豊かになりたければ金について知ることから始めよう

profile：内田游雲（うちだ ゆううん）
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。中小企業や個人事業等の小さな会社のコンサルティングを中心に行う。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的コンサルティングには定評がある。本サイトの「洩天機－運の研究」は運をテーマにしている。他にも、この世界の法則や社会の仕組みを理解し経営を考える「気の経営」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営（メルマガ編）】も発行中（無料）

ほとんどの人が、金の持つ本当の姿に気づいてさえいない。金のことがちゃんとわかっていないと、金を手に入れることはできないし、いつまで経ってもカネの問題から開放されない。

それでは、金とは何だろうか？

こう問われてみて初めて気づくのだが、実は私たちは、その実態について驚くほど判っていない。私たちは、毎日のように金を使って生きていて、その金を稼ぐ為に仕事をしているのに、ほとんどの人がよく解らない状態のまま生きているのだ。

あなたは、これまでに金について、学校で教わったりしたことがあるだろうか？
おそらく無いはずだ。

なぜか、学校では金について教えない。学校の先生だけではなく、親ですら金について、教えることはほとんど無いのである。

世界中のすべての人が、金がもっと欲しいと考えている。しかし、誰も金とは何なのか、正確に理解している人は、ほとんどいないのだ。不思議なことに金について、誰もよく知らないまま世界は回っている。

金を誰もが欲しがっているのに、なぜか、隠され、タブー視され、誰も深く追求しようとしない。そして、だれもが金に関する話になると戸惑ってしまう不思議なもの。

それが金なのである。

金は収入や借金を計算する為のただの数字ではない。ただの数字であれば誰も金で困ったり、借金を恥ずかしがったりしないはずだ。

しかし、初対面の相手に対して「あなたの借金はいくらありますか？」などと、聞こうものなら、ほぼ確実に相手は怒り出すことになる。借金について聞くのも嫌だし、聞かれるのも嫌なものだ。しかし、本来、借金とは単なる数字でしかないはずだ。

また、金は１円や100円、500円といった貨幣でもないし、また、1,000円、10,000円といった紙幣でもない。そもそも紙幣と貨幣とは同じ金なのだが、まったく違う存在だ。

例えば日本の通貨には２種類が存在している。その一つが紙の金である紙幣であり、もう一つが貨幣と呼ばれる金属の金だ。実は、この紙幣と貨幣では発行元も金としての意味合いも全く違う。

日本の紙幣には、「日本銀行券」と書かれているように、紙幣を発行しているのは日本銀行であり日本政府ではない。それに対して、貨幣は日本政府が発行している。貨幣は補助貨幣という存在で、日本国内だけでしか使用することが許されていない。だから海外に日本の硬貨を持って行っても、外貨と両替することはできない。

海外に行ったことがある人なら分かると思うが、空港などで両替した際、紙幣しか渡されないのは、それぞれの国の貨幣は紙幣とは違う扱いであるという意味なのである。

さて、これが金の意味となるともっと広くなる。もちろん、これらの紙幣や貨幣を指す時もあるが、お金の持つ意味はそれに限られないのだ。

もし金がこういったただの物質や単なる数字であったなら、話は単純であり、だれも、もっともっとと欲しがったり、借金で困ったりすることは無いはずだ。

しかし、現実には、私たちはもっと金を欲しいと願い、反対に、借金に対して後ろめたさを感じている。結局のところ金に対する私たちの行動が、金を複雑にしているのだ。

私たちは、金に感情的な価値を与え、金を過大評価し、金の本来の目的と違う使い方をしていく為に、どんどん金を複雑怪奇なものにしてしまっている。

金は、リトマス試験紙のようにその人の性格をはっきりとさせていく。酒が好きな人は、金があれば、もっとたくさんの酒を飲むようになるし、ファッションが好きな人は、もっと多くの服を買いたいと思うようになる。思いやりのある人が金を持てば、チャリティーに使ったり慈善事業を立ち上げたりする。

しかも、現在の自分が、はっきりするだけではなく、こうありたいという未来の希望や過去の記憶や、過去に犯してしまった失敗に対する後悔まで拡大するのだ。つまり金は、私たちの夢や空想、欲望や感情などに形を与えるものなのである。

私たちは、ただ金を稼いだり、貯金したり、消費したりしているだけではない。金に対して、もともと無いはずの感情的な力を生じさせている。

この力は強大で、私たちを振り回し支配していくことになる。この力によって、多くの人が道を過ち自らを苦しめてしまうのである。

しかも、ほとんどの人が、こうした金の持つ本当の姿に気づいてさえいない。だから、金を得ようと思って、躍起になっても思うように得られないし、たとえ金を手にしたとしても、幸福からますます遠ざかってしまうのだ。

もし、あなたが金の問題を抱えているのであれば、まずは金について知ることから始めることだ。金のことがちゃんとわかっていないと、金を得ることはできないし、金の問題からいつまでも開放されないのである。だからまず最初にしっかりと金について学ぶ必要があるのだ。