お金の歴史を知れば「お金」が理解できる

お金の歴史を知ることで「お金」が理解できる

誰もが生きていく上で、必ず勉強して欲しい項目に、お金の知識があります。
お金の知識は、人生の必須科目だと言っていいものです。

しかし、現実には、お金についての知識を学ぼうとする人は極めて少数なのです。

お金とは何かということを究明しようとすると、まずお金の歴史について知っておく必要があります。
そこでここでは、お金の歴史について、まず、その概略だけでも説明することにします。

お金の始まりについて

経済活動の最も古い形式は、物々交換と呼ばれるシステムでした。

これはまず、同じ価値を持つ品物同士を交換する取引だったのです。
たとえば、家畜と穀物は、誰もが必要としていたし、もう少し特別な価値を持つ、そのほかの品物と簡単に交換できる為に、「最も初期のお金」として塩が用いられたとされています。

英語で給料のことを「サラリー」といいます。
塩は「ソルト」ですね。
これらはどちらもラテン語で塩という意味の「サラリウム」が、語源となっています。

これは、決して偶然になったわけではありません。
ローマ時代に兵士達は、塩で給料を支給されていたのです。
この時代の経済は、牛や小麦、そして塩などの実際の生活に欠かせないものだけが流通していました。

こういった物々交換は、とても効率的なシステムですが、ちょうどそのときに双方が相手の持っているものを欲しがっていないと成立しません。

牛一頭を穀物一袋と数本の槍と交換するのが、現実的とは限らないし、牛一頭、穀物一袋、槍一本の実際の価値を決める、はっきりした基準が無い為に簡単にはいかないわけです。

そこで、次第に「一次産品」という考え方が生まれました。

お金のカタチの変遷

一次産品とは取引可能な生産品で、それ自体に有用性のあるものを指します。
具体的には、金属などです。

道具や武器のように必要不可欠な品物に加工でき、将来ふたたび取引に使えるものです。
当初は、これを取引の道具として、使われていました。

そして、次に登場したのが「代表貨幣」です。

「代表貨幣」とは実質的な価値が無いものを価値の象徴として用いたものです。
これが、「お金の抽象化」が始まった歴史的な一歩でした。

お金が抽象化するお金の歴史

しかし、11世紀末、中国の宋で最初の紙幣が登場したときに、お金の抽象化は格段に進むことになります。
紙でお金を作るという紙幣は、材料としての利用価値の無い、純粋な意味での代表貨幣です。

さて、時代は進み、18世紀の始めに、スコットランドの経済学者ジョン・ローが、政府は所有する金以上の紙幣を発行できるという考えを提唱しました。

それまでは、紙幣はあくまでも所有する金の額のみしか発行できないという考えが主流でした(これが金本位制です)。
ところが、彼は金よりもむしろ政府が所有する土地を担保に、紙幣の将来の価値を保証しようと考えたのです。

これが、現代の銀行システムの先駆けとして、赤字に苦しんでいたフランスを支払い能力のある国家に生まれ変わらせ、有名なミシシッピバブルを引き起こします。

しかし、それでも紙幣は、抽象的ではあったものの、それでも価値のある物質的なもの(たとえば金)に結び付けられていました。

ところが、アメリカが1971年にドルと金の引き換えを停止して「金本位制」を廃止すると、わずかながら残っていたお金の具体性は、全くなくなってしまいました。
紙幣は物質的な現実性から全く独立したものになったのです。

通貨としての金から、金に裏打ちされた紙幣、そして単独で成り立つ紙幣へと、お金はどんどん抽象化していきます。
つまり、実態が無くなっていったのです。

お金はその実態を無くしていく

それからさらに数十年後の今、クレジットカードやデビットカード、インターネットバンキング、電子マネーなどといったように、お金のデジタル化によってお金は現実性をますます無くしていきます。

試しに、考えてみて欲しいのですが、あなたの年収のどれくらいの金額のお金を実際に一年間に目で見るでしょうか?
恐らく30%もないのではないでしょうか?

給与は振込み、電気代などの光熱費は引き落とし、電車に乗るのにはSUICAなどの電子マネー。
つまり、収入があっても、実際にお金を目にする機会は、ほとんど無くなっています。
現代のお金はデジタル情報として存在し、完全に実体の無いものに大きく変化しています。

これが、お金の辿ってきた歴史です。

そして、お金の現実がなくなるほど、私たちのお金に対する考えも大きく変化してきているのです。
このお金の抽象化ということがお金の現実感を失わせ、個人の大きな経済問題としてクローズアップされることになるのです。

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