進む道を間違えていないか
誰であっても、今歩いている道の先にあるものしか手にできない。それ以外のものが欲しければ、その道から外れることが必要になる。道を外れることが必要だと判断したら、少しでも早く道を変えることだ。道を変える際には、いったん足を止めて、過去との間に一線を引く。今の道の先に望む未来があればそれでいいが、無いのであれば早く道を変えるべきである。(内田游雲)
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内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。小規模事業や個人事業等の小さな会社のコンサルティングを専門に行い、30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的コンサルティングには定評がある。本サイトの「運の研究-洩天機-」は、運をテーマにしている。他にも、この世界の法則や社会の仕組みを理解し経営を考える「気の経営」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)
道の先のものだけを得られる
金について、よく質問されるのは、どうすれば今の職を離れずに、もっと金を稼げるかということだ。
この質問の問題点は、今のままでという部分だ。
今いるところで、最も多くの収入を得ている人が、そこの最大値でしかない。
例えば、サラリーマンをしていて社長以外で一番大きな収入を得ている人の収入が、可能性のある一番大きな収入となる。
そこまでいけるかどうかは別としてあくまで可能性の話だ。
しかし、時々いるのだ。サラリーマンをやりながら、年収1億円などを望む人。
それは、無理というものだ。その道の先にそういう収入はない。
誰であっても、今歩いている道の先にあるものしか手にできない。
それ以外のものが欲しければ、その道から外れることが必要になる。
本気で金持ちになりたいなら、大々的な変化を起こすことが必要なのだ。
スキルの差も多少は影響するが、それは本質ではなく、金を稼げるかどうかの本質は、「何に取り組んでいるか?」 だ。
さらにいうと 「何に取り組まないように しているか?」である。
今の道に、あなたの望む未来があればそれでいいが、無いのであれば早く道を変えるべきである。
少しでも早く進む道を変える
会計の世界には「埋没費用」という概念がある。
過去の発生した回収不能の費用を指す言葉だ。
会社やプロジェクトが投下したまま取り戻せない資金や回収不能のもののことだ。
そして、キャリアにもこの埋没費用がある。
あなたは過去に、何週間も、何ヶ月も、時には何年もかけて特定の分野で経験を積んだことは無いだろうか?
しかし、その分野の先に、あなたの目指すものが無い場合には、これらはすべて「埋没費用」となってしまう。
同じ場所から動かずにいることは、今やっていることが、全て「埋没費用」になる可能性があるということだ。
だから、もし必要だと判断したら、少しでも早く道を変えることが重要になる。
その場合、遠く離れた見知らぬ土地に移るくらいのつもりで変化することだ。
「もし、今の知識を持ったまま過去に戻れるとしたら、今やっていることのうちいくつかはやらなかっただろうか?」
この質問を、人生のあらゆる側面、中でも仕事面に当てはめてみることだ。
もし、今の仕事をしていなかったら、どんな展開が待ち受けているかを知っていて、もう一度同じ地点に立とうとするだろうか?
もし、二度と繰り返したくないことがあるなら、この状況からどうやってどれくらい急いで抜け出せるだろうか?
これが大事になる。
決断し人生をがらりと変える
間違った決断は誰でもある。
これは誰もが同じだ。
むしろ人間は間違いだらけだといっていい。
問題は、どれだけ長い間その不本意な状況にとどまり続けるかだ。
それを決めるのは自分自身だ。
勇気を持って決断することで、人生をがらりと変えることができる。
そして、道を変える際には、いったん足を止めて、過去との間に一線を引くことだ。
今まで、積み重ねてきた知識とスキルを元に一から始めるのだと言い聞かせる。
自分の周りに広がるチャンスを見渡してから、じっくり時間をかけて、現在の知識とスキルと目標に見合った職業や業界を選ぶのだ。
自分の時間と人生を投資する以上、くれぐれも慎重を心がけることだ。
そうしないと、目的地に到達できない道を選んでしまったり、時間やキャリアを「埋没費用」にしてしまいかねない。
同じ間違いを何度もしないことが人生ではとても重要なのである。