金はこの世界に無限に存在する

この世界に金はどれくらいあるのか

金について学ぶにつれて金がいかに実体のないものかがわかってくる。金に実態がないからどんどん増えていくのだ。世界には金があふれかえっている。この世の中に、無限に存在するもの。それは、空気でも水でもなく、なんと金なのだ。しかし、この実体がないということに気が付かないために、多くの人が、どうしても金を稼ぐことを難しく感じてしまうのだ。(内田游雲)

profile:内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。中小企業や個人事業等の小さな会社のコンサルティングを中心に行う。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的コンサルティングには定評がある。本サイトの「洩天機-運の研究」は運をテーマにしている。他にも、この世界の法則や社会の仕組みを理解し経営を考える「気の経営」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)

この世界に金はどれくらいあるのか

金について学ぶにつれて感じるのは、「金」とは、ほんとうに実体の無いものだということだ。そもそも、金に実態がないから、世の中の金がどんどん増えていくのだ。今、世界には、金があふれかえっている。

しかし、この実体がないということに気が付かないために、多くの人が、どうしても金を稼ぐことを難しく感じてしまう。では、どれくらい実体が無いか、それを、ここで考えて見ることにする。

まず、日本にどれだけの金の量が、現実にあるだろうか。これは、日銀の通貨発行量を見れば一目瞭然だ。2018年12月末で110.4兆円である。これが日本の金の総量となる。

あれ、意外に少ない…
そう思わないだろうか?

日本の国家予算は101兆4564億円。おお、なるほど辻褄が合いそうな気がする。

内田遊雲の発行する【気の経営-メルマガ編-】(無料)はこちらから

では、日本の家庭の預貯金などの金融資産の総額はいくらだろう?

「日本人は貯金をする国民だから、110兆円の40%くらい、つまり、44兆円くらいかな~」などと、なんとなく思うのだが、実際は、同じ2018年時点で1829兆円だ。

「おお!」

110兆円しかないはずの金が、なぜか1700兆円も増えている。貯金は1829兆円でお金は110兆円しかない。差額の1719兆円はどこへ消えた?

金が増える魔法「信用創造」

別に国家が使い込んだとかそういうことではない。財務省がよく使う騙しのテクニック「国の借金」が・・・というのとは全く違う。

そもそも、「国の借金」というのも変な話で、あれは、政府が国民から借りている借金です(借金だとするなら)。私たちは、借りていないどころか、貸しているほうなので安心していい(笑)

よくニュースなどで目にする、「国民一人当たり○○円の借金」というのは、あれは、「政府の借金」を国民に押し付けるように見せて税金を取り立てようとするプロパガンダなので騙されないように。

さて、話を戻そう。

1719兆円が消えた理由は、どういうことかというと、銀行が存在するからだ。

銀行は、預金という形で大勢の預金者から金を預かり、預金者がいつでも預金を払い戻せるよう現金を用意している。

預金者の中には、預金をすぐに払い戻す人もいれば、長期間預けておく人もいる。預金者全員が、すぐに預金を払い戻すことはまずないので、銀行は預金の全額を現金で用意しておく必要はない。

預金の一部を支払準備として現金で手元に置いておき、残りの預金を企業などへの貸付に回すことができる。

企業などに貸し出された金は、取引先の支払いにあてられる。支払いを受けた取引先は、この金をすぐに使うあてがなければ、銀行に預けることになる。銀行は、支払準備分を手元に残して、残りをまた貸し出しに回す。

これを何度も繰り返すと、預金通貨という金が新しく生み出され続け、銀行全体の預金残高は、どんどん増えていくことになる。これを「信用創造」と呼ぶ。

こうして、現実の金の量からは、考えられないほど、金が増えていくのだ。

信用創造で1万円が数十億円に増える

では、一体どれくらい増えるのだろうか?
これは、預金を準備金率で割った金額となる。

では、日本の場合どうなのかというと、日銀の法定準備率は0.1%ですから、1万円を銀行に預けると、最大値で、10,000円÷0.001=10,000,000円となって流通する。

これは、びっくりだ。ボーナスは○○銀行へというCMが、よく流れていたが、そりゃ頑張りるだろう。1万円が1000万円になるのだから

内田遊雲の発行する【気の経営-メルマガ編-】(無料)はこちらから

しかし、話はこれで終わらない。さらに金はもっと膨れ上がる。

信用創造は、銀行の直接貸し付けにだけ見受けられるものではない。貸付債権は、さらに証券化され資産として運用されていく。そして、何倍ものレバレッジが掛けられ、市場で第二の貨幣として膨大な量となって流通していくのだ。

ここまでいくと、もう何がどうなっているのかすら、誰にもよく判らなくなっている。おそらく最初の1万円が数億円~数十億円以上にはなっているはずだ。たった1万円が数十億円だ。

そして、こうしたことが日本だけではなく、世界中の国々で行われている。

湯水のごとく存在するのが金だ

しかも、今は金が形を変えてデジタル記号としても存在し、ポイントやマイルなどの新しい電子通貨も流通している。

そう考えると、いったい世界には、どれくらい金があるのか誰もわからない。スーパーコンピューターを使って計算しても、計算している途中で金も増え続けるので、おそらく金の量の正確な数字は計算不可能だろう。

こうしてみると、金がいかに実体のないものかがわかってくる。金に実体がないからどんどん増えていくのだ。

世界には金があふれかえっている。この世の中に、無限に存在するもの。それは、空気でも水でもなく、なんと金なのだ。

それなのに、なぜ、自分のところだけには無いのか。そう感じるかも知れないが、それは、テーマがずれるので、また、別の機会に明らかにしていくことにする。

関連記事一覧

error: Content is protected !!