金と幸福と時間は切り離せない関係にある

profile：内田游雲（うちだ ゆううん）
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。中小企業や個人事業等の小さな会社のコンサルティングを中心に行う。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的コンサルティングには定評がある。本サイトの「洩天機－運の研究」は運をテーマにしている。他にも、この世界の法則や社会の仕組みを理解し経営を考える「気の経営」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営（メルマガ編）】も発行中（無料）

あなたは幸せになりたいか？

なんか、どこかの宗教団体みたいだが、しかし、この幸福というのが厄介で、これは、人によってまったく違うので、なかなかひとくくりにできない。ただ、おそらく 「豊かになりたい！」 というのはほぼ全員が、頷ける価値観ではないだろうか。

金持ちになれる人、金運のいい人の特徴は、自分の仕事に見合った報酬をなんとかして得ようとするところだ。そのため、自分でビジネスを展開していることが多い。

しかし、金に縁のない人は、たいてい自分の時間を切り売りしている。ところが、残念なことに、この時間は無限ではないのだ。

時間を売ることで報酬を得ることは、すなわち金持ちになる可能性を否定することになる。人生のどこかで、このことに気づいて時間以外のものと金を引き換えることを学ばない限り、金とは無縁の生活になってしまうのである。

それでは、豊かになるための必要な条件とは何だろうか？

これも単純に考えれば 、「金」と「時間」に制約されない ということだ。「豊かさ」と「金」や「時間」は、イコールではないが、豊かになる条件として、ある程度自由になる金と自由になる時間は必要条件なのである。

さて、そう考えると、サラリーマンは、時間を売って金に変えているので、豊かになりにくい職業であるといえる。豊かになるための一番の近道は、やはり、起業することだ。

つまり、金と時間を切り離すことである。

アメリカの億万長者の調査によると億万長者の７～８割は起業家で、残りが医者や弁護士といったフリーエージェント型の仕事だ。それぞれが自分で価値を作り出し、その対価を受け取っている。

ここでも、よく判るのだが、金と時間を交換する職業は豊かになれないのだ。

そもそも、金を手に入れるのにはコストがかかる。金を稼ぐとは、何かの価値と金を交換するということだ。金そのものも、何かと引き換えにして手に入れなければならない。

その最も一般的なコストは時間である。多くの人が時間と引き換えに金を手に入れている。しかし、人間に与えられた時間というのは有限だから、手に入れられる金も限界がある。さらに、私たちが均等に持っている時間と金を交換するということは、どうしても、その価値が平均化して安くならざるを得ない。

たとえば、工場生産を海外で行なうことで賃金を下げると、日本が空洞化して仕事が減り賃金が下がる。つまり世界的に平均化したということです。誰もが等しく持っている時間だからそうなるのだ。

そこで、ある程度以上の金を得ようと思ったら、時間以外のもの、たとえば知識やスキル、あるいはリスクなどと引き換えに金を得る必要が出てくるのだ。

だから、豊かになりたいのであれば、まず金と時間を交換することをしないほうがいいのである。

しかし、時間しか交換できるものがない人は、その有限な時間と引き換えにしかできない。だから、世の中のほとんどの人は豊かになれないのだ。

人生のどこかで、このことに気づいて時間以外のものと金を引き換えることを学ばない限り、金とは無縁の生活になってしまう。

まずは、何と金を交換できるかを考えてみることだ。他になければ、知識なり技術なりをまず身につければいい。これらは、いくら金と引き換えにしても減っていかないからだ。

既に起業をしている人にも言えることで、ビジネス運営の中で時間と金を交換するような部分は、なるべく少なくしていくことが必要になる。

とにかく、金と時間との関係を少しでも早く切り離すことが、豊かになるための最大の秘訣なのだ。

しかし、日本においては、ほとんどの人が、サラリーマンになる道を選ぶ。それは、教育がそうさせている。多くの人が、子供の頃から真面目に学校に通って、いい成績を取って、いい会社に就職すること。安定した収入を確保し、遅刻せず真面目に働いていれば老後は安泰だ。

私たちは、こうしたことを両親をはじめ先生や、周囲の大人たちからよく耳にして育ってきた。できればこれが真実であって欲しいのだが、実はこのアドバイスはいまはもうお御伽噺になっている。自分自身の人生でも、知り合いの人生でも良いから、少し考えてみれば、それが真実かどうかはすぐわかるはずだ。

ここで、取り上げておきたいのは、こうした「安定した収入」の裏にある本当の意味である。もちろん、安定した収入はあるにこしたことはないが、自分の価値に見合った収入を手にする妨げになっている場合がとにかく多いのである。

安定した収入や時間給をありがたがるのは、基本的に金に縁がない人の場合だ。つまり金運のない人である。こうした人は、毎月毎月、同じ日に、同じ金額を受け取ることで「安心感」を手に入れようとしている。

しかし、ほとんどの人が気づいていないのが、その安心感はタダではないということだ。もしかしたら手に入るかもしれない、もっと大きな収入を犠牲にして手に入れたものなのかもしれない。

人が安心感を求める真理の背後には、恐怖がある。たとえば、出来高性では十分な収入を得られるかどうか不安なので、とりあえず不自由なく生活できるだけの金をもらえば良いという考え方だ。

金持ちになれる人、金運のいい人の特徴は、自分の仕事に見合った報酬をなんとかして得ようとするところにある。そのため、自分でビジネスを展開していることが多い。これは、決して高収入を保証するものではないが、報酬はリスクの大きさに応じて高くなるのが普通である。

金に縁のない人は、たいてい自分の時間を切り売りする。ところが、この時間は無限ではないのだ。時間で報酬を得ることは、すなわち金持ちになる可能性を否定することになる。金の流れが増えることを否定しているのだ。

だから、金運をよくしたかったら、その前提として時間の切り売りから離脱することをやらなくてはならない。

自分で会社を作るか、歩合給や利益の何％という形で報酬を受け取るか、その形はいろいろあるが、仕事の成果に応じて報酬を受け取れる、そんな環境を作る必要がある。

普通のサラリーマンのまま、金運がよくなるというのは、ほとんどありえないのが現実である。