この世界は何かを得るためには何かを引き換えにしなければいけないのが大前提になっている
この世界は、何かを得るためには何かを引き換えにしなければいけないというのが大前提になっている世界なのだ。何と何を引き換えにしていくかということは、その人の自由ではあるのだが、その結果として、何を犠牲にするかを常に考えておくことである。有限なものと引き換えにすることは、あまりお勧めできない。代表的な有限なものというのは、分かりやすく言うと時間である。(内田游雲)
profile:内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。中小企業や個人事業等の小さな会社のコンサルティングを中心に行う。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的コンサルティングには定評がある。本サイトの「運の研究-洩天機-」は運をテーマにしている。他にも、この世界の法則や社会の仕組みを理解し経営を考える「気の経営」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)
何かを得るには何かと引き換えるしかない
私たちが生きているこの世界では、何かを手に入れるためには、何かと引き換えにする必要がある。
これが、この世界の真理だ。
これに対しては全く例外はない。
だから、あなたが
「何かを手に入れたい!」
そう思う時には、何を引き換えにするべきかをまず考える必要がある。
例えばあなたが、快適に暮らせる家が欲しいなら、まず、家そのものを手に入れるために、一番簡単な方法は金と交換をすることである。
これが一番よく行われる売買という交換だ。
今度は、何かの知識を得ようとする場合。
仮に、英会話を身につけたいと思うのであれば、金を払って 英会話学校に行ったりする。この時に引き換えにするものは金と時間である。では、この金を手に入れる為にはどうするかと言うと、一般的にはどこかに働きに行って給料もらう。それはすなわち時間と金を引き換えにするということになる。
結局のところ今のこの世界においては、何かを得るためには何かを引き換えにしなければいけないというのが大前提になっている世界なのだ。
ところが多くの人が、こうした原則をあまり意識しないで過ごしている。
何と交換するかが重要になる
では、ここで、あなたが豊かに暮らしたいと思うと、どうしたらいいかを考えてみることにする。豊かな暮らしとをここでは、ある程度の自由に使える金と時間を持っている状態と仮定しておく。もちろん価値観は人それぞれなので、他の状態でも構わない。
まず単純に考えて、持っている金が多ければ多いほど、人は豊かに暮らしやすくなる。
では、
この金をどう稼ぐのか?
何と引き換えとして稼ぐのか?
ここを考える必要があるのだ。
金を手に入れる為に、時間と引き換えにしてしまった場合には、金は手に入っても、自由をなくすことになってしまう。金を得るということ一つとってみても、どこかでこの矛盾にぶつからざるを得ないのだ。
あるいは、投資を考えてみた時に、何と引き換えにしているかというと一つは元になる金だ。もう一つがリスク、つまり損をする可能性と引き換えに金を得るということになる。
何と何を引き換えにしていくかということは、その人の自由ではあるのだが、その結果として、何を犠牲にするかを常に考えておくことである。
無意識に時間と交換していないか
ここで、注意しておきたいことは、有限なものと引き換えにすることは、あまりお勧めできないということだ。
代表的な有限なものというのは、分かりやすく言うと時間である。時間だけは何かと引き換えにして手に入れることが、ほとんどできないものだ。だから何かを手に入れたい時に、時間と引き換えにするということは、極力避けた方がいいということになる。
しかし人はつい時間と何かを引き換えにしてしまうのである。
よくある例では例えば、もっと金が欲しい!
じゃあもっと働く時間を延ばそう
こうしたことだ。
さらには、あまり気がつかないかもしれないが、例えば経営者が会社の売上をもっと上げていくための知識や技術が欲しいと思った場合、よくやるのが一生懸命マーケティングの勉強をしたり集客の勉強をしたりといった方法を取りがちである。セミナーに参加するのも同じだ。
これらは全て金を出して知識を得ているように見えて、自分が学んで、自分が身につけて、自分が理解して、自分が応用するといった、多くの時間と引き換えにする部分がかなり大きいのである。
専門家を雇うことが最も効率がいい
こうした場合に、一番効率的な方法は単純に知識のある人を雇ってしまえばいい。言い換えれば、専門家にアドバイスを求めればいいのである。これが最も効率的なあなたの会社や店の売上を伸ばしていく方法となる。
しかし、多くの経営者がコンサルを受けるよりもどこかのセミナーに行くことを選ぼうとする。もちろんその方法が絶対に間違いというわけではない。
金と知識を引き換えにするだけではなくて自分で勉強し、理解し、なおかつ応用するといった時間もかなり投入せざるを得ないということなのである。この現実を理解しておくほうがいい。
例えば私がマーケティングの勉強をし始めたのは、かれこれ40年ほど前からになる。もちろん年月が全てというつもりはないが、それでもその間に学び実践し経験してきたことは、おそらく今からあなたが勉強しても、そう簡単に追いつくものではない。
だったらシンプルに専門家を雇って、金を払ってしまえばいいのだ。雇ってしまえば、売上を増やし会社を伸ばしてくれるアドバイスを必ずもらえるのだ。しかもそれは第三者的視点ということで、かなり的確な方法を示してくれるはずである。
会社の業績を改善したり、売上をもっと増したいなら、一番簡単なのは、コンサルタントのような専門家を金で雇ってしまうことが最も効率がいいのである。
あなたの時間は必ず足りなくなる
同じことを自分が勉強して、会社を繁盛させるためには、おそらくかなりの時間と金がかかるはずだ。しかも会社の経営は待ってはくれない。請求書の支払い締切は待ってはくれない。今から勉強して10年後には、すごい知識を身に着けているといっても間に合わないのである。その時間の間に、会社は潰れてしまうことになる。
本来は何かと引き換えにするという原則を商売にしている経営者でさえ、そうなのである。普通の人が時間と何かを交換してしまうのも宜なるかなである。世の中のすべての物事は全て何かと引き換えに手に入れるものだ。そして、ついその引き換えにしてしまうのが時間なのである。
ああたが豊かで幸福な暮らしを目指すためには、できる限り限界のある時間とは、引き換えにしないほうがいい。
ここを常に考えて何が一番効果的なのかを常に意識していくことだ。