富や金を否定せず理想の生活を手に入れる

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内田游雲（うちだゆううん）
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。小規模事業や個人事業等の小さな会社のコンサルティングを専門に行い、30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的コンサルティングには定評がある。本サイトの「運の研究－洩天機－」は、運をテーマにしている。他にも、この世界の法則や社会の仕組みを理解し経営を考える「気の経営」を運営している。座右の銘は、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営（メルマガ編）】も発行中（無料）

「あなたは今、理想の生活を送れているだろうか？」

この質問には、たいていの人がNoと答える。

なぜなら誰もが、現在の状況と理想の状況の間には、常にギャップがあるものだからだ。
そして、今よりさらに成長したいと願うのは、人としてとても自然な願望である。

もっと多くの愛、もっと健康な体、愛する家族たちとのさらに豊かな関係、もっとやりがいのある仕事、さらなる創造性、そして、さらにもっと多くの金、こういったものを欲しがらない人は、誰もいないのである。

これを否定することからは、何も生まれてこない。
多くの物を欲しがるのは間違いであり、それを強欲であると考える必要はまったくない。

今流行のミニマリストというのは、多くの持たない自由を欲する人たちだ。

それは、物を欲しがることを否定するのではない。
物を持つことで、かえって生まれるストレスや問題よりも、持たないという身軽さ、自由さを、たくさん欲する人たちである。
これすらも、じつは、さらなる上を目指す一つの形なのだ。

たくさん持ちたい人は、たくさん持てばいい。大金持ちになりたい人は、大金持ちになればいいのだ。
小金持ちでいいという人は、小金持ちになればいいということだ。

どちらが偉いということは、全くないのである。

何がいいかは、自分で決めればいい。
これを、周りがやっているからとか、流行しているからといって、それを真似してるだけでは、ただ苦しみが増すばかりとなる。

大事な事は、どこに自分の価値を置いているかという点だ。
その自分の考える価値において、現在の状況に感謝し幸せを感じつつも、さらに上を目指すのは全く自然な事なのである。

現在の恵まれた状況に感謝を忘れずに、しかし、さらに上を目指していくのが正しい生き方である。
人間は成長を欲する動物だ。自分の欲する理想に向かって迷わずに歩めばいいのだ。

しかしここで間違ってはいけないことがある。もしあなたが、心の豊かさを欲するのであれば、まず、富を受け入れ所有することが必要になる。

ここをよく間違う人がいる。

「心が豊かであれば、金は重要ではない。」

こう考えている人だ。

しかし、現実はそうではない。
富を手に入れ所有しない限り、心の豊かさも手に入らない。
つまり、心の豊かさが欲しければ、ある程度の金持ちになって成功する必要があるのだ。
精神性と物質はコインの裏表であって、その一方を拒むということは、コインそのものを保持できないことになるからだ。

自分にはない、美しさや財産や経験を渇望し、欲しい物などが買えないと思っている限り、あなたは、人生に感謝することが難しくなる。
すると、感謝の気持ちの無い状態が、あなたの精神を暗くし、惨めな感覚を生み出し続けていく。

精神と物質は分けることができないうことを知り、その両方を同等に受け入れ、感謝しない限り、富を追い払う力が働くことになる。
そうすると、経済的に貧乏になり、自ずと心の豊かさも失われていき惨めな人生となってしまうのだ。

心の豊かさを実現する重要なコツの一つは、人生を愛し、ありがたいと感謝することである。
その為には、まず、あなた自身が成功し、自分自身が愛せる存在になる必要がある。
愛することを行動にし、愛するものを所有することは悪い事ではなく、あなたの生きる力であり知恵でもあるのだ。
だから、まずは富を所有し、それをありがたいと思い感謝することで、心の豊かさが実現されるのである。

「私は、表面的な願望や細かな欲求を超越し、スピリチュアルに物事を考えます。
　だから、所有物や成功で人を判断しません。
　その人の本質が大事なのです。」

こういう話をする人がよくいる。あちこちのSNSなどで数多く見かける人たちである。

しかし、こうした人たちに、世の中で成功している人が近づくと、自己価値が矮小化されているせいで、劣等感で縮こまって見えるものだ。

本人自身も、自分たちが小さいと無意識に感じている。
それが裏返しとなって成功者に対する意味のない攻撃性や否定につながっていく。
こうした金に関する偏った思い込みの多くは、人間の劣等感の源になってしまうのである。

ところが、もしあなたに多くの顧客や事業、膨大な人材・資材があり、世の中にたくさんのサービスを与えていたら、あなたは世の中から、重要な人とみなされることになる。
そうなると、あなたの自己価値感は大きくなり、心の豊かさが実現されてくる。

しかし、あなたが何もしないで何も持っていないのなら、世間はあなたに大したことのない人というレッテルを張るのだ。

「人格や存在だけが最も大切であり、それは、あなたがすること、持っている物とは何の関係もない。」

こうした話もよく聞く。

確かにそれは真実だ。
しかし、これは完全に机上の空論でしかない。
実際に、その人のやっていることも持っている物もすべて取り除いて、ただ「いる」だけの状態に人間を置いた場合、その人は社会から落ちこぼれていくと共に、自分に対して抱くセルフイメージや自己価値観も奈落へと落ちていくことになる。

人間が、肉体を持って生きている限り、「存在すること」、「行うこと」、「所有すること」という３つの側面を切り離すことは絶対にできない。

人間が何にも所有せず何の行動もおこさないならば、その人間は無価値な状態になってしまう。

もしあなたが、この世界に精神的な変化を起こし、大きな精神的なサービスを提供したいならば、その方程式の反対側、つまり、現実の富を受け入れ所有する事が必要になるのだ。