力を悟っていれば、人は、もっと幸せで心穏やかに生きれるのだ。ところが、変えることのできない状況にイライラし、心の平安を乱してしまう人が、世の中には、とにかく多い。

外部の状況は簡単には変えることはできない。

しかし、こうした外部の状況に対する自分の見方を変えることは誰でも簡単にできる。見方を変えれば、その状況が自分に与える影響を変えることができるのだ。

あなたは、自分がコントロールできない状況に悩んでいないだろうか。自分のコントロールを超えた状況にいら立つのは、もう止めることだ。

それは、何の意味もなさないどころか、むしろ害になるものだからだ。