コミュニケーションに関する記事一覧

多くを語るほど伝わらなくなるという言葉の不思議な仕組み

言葉は思うほど伝わらず、多く話すほど誤解や軽さを招くもの。言葉は自分のためでなく相手のためにあると捉え、伝わらない前提でやさしく丁寧に話すことが大切。古来の「黙養」の教えにあるように、言葉の量よりも心を届ける姿勢と間合い、思いやりこそが、信頼とコミュニケーションを深めていく鍵となる。

昔は、街に音楽が溢れていた。街を歩いていれば、流行りの曲が耳に飛び込んできたものだ。流行歌という言葉は、それでできていたのである。しかし今は、流行り歌が消えてしまった。それぞれが、自分の好きな曲、好きな歌をイヤホンで聞き、街を歩いている。

日本人であれば言葉が、相手に必ず伝わると思い込んでいる。日本語を誰もが当たり前のように使い、自由に操っているように思っているが、現実には、言葉で表現できることは完全ではない。だから相手に何かを伝えることは、難しいという前提を忘れてはいけない。

現代は、誰もがスマホを持って自分の音楽を始終聴きながら、他者とのコミュニケーションを拒否している。言葉というものは、基本になる部分を除いて、それぞれの分野の独特の表現が存在し、個人間の会話においては、それぞれの嗜好の分野の言葉が使われるものだ。